★10−3★
光武に搭乗する花組。日本橋の上空から照準を定める風組。
「花組、搭乗確認!」
「目標!日本橋D地点!!」
「照準セット!――発射!!」
射出される花組の光武、パラシュートで着地し、陣形を整える。
「帝国華撃団、参上!」
一斉に襲ってくる脇侍達を薙ぎ払っていく大神達。
「雑魚に構うな!一気に入口まで向かえーっ!!」
入口の脇侍達を銃と爆弾で撃つマリアと紅蘭。爆発する脇侍達。
「マリアは副隊長として弐班の指揮を頼む!」
「了解です!――目標・脇侍の殲滅!!各自周囲の脇侍を撃破するのよ!!」
「了解!」「了解!」「了解!」
「残りの者は潜入開始!はぐれないよう固まって移動するんだ!」
「了解!」「了解!」「了解!」
「きええええいっ!!」
「チェストォォ〜ッ!!」
入口の岩を砕くすみれとカンナ。
「隊長、今だ!」
「死んだら、承知致しませんわよ!?」
「あぁ!君達もどうか無事で…!」
潜入する大神、さくら、あやめ、アイリス。追いかける脇侍を撃つマリア。
「ここから先は通さないわ!――皆、行くわよ!!」
★ ★
本拠地の最深部。玉座に座り、闇の霊力を高める天海。地下で蠢く降魔の影。崩壊した帝都で避難し、不安がる人々。泣く子供を抱きしめる母親。
「素晴らしい!人間どもの苦しみ、泣き叫ぶ声があちこちから聞こえてくるわい!もっと喚け!泣き叫べ!!絶望と恐怖の心が我々の力となるのだ!!」
瞬間移動し、ひざまずく叉丹。背後で魔法陣が現れ、天照が出現。
「天照の最終調整及び封印解放、完了致しました」
「フフフ…、ご苦労、叉丹。いよいよ死天王もお前一人となった…。我に忠誠を誓い、命をかけて小娘どもを始末せよ…!」
「御意。――全ては天海様の御為に…」
頭を下げ、不気味に微笑む叉丹。天照を見上げ、満足気な天海。
「ふふふ、これだ!これさえあれば、帝都を汚れた欧州文化から救える!日本を再び幕藩体制に戻し、その頂点に我が君臨する時が来たのだ…!!」
両手を上げ、闇の霊力を高める天海。
「起動せよ、天照!我の手足となり、帝都を破壊し尽くすのだああっ!!」
天照が天海に覆い被さり、激しい闇の霊力を授ける。目を見開く天海。
「〜〜がは…っ!?こ…っ、これ…は…ぁ……!!」
「ククク…、愚かな老いぼれ坊主よ、今からお前は私の下僕だ…!」
「〜〜き…っ、貴様ぁ…っ!はか…ったなぁ…っ!?」
「騙される方が悪い。貴様のちっぽけな野望等、いずれ私が叶えてやるさ」
「〜〜ぐ…、お…のれ…、さた…ん…ぐ……あ…ぐわあああああ〜…!!」
狂い、獣のように吠え出す天海。地下で降魔達が蠢き、雄たけびをあげる。
「天海よ!今こそ我が右腕となり、邪魔な小娘どもを始末するのだ!!」
天照と一体となり、化け物に姿が変わって吠える天海。
★ ★
大神に斬られ、爆発する脇侍。各自で倒しながら、進む大神達。
「さすがに向こうも必死みたいね…」
「〜〜うぅ…、真っ暗で怖いよぉ〜」
「安心していいよ。アイリスは絶対俺が守るから」
「えへへっ、わ〜い!」
気まずく顔を合わせないさくらとあやめ。雰囲気を察し、困惑する大神。地震が起き、柱が崩れる。
「〜〜な…っ、何だ…!?」
「――ようこそ、我がアジトへ」
瞬間移動で現れる叉丹。構える大神達。
「貴様にかまっている暇はない!親玉の天海はどこだ!?」
「フフフ…、親玉…か」
指を鳴らす叉丹。大きな地震で地面が裂ける。足が滑り、落ちるさくら。
「きゃああああああ…!!」
「さくら…!!」
さくらに腕を伸ばして掴むも、一緒に落ちるあやめ。
「あやめさん…!!さくら君…っ!!」
二人を助けようとする大神とアイリスだが、見えない壁に弾かれる。
「〜〜く…っ!!何だ、これは…!?」
「あいにく我が宴の招待状は、お前らの分まで手配できなくてね。――これで我が野望を邪魔する者はいない…。ククク…、アーッハッハッハ…!!」
高笑いしながら、消える叉丹。地面が閉じ、柱も元に戻る。
「待て…っ!!〜〜くそぉ…っ」
「〜〜さくらとあやめお姉ちゃん…、どこ行っちゃったの…?」
「探そう…!霊力の波動からして、まだ近くにいるはずだ…」
獣の吠える声。怯えるアイリスをかばう大神。
「な…、何だ…!?」
「すごい妖気…。〜〜近づいてくるよぉ…!!」
天照に体を取り込まれた天海が近づいてくる。
「〜〜お…っ、お前は…!!」
★ ★
光武から降ろされた状態で横たわるさくらとあやめ。目を覚ますさくら。
「――あれ…?私…、確か谷底に…」
隣のあやめを見つけ、ハッとなるさくら。腕を怪我しているあやめ。
「もしかして…、〜〜私を助ける為に…?」
殺気を感じ、荒鷹を抜いて防御するさくら。叉丹の剣を受け止める。
「さすがは真宮寺の娘。見事だ」
「〜〜私達をどうするつもり…っ!?」
「さぁ?どうしてほしいんだ?」
あやめの腕の怪我を踏む叉丹。悶えるあやめ。
「〜〜んあああ…っ!!」
「〜〜やめなさいっ!!」
「ふははは!私が憎いだろう?もっと憎め!憎むがいい…!!」
睨み、叉丹を銃で撃つあやめ。離れ、笑う叉丹。
「女二人で何ができる?愛しの大神が来るまで生きていられるかな?」
刀を構え、睨むさくらとあやめから少しずつ放出される闇のオーラ。
★ ★
最後の脇侍が爆発。安堵し、肩を回すカンナ。
「は〜、やれやれ、さすがのあたいもキツかったぜ」
「これで終わりじゃないわ。隊長達に追いついて、合流しないと…!」
紅蘭の機内の霊力測定値に変動。さくらとあやめの霊力値が急降下。
「ど、どないしたんや…!?」
「どうかしまして?」
「〜〜さくらはんとあやめはんの霊力値が急激に下がってきとるんや!」
「何だって…!?」
「二人に何かあったんだわ…。〜〜急ぐわよ!」
顔を見合わせ、頷き合うマリア達。
★ ★
翔鯨丸。装置のさくらとあやめの霊力値急降下表示に青ざめる風組。
「〜〜司令…!」
「…今は信じろ!大神を…、――あの子達を信じるんだ…!」
★ ★
「――たああああああっ!!」
叉丹に斬りかかるさくらとあやめ。同時に受け止め、剣を振る叉丹。さくらとあやめから闇の霊力が放出するのを見て、笑う叉丹。
(――それでいい…!もっと敵意をむき出しにするがいい…!!)
離れ、さくらとあやめを剣圧で吹き飛ばす叉丹。
「きゃああああ…!!」
左手で地面をついて体勢を整え、懐から銃を出して撃つあやめ。剣で弾を弾き、間合いを詰めて柄であやめの腹を突き、蹴り飛ばす叉丹。
「うあ…っ!!〜〜きゃああああっ!!」
「あやめさん…っ!!〜〜はああああっ!!」
斬りかかるさくらだが、全て受け止められ、衝撃波で飛ばされる。
「きゃあああああーっ!!」
「〜〜さくら…!!」
「…まぁ、昔と比べれば、ましになった方か」
倒れている二人に歩み寄る叉丹。悔しく睨むさくらとあやめ。
「安心しろ、まだ殺さぬ。――用済みになるまではなぁっ!!」
地面から放出した黒い電流がさくらとあやめに流れ、霊力を奪われる。
「〜〜きゃあああああああ――っ!!」「〜〜きゃあああああああ――っ!!」
二人から奪った霊力を手中に集める叉丹。霊力の光が闇に変換せず。
(さすがは裏御三家の霊力。…そう簡単に闇には変換せぬか)
指を鳴らし、電流を止める叉丹。気を失い、倒れるさくらとあやめ。
「…切り札のお前らがその程度か。話にならんな」
うつ伏せのさくらの傍に剣を地面に刺す叉丹。体を起こし、睨むあやめの腹を蹴り、上に乗って首を絞め、手から黒い電流を流す叉丹。
「〜〜いやああああああっ!!」
(〜〜た……す…け…て……。……お…がみ…く――)
虚ろな瞳に映る叉丹がぼやけ、抵抗した手から力が抜け、気を失うあやめ。
★ ★
「――あやめさん…!?」
あやめの気配を察し、ハッとなる大神を襲う天海。刀で弾き、斬る大神。傷ついても平気で立っている天海。
「〜〜ば…、馬鹿な…!?」
「〜〜怖い…!怖いよぉっ!!」
「落ち着け、アイリス!ここで力を暴走させたら、生き埋めになるんだぞ!?」
「で、でも…!〜〜うわああん!!怖いよぉっ!!あっち行って〜っ!!」
アイリスに攻撃する天海。うずくまって泣くアイリスの恐怖心が天照に取り込まれる。霊力の波動が強まり、大神の光武が破損。攻撃を受ける大神。
「し、しま…っ――!〜〜うわあああっ!!」
「〜〜お兄ちゃん…っ!!」
アイリスの前に立ちはだかり、恐怖心を取り込む天海。怯えるアイリス。
「〜〜アイリス、怖がるな!!そいつは人の恐怖心を力に変える!怖がれば怖がるほど、向こうはどんどん強くなるんだぞ!?」
「で、でも…、〜〜うわああああ〜んっ!!」
「〜〜く…っ、どうすれば――!?」
「――スネグーラチカ!!」
「――胡蝶の舞!!」
炎と氷の合体攻撃が天海を包み、倒れる天照。やってくるマリア達。
「ご無事ですか!?」
「皆…!あぁ、助かったよ」
「よしよし、もう怖くねぇからな〜?」
頭をなでるカンナに抱きつき、嗚咽を漏らすアイリス。
「さくらさんと副司令はどうなさいましたの?」
「〜〜それが…、地震の裂け目に落ちて…」
「〜〜う…、嘘だろ…!?」
「せやけど、まだほんの少しやけど、二人の霊力反応はある!完全にお陀仏になったわけちゃいますわ!」
「じゃあ、急いで救出すれば――!」
背後でゆっくり起き上がる天海。驚くマリア達。
「〜〜ま、まだ死んでませんでしたの…!?」
雄たけびをあげ、向かってくる天海。構え、アイリスを後ろにさせる大神。
「アイリス、下がってるんだ…!――うおおおおおっ!!」
刀で斬りかかる大神。戦う大神とマリア達を心配に見つめるアイリス。
★ ★
「きゃああああっ!!」「きゃあああーっ!!」
叉丹に攻撃され、倒れて転がる傷だらけのさくらとあやめ。荒鷹を握ろうとするさくらの右手を踏む叉丹。苦しみ、悔しく睨むさくら。
「その瞳…、父親にそっくりだな。〜〜俺を蔑んだその瞳に…!!」
衝撃波を当てる叉丹。地面に叩きつけられるさくらをかばうあやめ。
「変な言いがかりはよして!!大佐はあなたを蔑んでなんかいなかったわ!!」
「――お…父…さ…ま……?」
「フン、少し腕が立つからといって偉そうな男だった。死んで正解だな」
「〜〜お父様を…侮辱しないで…っ!!」
「ほぉ、まだ喋れたか?面白い。今日はとことん付き合ってやるぞ…!!」
衝撃波を連射する叉丹。さくらを抱きしめ、かばうあやめ、衝撃波がかすり、戦闘服の布地が破れていく。さくらの朦朧とする意識の中、必死にかばうあやめが昔のあやめと重なる。回想。帝都。夜桜の下で巨大降魔と降魔の大群と戦う対降魔部隊。木の陰に隠れ、怯えながら見ている幼いさくらを見つけ、襲いかかる降魔。さくらをかばい、負傷して倒れる若いあやめを抱き起こす山崎。目を見開き、あやめの顔を覗き込むさくら。
『〜〜お…、お姉ちゃあん…!!』
弱々しく微笑み、さくらの頭をなでるあやめ。
『――泣かないで…。可愛い顔が台無しよ…?』
揺れるピンクのお守り。ハッとなるさくら。
「くくく…、実に愉快だ。――さぁ、どこまで耐えられるかな…!?」
衝撃波を連射する叉丹。命中し、背中を負傷してのけぞるあやめ。
「〜〜きゃあああああああっ!!」
「死ねえええっ!!」
「〜〜やめてえええええっ!!」
激しい衝撃波を飛ばす叉丹。涙を飛ばし、さくらの霊力が解放。爆発の中、光り出すさくら。肩で息をし、光る荒鷹を構えて立っているさくら。
「さ…、さく…ら…?」
「二度も助けられちゃった。今度は私に任せて下さいね、――お姉ちゃん」
「…!」
「まだそれ程霊力があったとは…。だが、好都合。その力、もらい受ける!!」
巨大な衝撃波を放つ叉丹。荒鷹の光がさくらの体に移り、全身が光り、荒鷹から桜吹雪の衝撃波を放つ。
「――破邪剣征…、桜花放神!!」
「何…っ!?〜〜うわああああっ!!」
飛ばされて壁に叩きつけられ、めり込む叉丹。力が抜け、座り込むさくら。
「〜〜さくら…!しっかりして…!!」
「えへへ…、少しは強くなったでしょ…?」
涙を流し、微笑んで頷くあやめ。叉丹から黒いオーラ。
「〜〜ふふ…、ふはははははは…!ふははははははははは…!!」
さくらをかばい、睨んで刀を構えるあやめ。起き上がり、闇の霊力を発しながら、ゆっくり歩き出す叉丹。サタンの声と二重に。
「「――その力…、やはり素晴らしい…!」」
「〜〜な…っ、何…!?」
「「お前も…、そこのお前も…!全て霊力を吸いつくしてくれるわ!!」」
闇の霊力を爆発させる叉丹。全ての空間が歪む。頭を押さえ、苦しむ天海。
「ど、どうしたんだ…!?」
凶暴さが増し、襲いかかる天海。よけ、攻撃するが、通じず。驚くマリア達。雄たけびをあげ、闇の霊力を爆発させる天海。飛ばされる大神達。
「うわああああ…!!」
「きゃああああ…!!」
「〜〜皆ぁっ!!」
目を見開くアイリス。倒れ、金縛りにあって動けなくなる大神達。
「〜〜う、動けねぇ…っ」
「〜〜あかん…、うちらの霊力が…あいつに吸い取られとるわ…!」
「〜〜く…っ、力…が……」
力が抜けていき、意識が朦朧とする大神達。ショックなアイリス。
「〜〜ア…、アイリス…、逃…げ〜〜ぐああああっ!」
大神の光武を踏み、アイリスの前に立ちはだかる天海。怯えるアイリス。
「〜〜アイリス、逃げなさい…っ!」
「〜〜や…やだぁ…」
「アイリス、頼む…。ここで皆やられたら、帝都はどうなっちまうんだよ?」
「〜〜アイリス…、お行きになって…!」
苦しむ大神とマリア達。涙を流し、首を横に振るアイリス。
「〜〜アイリス…、皆を残してなんか行けない…。だって…、だって…」
吠え、アイリスに襲いかかる天海。
「〜〜やめろおおおっ!!」
「アイリスだって…、〜〜皆を守りたああああいっ!!」
アイリスから強力な黄の霊力が発生。アジト内を駆け抜け、浄化。さくらとあやめのいる空間にも光が走る。
「これは…、アイリス…!?」
怯み、悔しがる叉丹。吠え、苦しがる天海を睨み、立ち上がるアイリス。
「〜〜アイリス…、負けないもん…っ!アイリス、大人だから…、お化けなんか怖くないもんっ!!――イリス・ジャルダーン!!」
大神達、さくら、あやめの傷が回復。紅蘭機内の全隊員の霊力値が急上昇。
「皆の霊力値が…!――これなら、いけるでぇ!!」
無鉄砲にアイリスを攻撃する天海。刀で防御してかばい、斬る大神。
「よくやった、アイリス!君ももう立派な花組の隊員だ!」
「お兄ちゃん…!」
「俺も皆も傍にいる。勇気を出して、悪い奴らをやっつけよう!」
「うんっ!アイリス、強いんだからね〜っ!?――それ〜っ!!」
黄の光で天海を浮かばせるアイリス。
「ここからが本当の帝国華撃団の戦いだ!――目標・天海の討伐!!」
「了解だぁ!――行くぞ、すみれ!」
「この私を敵に回したこと、地獄で運命を呪うがいいですわ!」
「神崎風塵流・桐島流派合体奥儀・一林胡蝶撃!!」「神崎風塵流・桐島流派合体奥儀・一林胡蝶撃!!」
巨大な炎が天海を包む。照準を定める紅蘭。
「頼んだで〜っ!!うちのちびロボ達!!」
飛び出したちびロボ達が天海の全身を押さえ、動けなくさせる。
「これで終わりよ…!――スネグーラチカ!!」
命中した氷の精霊が天海を凍らせる。飛び上がり、刀で氷を斬る大神。
「うおおおおっ!!――狼虎滅却・快刀乱麻ああああっ!!」
氷が粉々に割れ、砕け散る天海と天照。闇の霊力が出てきて元の光の霊力に戻り、輝いて帝都中に散っていく。見上げ、喜ぶ人々。
「――倒せたか…」
「隊長、途中のCポイントでさくらとあやめさんの光武を発見しました」
「何?じゃあ、二人とも霊子甲冑なしで…!?」
「まったく…、無茶にも程がありますわ」
「無理矢理光武から降ろされた形跡があるんや。しっかし、敵さんもあなどれんなぁ…。向こうにもよっぽど機械に精通しとる奴がおるんやな…」
「〜〜く…っ、さすがに光武を設計しただけはあるな…」
「ん?今、何て言ったん?」
「い、いや…、何でもないよ――」
大きな地震。崩れていく本拠地。空間が崩れ、動けなくなる大神達。
「〜〜く…っ、これは…!?」
「きっと、天海を倒したことで空間のバランスがおかしくなったんです」
「〜〜どうしよう…!?まださくらとあやめお姉ちゃん見つけてないよ!?」
歯を食いしばり、刀を持って光武から降りる大神。
「〜〜ちょ…っ、何をなさるおつもりですの!?」
「俺はさくら君とあやめさんを探しに行く!君達は先に外に出てるんだ」
「で、でもよぉ――!」
紅蘭の装置にさくらとあやめの霊力反応。
「二人の居場所がわかったで!この真下の空間や!」
「ありがとう、紅蘭!」
霊力を集め、一気に裂け目から飛び降りる大神。
「隊長ぉっ!!――おい、あたい達も行くぞ!」
「…先に出てましょう」
「マリア…!?」
「大丈夫よ。三人とも必ず戻ってくるわ」
「〜〜何言ってんだ!?そんなのわかんねぇだろうがっ!!」
「わかりますわ。…私達が信じなくて、誰が少尉達を信じてやりますの?」
「すみれ…」
「相手を信じてやること…。それができるのが本当の仲間なんじゃない?」
顔を見合わせ、微笑み合うアイリスと紅蘭。拳を握り、頷くカンナ。
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