「ようこそ、大帝国劇場へ。帝国華撃団花組・マリア・タチバナです。前回のダイジェストですね、了解しました。では、一緒に見ていきましょう」
ダイジェストが流れる。
「兄のように慕っていたロシア革命部隊隊長・ユーリを失った私は人間の心を捨て、『クワッサリー』として戦場の鬼と化していました…。仲間や協力に頼らず、常に単独行動を貫いてきた私…。そんな私の凍てついた心を大神隊長は溶かしてくれました。ユーリ隊長以外を隊長と認めたくなかった私でしたが、大神隊長は命がけで私を助けに来てくれました。私に人間らしい心を取り戻させてくれた大神隊長に今はとても感謝しています」
「――マ・リ・ア・さぁ〜んっ!」
マリアに抱きついてくる椿。
「〜〜つ、椿…!」
「ダイジェストのコーナーをマリアさんがやってるって聞いたんで、売店放って来ちゃいましたぁ!えへへっ!」
「…仕事に戻りなさい。もう終わるところよ」
「え〜っ?もうですかぁ〜?…なら、お部屋に行ってもいいですか?実家のお煎餅持ってきますからぁ…ね!」
「駄目よ。今から隊長と大道具部屋の掃除を――!!」
隠し撮り写真を見せられ、慌てて奪い返そうとするマリア。
「〜〜い…っ、いつの間にそんな写真撮ったのっ!?」
「うふっ、マリアさんのシークレット写真ですよぉ!私の宝物なんです!」
「〜〜返しなさいっ!!」
「じゃあ、お部屋に行ってもいいですか?」
「〜〜それとこれとは話が――!!」
「え〜?じゃあ、皆さんに見せちゃおっかな〜!」
「〜〜やめなさいっ!!わかった!わかったからっ!!」
「本当ですかっ?きゃ〜!嬉し〜いっ!」
マリアに抱きつく椿。
「…ハァ、まったく、仕方ない子ね」
「えへへ〜っ!――あ、そういえば、今回はアイリスちゃんのお話なんですよね〜!マリアさん、蒸気テレビジョンで一緒に見ましょうよぉ!」
「…はいはい。――では、皆様も最後までごゆっくりお楽しみ下さい」