「皆さん、こんばんは〜!帝国華撃団・薔薇組で〜す!」
「ファンの皆、おまた〜!遂に私達にもこのコーナーが回ってきたわよん」
「あ〜ん、でも私ぃ、本当言うと一郎ちゃんとやりたかったわぁ〜」
「〜〜だ、駄目ですよ!大神さん、今、それどころじゃないんですからね!?」
ダイジェストが流れる。
「んまぁっ!!どういうことなの、これ!?」
「はうぅ…、困ったことに副司令がご自分を殺せと大神さんに――」
「〜〜私以外の女に婚約指輪を渡そうだなんて、許せないわ〜っ!!」
「〜〜むき〜っ!!私とは遊びだったのぉっ、一郎ちゃん!?」
「〜〜こ…、琴音さん…、斧彦さん…?」
「斧彦っ、こうなったら何が何でも阻止するわよ!!」
「そうよ!!一郎ちゃんは私達のものなんですからねっ!!」
走っていく琴音と斧彦。
「ふ、二人とも、待って下さいよぉ〜!!〜〜あうぅ、私一人残されても困りますぅ…。――え?わ、私一人で進行するんですか!?わ、わかりました!えっと、前回は確か、副司令が巫女を継ぐ儀式をやったんですけど、最終降魔に邪魔されて、でも、その最終降魔は副司令で…あ…、あれ?〜〜ご、ごめんなさい、その、何て説明したらいいか…」
「――はっはっは!そのことなら、俺に任せてくれたまえ!!」
ギターを弾きながら来る加山。
「あ、加山さん…!」
「やぁ、どうもどうも!風呂上りにフルーツ牛乳飲んでたら、ダイジェストのコーナーをここでやってるって聞いたからさぁ」
「あ〜ん、それはいいから、早く説明して下さいよぉ!!」
「わかってるって、そんな焦んな。――ハァイ、ベイベー達!いつも見てくれてる君だけに教えてあげよう!あ、その前に先日できた俺の新曲を…」
「〜〜加山さぁんっ!!斧彦さん呼んでチューさせますよ!?」
「〜〜ゲッ!!す、すみません、真面目にやります…。――藤枝家に100年に一度生まれる悪魔の子、つまり最終降魔の生まれ変わりがあやめさんだったんだ。なんでも藤枝の家だけでなく、世界をも滅ぼす存在らしいぞ」
「えぇっ!?じゃあ、副司令はどうなるんですか!?」
「それは俺にもわからない…。う〜ん、でも、何か引っかかるんだよなぁ…。ほら、よく聞いてみろ。先巫女様は『今までわざと力を抑えていたのか』って言ってるだろ?」
「あ、確かに。じゃあ、副司令が幼い頃は悪魔の子だって気づか…むぐっ!」
菊之丞の口を押さえる加山。
「おっと!今回はその藤枝家の秘密が見せ場だ。まだ言うなよ〜?」
窒息しそうになりつつ必死に頷く菊之丞。離され、息苦しく咳き込む。
「よぉし、では本編の前に一曲!大神、男の意地でこの危機を乗り越えろ〜!永遠の愛を勝ち取れ〜!ライライラ〜♪さぁ、ご一緒に!」
「ラ、ライライラ〜…♪〜〜あうぅ、こんなことなら琴音さん達と一緒に行けばよかった…」
「はっはっは!こんな時だからこそ俺達が明るくしなくてどうする!さぁ、次は加山雄一ベストメドレーだ!!予備のギターを貸してやるぞ!!」
「〜〜私まで巻き込まないで下さいよぉ〜!!琴音さぁん、斧彦さぁ〜ん…!!」
菊之丞を引っ張っていき、振り返る加山。
「…ところで、俺とかすみっちのさらなる進展はあるのかな?」