★11−3★
医務室。医療ポッドで眠るあやめ。廊下から心配に見守る大神と花組。
「あやめさん…。〜〜私達をかばったばかりに…」
「〜〜ちくしょぉぉ…っ!!」
「…負けは負けよ。現実は素直に受け止めるべきだわ」
「こんな時によく冷静でいられるな!?大事な仲間が死にかけてるんだぞ!?」
マリアの胸ぐらをつかむカンナ。
「〜〜カンナさん、やめて下さい…!!」
「さくらは引っ込んでろ!!〜〜いつでも冷静なのがお前の良さかもしれねぇけどよ、今はクールに気取ってる場合じゃねぇだろ!?」
「こんな時だからこそ冷静さを欠いてはいけないわ。…私達は負けたの。光武に搭乗しても全く歯が立たなかった!!それがどんなことだかわかる!?」
「〜〜今はそんなことどうでもいいことだろうがっ!!」
「もう、静かにして頂けません!?読書に集中できないではありませんか」
「〜〜何が読書だよ!?こんな時に買い物のことなんか考えやがって…!!」
すみれの雑誌を叩き落とすカンナ。
「皆、おかしいぞ…!?あたい達にとって、あやめさんは恩人なんじゃねぇのかよ!?てめぇらにとってあやめさんは、その程度の存在だったのか!?」
「〜〜もう…、やめてよぉ…」
泣くアイリスを抱きしめる紅蘭。拳を握り、機嫌悪く出ていくカンナ。
「光武…、あの子達はようやってくれた…。せやけど、あの化け物相手じゃはなから勝負にならんかったんや…」
「〜〜すまない…。隊長である俺の責任だ…」
「大神さんだけのせいじゃありませんっ!……私、黒之巣会を倒したことで自分の力を過信してたんだと思います…」
「そうね…。それに私達皆、平和になって浮かれていたのかもしれません」
「〜〜くそっ、俺にもっと力があれば…!」
「大神さん…」
「ちくしょう…!〜〜愛する人も守れなくて、何が帝都を守るだ…っ!!」
眠るあやめを涙目で見て、ガラスを叩く大神。うつむくさくら達。雑誌を拾い、大神を見つめるすみれ。帽子を深く被り、隠れて見つめる加山。
★ ★
賢人会議。モニターに明冶神宮での戦闘が映る。
「――被害は甚大だ。建造物はもちろん、市民にも死傷者が出ているよ」
「叩いたはずの黒之巣会がまた現れるとは…、詰めが甘すぎたようだな」
「…今回の責任は、総指揮を取っていた私にあります」
「フッ、言葉だけなら何とでも言える。ここで切腹でもしてみせるかね?」
「フフフ、やはり日比谷の件で花組を再編成しておくべきでしたかな?」
「ま、所詮若造と女だけの腐れ部隊だ。こうなるのは目に見えていたがな」
笑う大臣達。怒りで拳を震わせる米田。眉を顰める花小路。
「これ以上失態を繰り返すのであれば、強制解散も考慮の内だ。二度と世間に無様な姿を晒すな?笑われるのは日本のトップのこの我々だからな」
会議が終わり、電気がつく。米田と花小路以外席を立つ総理と大臣達。
「米田も無茶を考える。女だけで化け物に太刀打ちできるわけあるまいに」
「いずれまた真宮寺の者を犠牲にさせればいいさ、あの時みたいにな」
悔しく拳をテーブルに叩きつける米田を見つめる花小路。
★ ★
支配人室。雪が降る窓を厳しく見つめ、魔神器を使う一馬を回想する米田。
「…もうあの頃とは違う。誰かの犠牲で平和を勝ち取る必要はなくなったんだ。そのことを俺はあの子達から教わったんだよ、一馬」
帝撃の集合写真を見つめ、微笑む米田。ノックし、入る加山。
「…失礼します」
「おぉ、どうした?…ん?ハハハ…、今日は変装してねぇのか」
座り、新聞を広げる米田。『帝国華撃団、惨敗』の記事。
「ったくよぉ、記者っちゅーんはどうも調子に乗ってあることないこと書きやがる。この間も帝劇に幽霊が出たなんてーのがあったが、あれはキュウリパックしながら見回りしてたマリアだってーんだ、ハハハハ…!」
「……今回の件は、情報不足だった我々にも責任があります…」
「…そうだな。俺もちゃんと山崎の遺体を確認して、密葬してやるべきだった。…ま、起きちまったもんは仕方ねぇさ。本当は、お前らも正月の時くらい羽を伸ばしてもらいたかったけどよ…」
黙り、膝をついて頭を下げる加山。
「自分は隠密部隊・月組隊長として情報収集が任務です。〜〜ですが――」
「…なるほど。大神に直接会って、励ましてやりたい…ってか?」
「…はい」
「そうか…。気持ちはわかるが、忍者は冷酷なんが取り柄だぜ?」
「〜〜司令…!」
「お前にはお前の、大神には大神の任務がそれぞれある。悪と直接戦う花組を陰で支えるんがお前さん達月組のはずだが?」
「〜〜ですが…!今は月組隊長としてだけでなく、花組隊長の…大神一郎の親友として、あいつを助けてやりたいんです!〜〜無理を言っているのは重々承知です!ですが、もし今あいつに言葉をかけてやれなかったら、自分は後できっと後悔します!自分達は、士官学校時代から互いに唯一無二の友でした。その友が悩み、苦しむ姿を黙って見ていることなどできません!それは信頼を…、友情を裏切ることになります!お願いします…!!」
土下座する加山を見つめ、笑みをこぼす米田。
「…ったく、さすがは大神の親友だな」
「え…?」
「確かにお前達は花形を陰から支える、舞台でいえば黒子の役割だ。黒子もいなけりゃもちろん芝居は成り立たねぇ。それは戦闘も同じだ。花組と同じく月組、夢組、雪組、そして風組も一緒に戦う帝国華撃団の仲間だからな。…俺は思うんだ、仲間を犠牲にしなきゃ任務を果たせねぇんなら、それは奴らと同じだ、俺達の戦っている黒之巣会とな」
一馬と山崎の写真を寂しく見つめる米田。顔を上げる加山。
「司令…、では…!」
「あぁ。…その代わりと言っちゃなんだが、お前さん達に一つ調べてもらいてぇことがある」
「どのようなことでしょうか?」
「7年前沈められた島…、――『大和』についてだ」
★ ★
深夜。医療ポッドで眠るあやめを見守る大神、ペンダントを見る。明冶神宮での敗北を回想し、拳を握る。ノックし、顔を出すさくらとアイリス。
「お兄ちゃん、いる〜?」
「二人とも…!どうしたんだい、こんな遅くに?」
「えへへっ、あのね、アイリス、さくらと一緒にお夜食作ってきたの!」
おにぎりが乗った皿を見せるアイリス。
「お夕飯、まだでしたよね?本当はもっと手の込んだ物を作りたかったんですけど、材料が足らなくて…」
「そうか…。ありがとう、二人とも。…心配かけてすまないね」
「ううん…。…あやめお姉ちゃん、どう?」
大神の膝に乗り、あやめを覗き込むアイリス。眠っているあやめ。
「……まだ…目を覚まさないんだ…」
「〜〜そっかぁ…」
「大神さんも少し休まれた方がいいですよ。そうだ、交代制にしません?」
「いや、大丈夫だよ。それに部屋に戻っても、眠れそうにないしね…」
「だったら、今日の見回りはアイリスがやるっ!」
「はは、ありがとう。けど、気持ちだけで十分だよ。――遠慮なく頂くね」
おにぎりを食べ、元気を装う大神を心配に見るさくらとアイリス。
★ ★
廊下を歩くさくらとアイリス。
「……お兄ちゃん、やっぱり元気なかったね…」
「そうね…。う〜ん、何か他にしてあげられることって――?」
懐中電灯を持ち、地下の見回りをするマリアとカンナを発見。
「マリアさん、カンナさん…!」
「お、どうしたんだ、こんな時間に?」
「アイリス、まだ起きてたの?」
「だってぇ〜、お兄ちゃんとあやめお姉ちゃんが心配なんだもんっ!」
「今、大神さんとお話ししてきたとこなんです。お二人は見回りですか?」
「あぁ、隊長の負担を少しでも減らしてやりたくってさ…」
「それにあんなことがあったばかりだし、警備も強化しておかないとね」
「あぁ。今、あたい達にできることはこれぐらいだしな…」
微笑むさくら。
「ん?何笑ってんだ?」
「ふふっ、気持ちは皆一緒なんだなって。やっぱり仲間っていいですね!」
「あはは!ったく、さくらを見てると、嫌な事なんて忘れちまうな」
「ふふっ、本当にね」
顔についた油をタオルで拭きながら、格納庫から出てくる紅蘭。
「お、皆はんお揃いで〜…ってありゃ?すみれはんだけおらんなぁ」
「あー、あいつは部屋でぐーすか寝てたよ。まったく、呑気なお嬢様だぜ」
「きゃは、紅蘭〜!光武、直してたの?」
「もちろんや!…でも、残念なことがわかったんや。全部の機体はおろか霊子水晶も完全にイカれちまっとる…」
「えっ!?直せないの…!?」
「直せないことはない。せやけど、完璧に直したとしても、今の光武であいつらに勝てるかどうかや…。機体をパワーアップさせるか、うちら自身の力を高めるかせんと、勝利は難しいやろな…」
「そうね…。今のままの戦力では、今日の二の舞になってしまうわ。明日、隊長とすみれも混じえて、今後の作戦を練りましょう」
「そう…ですね…」
「どないしたんや?さくらはんは明るいのが取り柄やろ?」
「はい…。でも、少し心配なんです、〜〜今度は本当に勝てるのかなって」
顔を見合わせ、うつむくマリア達。隠れて話を聞き、立ち去るすみれ。
★ ★
医務室。眠るあやめを見つめ、手を握る大神。様子を伺い、入ろうとする加山だが、殺気を感じて隠れる。大神も殺気を感じ、辺りを見回す。
「何だ…!?」
地下城。魔法陣の上で呪文を唱える叉丹。医務室。眠るあやめの指が少し動く。あやめの手を握り、異変に気づく大神と見ている加山。あやめの夢。叉丹と戦い、倒れる花組。青ざめ、大神を抱き起こすあやめ。
『〜〜もうやめて!!どうしてこんなひどいことができるの…!?』
歩いてくる殺女の顔を見て、目を見開くあやめ。ベッドの上でうなされるあやめ。霊力値測定器の値の急上昇に驚く大神。呪文を唱え続ける叉丹。
『お前が殺すのだ…!』
(〜〜違う…!あれは私じゃ…!!)
「あやめさん…!?あやめさん、大丈夫ですか…!?」
『お前の愛する者は、いずれ全て敵になる…!』
(〜〜やめて!!違う…!!)
『目覚めの時は近い…。第二の種はもうすでに…!』
笑い、黒い霊力を解放する叉丹。心に黒い花が開き、目を見開くあやめ。
「〜〜いやあああああああっ!!」
汗だくで飛び起きるあやめ。測定器の値が元に戻る。
「あやめさん、大丈夫ですか…!?」
「〜〜あ…?わ…たし……」
息を荒くし、大神の手に握られている自分の手を見て、安堵するあやめ。
「ずっと傍にいてくれたのね…」
「目を覚ました時、最初に見てほしいのは俺ですから…はは、なーんて」
笑い、汗を拭ってやる大神。涙ぐみ、大神の顔に手を添えるあやめ。
「ふふっ、よく見えるわよ、あなたの顔」
「よかった…。〜〜もう目を覚まさないかと…」
あやめを強く抱きしめる大神。微笑み、抱きしめ返すあやめ。
「どこか変なところとか、ありませんか?」
「そうね…。まだ少しだるいかな…」
「目が覚めたばかりですしね。横になってて下さい、今、司令に――」
「あ…!〜〜きゃ…っ!!」
大神が離れた途端、支えを失ってベッドから落ちるあやめ。
「だっ、大丈夫ですか…!?」
「〜〜やだわ…。ドジね、私――!」
力を入れるが、起きられないあやめ。
「あやめさん…?」
「〜〜ち、力が…きゃあっ!?」
立てず、倒れて大神を押し倒す姿勢になるあやめ。駆けつけるかすみ。
「どうしました!?測定器が異常を〜〜あ…」
真っ赤になって立ち止まるかすみの背中に顔をぶつける由里と椿。
「やぁだ、起きたばっかりなのに元気ですね〜!」
「知ってたら、隠れて見てたのにぃ〜」
「〜〜お二人ともっ!こんな時に不謹慎ですよ!?」
「〜〜ちっ、違うんだ、あやめさんの力が…!」
力を入れるが、起きられないあやめ。大神に支えられて立つが、歩けず寄りかかる。歩こうとするが、バランスを崩して座り込み、動けなくなる。
「肩に掴まって下さい…!腕は動かせますか!?」
「〜〜だ、だめ…。思うように動かせないわ…」
「とりあえず、一度座りましょう…!」
あやめを支え、ベッドに座らせる大神。座れず、ベッドに倒れ込むあやめ。
「全然力が入らないんですかぁ…!?」
「えぇ、首から上は動かせるんだけど、体は鉛みたいに…〜〜くぅ…っ」
「〜〜あやめさん…っ!」
苦しむあやめを真面目な顔で見つめ、立ち去る加山。
★ ★
翌朝。鍛練室でリハビリするあやめを手伝う大神、さくら、マリア、カンナ。手すりに掴まりながら歩くが、力が抜けて座り込むあやめ。
「あやめさん…っ!」
「ごめんなさい、大丈夫よ…」
「よし、ちょっと休もう。しっかりつかまっててくんな!」
あやめをおぶり、医務室まで急ぐカンナ、ベッドに休ませる。
「ありがとう。ごめんなさいね、迷惑かけちゃって…」
「当然さ!へへっ、あたい達は仲間だろ?」
「カンナさんの言う通りです。たまには私達にも恩返しさせて下さいね」
「ありがとう…。み…んな……」
眠りに落ちるあやめ。
「あやめさん…?……寝ちゃったか…」
「お疲れなのでしょう。霊力の枯渇状態で生命活動を維持するには、相当の精神力を要するみたいですからね」
「〜〜そうか…」
「あやめさんばかりに辛い思いさせられませんよね!私達も今まで以上に頑張らないと…!」
「あぁ!あやめさんをこんなにした黒之巣会…、絶対に許さねぇぜ…!!」
医務室に入ってくるすみれ、アイリス、紅蘭。
「どないや、あやめはんの様子は?」
「あぁ、今は眠ってるよ」
「えへへっ、じゃあ、ちょうどいいね!」
あやめの枕元にうさぎのぬいぐるみを置くアイリス。
「この子、ジャンポールのお友達なんだ!あやめお姉ちゃん、アイリスが怖い夢見て眠れなくなった時、いつもご本を読んでくれたの。風邪で熱が出た時は寝ないで看病してくれた。だから今度はアイリスがお姉ちゃんのお世話をしてあげるんだ。早く元気になるように、ちち〜んのぷいって!」
「そうか。ありがとう、アイリス」
「えへへっ、アイリス、あやめお姉ちゃんのこと、だ〜い好きだもん!」
「…それにしても、霊力の枯渇…ですとはね」
「えぇ…、今のあやめさんの霊力は、ゼロに等しいらしいわ。生きていられているだけでも奇跡だって…」
「〜〜そんな…!でも、時間が経てば回復するんですよね!?」
「どんな奴でも、人間っちゅーんは霊力を多少は持って生まれてくるもんなんや。せやけど、今のあやめはんはその一般人以下…。運良く歩けるようになったとしても、もう元の霊力値には戻れへん思うわ…」
「だったらさぁ、叉丹をやっつけちゃえばいいんじゃない!?」
「そうですよ!霊力を奪ったあいつを倒せばきっと――!」
「…そううまくいきますかしら?もうすでに他のエネルギーに転換されている可能性もありえますわ」
「…つまり、闇の霊力ってことだね?」
「な、何ですか、それ…!?」
「通常、私達が持つ霊力は光…。それを悪用する為に人工的に科学転換したのが反対の霊力…、つまり闇の霊力と呼ばれているの」
「その科学…何とかってどうやるんだよ?簡単にできるもんなのか!?」
「すまん、うちも詳しくは知らんのや。これは一般の科学者でも知らんタブーな分野や。霊力が高い家系に生まれてるか、相当な知識がないとなぁ」
「〜〜お、おい、紅蘭でもわかんねぇなんて相当やばい技術じゃねぇか!」
「アイリス達はどうすればいいの?どうすればお姉ちゃんを助けられる!?」
「大丈夫だ、アイリス。きっと何か良い方法が――!」
「…少尉、今回ばかりはその戦法、通用しないかもしれなくてよ?」
「何を〜!?ま〜たおめぇはそうやって水を差すようなこと言いやがって!」
「すみれ君、諦めたらそこで終わりだろう?」
「そうです!皆で知恵を出し合えば、絶対何か思いつきますよ!」
「ふぅ…、年が明けても暑苦しい方々ですわねぇ。…仕方ありませんわ、今回ばかりはこの私の天才的な頭脳、特別にお貸しして差し上げます」
「はいっ!ありがとうございます、すみれさん!」
得意気に扇子を仰ぐすみれに小声で話しかけるマリア。
「…そう言いながら乗り気みたいね?」
「〜〜な…っ!?私はこけにされた復讐をしたいだけですわっ!」
「よし、俺達は俺達で頑張ろう!今、できることを一つずつこなしていけば、いずれきっと光が見えてくるはずだ!皆、諦めずに頑張ろう!!」
「おーっ!!」
「し〜っ!だめだよぉ、あやめお姉ちゃん、お昼寝してるんだからぁ」
「あ…ははは、ごめん、ごめん」
「アイリスが子守唄歌ってあげるね〜!ねんね〜んころ〜り――」
「うふふっ、アイリスったら」
眠るあやめを見つめ、うつむく紅蘭。
★ ★
地下城。吠える降魔の大群を見るミロク、刹那、羅刹。
「まったく、気味の悪い化け物だねぇ。これが人間の負の感情とは…」
「くくっ、いかに人間どもが汚い生物かがわかるな」
歩いてくる叉丹に反応し、おとなしくひれ伏す降魔達。
「あはは、調教師にでもなったの?」
「これからはこいつらがお前達のしもべとなる。降魔を使い、愚かな人間どもを滅ぼすのだ。よいな?」
「承知した!この羅刹も精一杯協力させてもらおう!!」
「まったく、羅刹は相変わらず人が良いねぇ、悪役のくせに」
「僕はどうしようかなぁ?せっかく生き返ったんだし、好きなことやりたいな」
「しかし兄者、叉丹殿は我々を生き返らせてくれた恩人であられるぞ?」
「だから何?僕は降りるよ。こんな変なおもちゃ、面白くも何ともな――」
刹那に噛みつこうとする降魔にビビり、腰を抜かす刹那。
「逆らわない方が身の為だぞ、こいつらに食い殺されたくなければな」
「あはははっ!どうやら、叉丹の方が一枚上手だったようだねぇ」
悔しく叉丹を睨む刹那。鼻で笑い、降魔をなでる叉丹。地上。叉丹達のいる海底の城がある海を調査する加山達月組。
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