藤枝かえで誕生日記念・特別短編小説2012
「仲直りの魔法〜かえで編〜その8



その頃、東京湾を臨む波止場では…。

「〜〜く…っ、離しなさい!」

「へへへっ、大臣なら護身術くらい習っておいた方が身の為ですぜぇ?」

「〜〜こんなことして…!自分達が何をしてるかわかってるの!?」

「あなたがちゃんと口止め料を払わないからですよ?こんな偽札なんか用意して…。クククッ、あまりにも精巧で危うく騙されるところでしたよ」


と、誘拐事件の首謀者・川島は会議場で取引した五千円分のお札を山本大臣に叩きつけた!

「こんなせこい罠を仕掛けてくるとは…、この私を見くびってるようですねぇ?だから、おしおきしてやったまでですよ!」

「…生憎、あなたのような下衆に払う金は一銭も持ち合わせてなくてね」

「フッ、単に払える金が失くなっただけでしょう?なら、お友達の組長からまた借りればいいではありませんか」

「〜〜彼女をこれ以上くだらない取引に巻き込みたくないわ…」

「ククッ、ただ自分のイメージダウンに繋がるのが嫌なだけなのに綺麗ごと抜かしてるんじゃありませんよ!その理由に、政治家になってから組長とは距離を置くようになったらしいじゃありませんか」

「〜〜あなたには関係ないでしょう!?」

「チッ、口の減らねぇアマだぜ」

「すまきで巻いて、東京湾に沈ませましょうや!」

「それより、コンクリートで詰めた方が確実かもしれねぇなぁ。ぎゃはははっ!」

「〜〜あなた達、エリを裏切るつもりね…!?」

「世の中は金ですよ。金は人と違って裏切らない。金のある場所に人は群がり、金の前ではくだらない義理と人情も成り立たなくなる…。それがこの世のルールなんですよ」

「〜〜そうやって今までも出世を重ね、スキャンダルを揉み消してきたってわけね…?フッ、選挙で大敗したのもわかる気がするわね」

「…おしゃべりが過ぎますよ、山本大臣?あなた達・政治家だって皆、似たようなことしてるじゃありませんか」


と、川島会長はほくそ笑みながら山本大臣の額に銃口をあてた。

「フフフ…、あなたが殺されて一番疑われるのは誰でしょうねぇ?」

「〜〜まさか…!?」

「そう、あなたの前の秘書ですよ。万が一遺体が見つかっても、我々のシナリオは完ぺき…!国家資金の横領がバレた秘書は、あなたの額を撃ち抜き、逃走。明日の今頃は指名手配犯として捕まってるかもしれませんねぇ♪ククッ、女性はヒステリーで、何しでかすかわからない生き物ですから」

「〜〜彼女は関係ないでしょう!?新しい土地で新しい人生を送ろうと頑張ってるんだから邪魔しないでっ!!」

「嫌なら、さっさと五千円払って下さいよ。でないと、引き金引いちゃいますよ〜?」

「それか、ソープに売り飛ばすのも面白ぇよなぁ♪」

「ハハハッ!大嫌いな男どもの慰み者に堕ちた女大臣かぁ。こりゃ傑作だ♪」

「〜〜く…っ!」


と、その時だった!

風を切るような音がした直後、山本大臣を地面に押さえつけていた舎弟の肩から鮮血が噴き出した…!

「ぎゃああああっ!!」

「〜〜う、上村…!?おいっ!?」

「――ヤクザがそれくらいでうろたえるな。みっともねぇ…」


と、森下組・組長のエリさんが刀を肩に担ぎながら鋭い眼光で歩いてきた。

「〜〜組長…!?」

「エリ…!」


〜〜エ、エリさん!?店にいた時と随分雰囲気が…。

「あー、これ?いつもは猫かぶってるの。ああいう女だと男はいくらでも貢いでくれるでしょ♪」

「〜〜どうして来たりしたの…!?」

「…うちの組の者が粗相をやらかしたんだ。組長が喝入れに来るのは当たり前だろ?」

「〜〜……」

「…良い気分で飲んでたのに邪魔してくれちゃってさぁ。さーて、裏切り者にはどうおとしまえつけようかねぇ?」

「〜〜て…っ、てめぇなんてもう知るもんかっ!」

「〜〜女が組長やってる組にいたって馬鹿にされるだけなんだよ!」

「チッ、一度は杯を交わした仲だってーのに…。指詰めるだけじゃ気ぃ済まねぇから、腎臓の一つでも頂こうか♪」

「〜〜ひ…っ、ひいいっ!!」「〜〜ひ…っ、ひいいっ!!」

「…やれやれ、見られてしまいましたか。では、お友達のあなたもご一緒に消して差し上げませんと――!」

「――お待ちなさい!」

「あなた達の会話は全て録音させてもらったわよ!」


と、あやめ姉さんは登場がてら、紅蘭が発明した蒸気ボイスレコーダーの『ろくおんくん』を再生しながら懐からちらつかせた。

「〜〜な…っ!?何故、お前らがここに!?」

「俺達はエリさんの友達だ。友達が友達を助けに来て何が悪い?」

「…そうだよ、美恵子。やっぱり私、あんたがどんなに突き放しても仲良くしていきたい!あんたの憎まれ口が聞けないと寂しいんだよ…っ!」

「エリ…」

「――やれ!!ボイスレコーダーを奪ったらボーナスで1万やろう!!」

「おぉっ!?本当ですかい!?」

「うおおお〜っ!!やってやるぜぇ〜っ!!」


…また金の力で人を動かすつもりね?

ふふっ、見てらっしゃい!そんなおいたをする奴は一郎君の正義の鉄槌を――!

――フラ…ッ!

「〜〜あらぁ…?頭が…フラフラぁ…って…」

「一郎君…!!〜〜んもう、だから飲み過ぎるなって言ったのに…」


〜〜だって、勝負だったんだから仕方ないじゃな〜い!

「ははっ、馬鹿めぇ!」

「全員、武器を捨てて伏せやがれぇっ!!従わねぇと、この男の喉を掻っ切るぞ!?」

「〜〜チッ、使えない男だねぇ…」

「〜〜頼りないわねぇ、男のくせに…」


〜〜ハァ…、今日は本当に厄日だわ…。

あやめ姉さんとエリさんは私が人質にされたせいで手も足も出せず、言いなりになって川島の前に頭を押さえて渋々伏せた。

「――フフフ…、良い眺めですねぇ。まさか生意気な藤枝少佐を葬れる日が来るとは思いませんでしたよ。殺す前に少し楽しませてもらいましょうか…♪」

「〜〜やめて…!!彼女は関係ないでしょう!?」

「おや、口ごたえするつもりですか?――では、あなたからおしおきしてやりましょう…!」

「〜〜っ!」


川島は山本大臣の前髪を引っ張って頭を上げさせると、にやつきながら殴る振りをして、フェイントで眼鏡を外した。

「おやおや、眼鏡を外した方がお美しいじゃありませんか。大臣なんて堅い仕事は辞めて、私の愛人にでもなりませんか?女の幸せを噛み締められたら、あなたの馬鹿げた考えも変わるでしょう」

「〜〜馬鹿げてるのはどっちよ!?女を性欲のはけ口としか思ってないくせに…!!」


〜〜ハッ!?しまったわ…。つい、いつもの調子で力説を…。

「ぎゃははは!何だ、こいつ?」

「呑兵衛のうえにカマ野郎ときたか!」

「クククッ、大神大尉、あなたの大切な奥様とお友達が慰み者になるのをそこでご覧になってなさい」


〜〜いくらか酔いがさめてきたけど、まだ頭がボーッとするわ…。くっ、この大事な時に…っ!

すると、その時だった!

――ポゥ…!

「〜〜な、何だ…!?」

川島が持っていた山本大臣の眼鏡チェーンが黒く光り始めたのだ…!すると、その黒い光に導かれるように降魔が群がってきて、金と女の負の欲望に溺れる川島会長に牙をむき出しにして襲いかかってきた!!

「〜〜ひぃっ!!化け物だぁ〜っ!!」

「ぎゃああああ…!!」

「あの光は…?」

「――大臣の眼鏡チェーンからヴァレリーと同じ妖力を感じるわ…!」

「ってことは、あれは『papillon』の商品…!?」

「〜〜あれが降魔…!?」

「〜〜なんて醜い化け物なの…」

「キシャアアアッ!!」

「〜〜ひいっ!!や、やめなさい…!!どうして帝都を壊そうとするの!?」

「キシャアアアアアッ!!」

「きゃああああっ!!」


山本大臣に襲いかかろうとした降魔をあやめ姉さんが銃で撃ち抜いた…!

「…とても説得できそうな相手ではないでしょう?」

「…降魔には慈しみの心なんてありません。奴らが感じるのは破壊の快感と食欲のみ…。そんな奴らが増え続ければ、帝都市民は死と隣り合わせの日々を送らなければならなくなるのですよ…?」

「〜〜そうみたいね…」

「〜〜た、助けてくれぇ〜っ!!お前ら、帝国華撃団だろう!?早く何とかしろ!!」

「ふふ、女に助けを求めるなんて、だらしない男ねぇ?」

「本当に♪」

「わ、私が悪かった…!だから――!〜〜ぎゃああああ〜っ!!」

「…で、どうする?」

「……司令と副司令が揃って見殺しにしたら問題になるしね…。ささっと片づけちゃいましょうか!」

「…しばらくこのままでいい気もするけど、仕方ないわよね。――エリさんは山本大臣を頼みますね!」

「任せて!」


私とあやめ姉さんは護身用の拳銃で川島と舎弟達を襲う降魔達の頭を撃ち抜いていく!が…。

「〜〜弾切れか…。数が多すぎるわね…」

「〜〜困ったわね…。神剣白羽鳥は劇場に置いてきちゃったし…」


降魔の爪攻撃を避け、後ずさりした私の手があやめ姉さんに偶然触れたその時、触れ合った私達二人の手から突如、不思議な白い光が放たれた…!

「隼人と藤堂の霊力が共鳴している…!?」

「――ハッ、そうだわ!祠の暴走を収めたように隼人と藤堂、二つの霊力をぶつければいいのよ!!」

「それしかないわね…!――かえで!」

「いくわよ、姉さん!」


私とあやめ姉さんは瞳を閉じて集中すると、繋いだ手で両家の霊力を混合させ、それぞれのもう片方の手を降魔の大群に向けて伸ばし、強力な光を放った!

「はああああああああああっ!!」「はああああああああああっ!!」

私達が予想した通り、裏御三家の神々しい光の霊力に触れた降魔達は断末魔の叫びをあげながら次々に消滅していった!

「やったわ!」

ふふっ、高い霊力を持つ女性ならではの攻撃方法よね!女を馬鹿にする男性諸君、悔しかったら真似してみなさいな♪



「〜〜くそぉ…っ」

ボイスレコーダー『ろくおんくん』が証拠となり、川島会長と森下組の下っ端達は恐喝罪と殺人未遂の容疑で逮捕された。

ふふっ、川島にぎゃふんと言わせられてスッキリした〜!

「…でも、川島が捕まったら資金援助の件はどうなるのかしら?」

「会議で川島貿易会社のサインを頂いたもの。次期会長が払ってくれるわよ」

「ふふっ、姉さんったら、ちゃっかりしてるんだから」

「――やだわ、眼鏡チェーンが壊れちゃった…」


黒い光を放って降魔を呼び寄せた山本大臣の眼鏡チェーンは力を使い果たしたのか、まるで落雷に遭ったように黒コゲで粉々になっていた。

「…山本大臣、その眼鏡チェーン、どこで買われたんですか?」

「できたばかりのアンティークショップよ。…けど、おかしいわねぇ?買ったのはついこの間なのに、どういうお店か忘れちゃったわ…。フフ、もう歳かしらね?」


…やっぱりね。私達以外の人間は皆、『papillon』の記憶を消されてるみたいだわ。

「この眼鏡チェーンが山本大臣の霊力を吸収して、ヴァレリーに送るポンプ方式になっていたみたいね…」

「霊力を奪い切る前に持ち主の元から離れたから暴走したのね?」

「えぇ、かえでの鏡みたいに壊れると機能しなくなるみたいだけど…」

「見つけられてラッキーだったわね。出回った残りの商品も早急に回収させましょう…!」

「…回収って何を?」

「…いえ、こちらの話ですわ」

「それにしても、あなた達ってすごいのねぇ!ただの劇場の支配人と副支配人なのに変な光で化け物を倒しちゃうなんて♪」

「〜〜そ…、それは…」

「フフ、わけありみたいだから深くは聞かないけどさ。ありがとね!」

「私からもお礼を言わせて頂戴。あなた達のお陰で助かったわ」

「帝国華撃団の実力、少しはわかって頂けました?」

「…悔しいけど、認めざるを得ないわね。破廉恥な衣装で歌って踊るのは未だに解せないけど…」

「…もしかして大臣がご覧になったのは、真宮寺さくら主演のバニーガールショウではありませんか?」

「…そうだけど?」

「ふふ、やっぱり。あれは日頃のご愛顧を込めて、お客様から頂いたアンケートを基に上演した特別公演だったんですよ」

「試しに今公演中の『青い鳥』をご覧になって下さい。普段のお芝居は破廉恥でもなんでもありませんから」

「…そんなの昔から知ってるわよ。ただ姑根性で意地悪言ってみただけ。…実はうちの娘も花組に憧れててね、乙女組の養成所に入りたいってきかないのよ。私もこれからは帝国華撃団を資金援助するとしようかしら?」

「でも、娘さんは進学されるんじゃ…?」

「私が無理矢理させようとしてただけよ。いずれは私を超える政治家になってもらいたくてね…。でも、それだけが女性の未来を切り拓く方法じゃないってわかったもの。あなた達・帝国歌劇団のように異性から憧れられる存在というのも必要ですものね」

「えぇ、私達もこれからは女性の地位向上に一役買わせて頂きますわ」

「私もあなた達のこと、気に入ったわ!これからは森下組もダンディ団同様、帝国歌劇団を精一杯応援させてもらうわね!」

「お心遣い身に染みます…」

「ふふっ、それにしても美恵子の娘さんがねぇ…。こう見えて、美恵子も女学校時代、演劇部だったのよね?」

「まぁ、そうなんですか?」

「えぇ、血は争えないものよねぇ♪」

「……エミ、女学校の話はやめて」

「あ…、〜〜ごめん…。やっぱり私がいると迷惑よね…?」

「…そういう意味じゃないわ。同級生にいじめられていた嫌な記憶が甦るからよ…。――でも、銀座第二女学校の番長だったあなたはあの時も颯爽と駆けつけて、私を守ってくれたわね。やっぱり私、あなたがいなきゃ駄目みたい…」

「美恵子…」

「自分勝手でごめんなさい…。私もこれからはあなたと堂々とお付き合いしていきたいの。別に何も悪いことなんてしてないんだし…」

「…マスコミに何て叩かれるかわからないわよ?」

「言いたい奴には言わせておけばいいのよ。たとえ大臣の座を追われても、次の選挙に落ちても、街中でデモを起こすぐらいはできるもの。――その時は協力してくれるわよね?」

「ふふっ、友達なんだから当たり前でしょ?職が失くなったら、カフェ・タイガーで雇ってあげるから♪」

「…それなら厨房でね?男に媚を売る水商売だけは勘弁してほしいわ」

「ふふっ、本当に男嫌いなんだから…♪」


再び美しい友情で結ばれた山本大臣とエリさん。本当によかったわ!

「今回の一件で、世の中の女性差別はまだまだ根深いってわかったわ。女性を支援する非営利団体も増えてきていることだし、これからも頑張っていかないと…!」

あっ、LIPS発生だわ!



●俺も協力しますよ

●頑張って下さいね

●難しいんじゃないかなぁ



ここは隊長らしく一番上の選択肢を選ぶとするわ!

「日本女性達の才能を埋もれさせては勿体ないですからね。俺も協力しますよ。たとえ世界を敵に回しても俺はあなたを支持しますからね」

「えっ?お、大神大尉…♪」


――ピンピロピロリ〜ン♪

〜〜あら…?山本大臣の好感度が大幅にアップした…!?

「そんな真っ直ぐな瞳でアプローチされたのは20年ぶりだわ…♪」

「〜〜え?アプローチなんてした覚えはないんですが…?」

「私、あなたのことを女を金儲けに利用する人だと思っていたけど、誤解だったみたいね。世の中にはあなたのように女性を大切にしてくれる男もいるものなんだわ…♪」

「〜〜え?え?」

「美恵子は見合い結婚だったしねぇ。お堅い大臣もようやく初恋の甘酸っぱさを知ったってとこかしら♪」

「〜〜は、初恋…!?困ります!わた…じゃなくて俺、既婚者ですし…!!」

「別に不倫したいって言ってるんじゃないのよ? 傍でその笑顔を見せてくれるだけでいいの…。援助額を上げるから、おばさんとデートしましょうか?何でも好きな物買ってあげるわよ、ダーリン♪」

「〜〜ダ、ダーリン〜!?」

「要するにセレブ奥様のペットってとこかしらね♪」

「〜〜格好つけて好感度上げ過ぎるから…。自業自得よ?」


〜〜どうしましょう?LIPSで一郎君が言いそうな選択肢を選んだら勘違いされちゃったみたい…。…でも、毛嫌いされるよりはいいかしらね?

ふふっ、いつもLIPSに悩んでいる一郎君も大変なのね♪

「――ねぇ、今からカフェ・タイガーで祝賀会といかない?」

「まぁ、いいですねぇ!花の女子会といきましょうか〜♪」

「え?」「え?」

「〜〜あ…ははは…。俺は男…でしたね?」

「〜〜ハァ…」




――これでやっと今日の仕事は終わりね…。司令業務って思ってた以上に骨が折れる仕事なのね…。外で働いてくる世のお父さんが仕事帰りに一杯やりたくなるのもわかるわ…。

ふふっ、ということで帰る前に少しだけ…いいわよね♪

「――イェ〜イ!お店にある奴どんどん持ってきて〜!!」

「いい飲みっぷりねぇ、大神支配人!私もペットにしちゃおうかな〜♪」

「〜〜かえ…、じゃなくて一郎君!遅くなるとお誕生日会できなくなるわよ?」

「〜〜いいわよぉ〜、ここでするからぁ〜。一郎君、本当に準備してくれてるかどうかわかんないしぃ…。めそめそめそ…」

「〜〜急に泣き上戸になるんだから…。…じゃあ、姉さんは先に帰るわよ?あなたの代わりに一郎君と甘い夜を過ごしちゃうから♪」

「〜〜わかったわよぉ…」


ゆっくり飲んでいたいけど、そろそろ一郎君と子供達の顔も見たくなってきたしね…。ふふっ、会議も成功したし、これで大手を振って帰れるわ!

「大神大尉〜、明日劇場に伺うわね〜♪」

「はいは〜い♪」

「〜〜こんなになるまで飲んで…。本当に体壊すわよ?」

「んふふふ…、姉さぁ〜ん、チュ〜しよぉ♪」

「〜〜帰って一郎君にしてもらいなさい!」

「あ〜ん、いけずぅ〜♪」


――色々あって大変だったけど、その分やり甲斐もあったわ。この充実感を得る為に世のお父さん達は仕事に打ち込むのね。なにはともあれ、これで来年の帝撃も安泰だわ!

さぁ、帰りましょう。一郎君の待つ大帝国劇場へ…!


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