冥王せつな誕生日記念・特別短編小説2017
「愛の思い出」その1



「――せっつなセ〜ンセ♪」

私の名を呼ぶ、無邪気で元気いっぱいの声が保健室に響く。

授業が終わって、今日もあの娘がやって来たようだ。

「あら、うさぎちゃん。今日は随分ゴキゲンねぇ?」

「エヘヘ〜♪今日はねぇ、まもちゃんとデートなんだ〜♪待ち合わせの時間までここにいていい?」

「えぇ、もちろん。今日は衛さんとどこへ行くつもりなの?」

「サンシャイン水族館だよ!空飛ぶペンギンを見に行くんだ〜♪」


保健室のベッドに腰掛け、子供のように足をブラブラさせて、彼女は今日も嬉しそうに養護教諭の私に話を聞かせてくれる。

その汚れを知らない、あどけない笑顔…。それは見ている周りの人まで幸せな気分にさせる、強く、美しい光のオーラをまとっている。

――本当にうさぎちゃんって、不思議な娘…。

「ねー、聞いて聞いて!昨日、まもちゃんったらね――〜〜うわっとぉっ!?」

「ハ…ッ!?〜〜うさぎちゃん…っ!!」


洗面器やタオルをかけておく器具につまずき、転びそうになったうさぎちゃんを私は寸手のところで抱きとめた!

「〜〜あ…、危なかったぁ〜…」

「んもう…。お話を聞かせてくれるのは嬉しいけど、夢中になりすぎて注意散漫になったらダメよ?」

「えへへ、ごめんなさ〜い!でも、万が一怪我しても、せつなさんがちゃ〜んと手当てしてくれるもんねっ♪」

「ふふっ、それはそうだけど…。傷だらけで行ったら衛さんが心配するでしょ?」

「…それもそっか。あはははっ!」


……こうして私はいつも、うさぎちゃんから衛さんとののろけ話を聞かされているのだ。

前の日に電話やメールでどんな話をしたかを報告され、喧嘩した時は相談に乗ってほしいと懇願され、誕生日やバレンタインには何を送ったらよいかとアドバイスを求められ…。

――でもね、私はそれで幸せなの。

私の衛さんへの気持ちをもし、うさぎちゃんが知ってしまったら…。

衛さんにもし、募るばかりのこの想いを私が打ち明けてしまったら…。

〜〜未来は闇に消え、一つに団結している私達の心はバラバラになってしまう…。

……私は月のプリンセスを守る戦士。プリンスとプリンセスの幸せを守るのが役目ですもの…。

「――こんばんは、せつなさん」

そこへ、保健室のドアを開けて、あの人が入ってきた。

「あ…、衛さん!こ、こんばんは…♪」

私はなるべく喜びを顔に出さないように(…自分ではしているつもりだけど)挨拶を返した。

「〜〜んもう!まもちゃん、おっそ〜い!!30分の遅刻ですぅ〜」

「悪かったよ。今日に限って講義が延びてさ――」


今日の衛さんの私服はシックな黒に統一されている。

長すぎず短すぎずに長さが揃ってて清潔感漂う黒髪も、見つめていると吸い込まれそうになる瞳も相変わらず格好良い…♪

あぁ、ダメだわ…。視線を衛さんから外すことが出来ない…。

〜〜こうやって見つめていれば、いずれ私の想いは気づかれてしまうのに…。

『――プルート、君を頼りにしている』

最近の衛さんは、ますますキング・エンディミオンに顔つきが似てきたわ…。

私達はこうやって着実に未来に進んでいっているのだ。……そう、私が衛さんへのこの想いを胸に秘めてさえいれば…。

「それにしても、いっつも保健室にいるな、うさは。教室にいないから心配したぞ」

「だぁってぇ〜、亜美ちゃん達は部活だしさ〜、教室は放課後いっつもスリーライツのファンでごった返してるし…。それにぃ〜♪保健室に行けば、せつなさんがいっつも美味しい紅茶とお菓子を出してくれるんだもん!ね〜、せつな先生♪」

「ふふっ、そんなに喜んでもらえてるなんて嬉しいわ。うさぎちゃんならいつでも大歓迎よ?」

「わ〜い!だから、せつな先生って好き〜♪」

「いつもうさがすみません…。仕事の邪魔でしょう?」

「いえ、そんなことは…。こうした生徒との交流も養護教諭の務めですもの」

「そうだよ〜?他の皆はす〜ぐ忙しいとか言って、どっか行っちゃうけど、せつなさんだけはいっつも私のこと構ってくれるんだから♪」

「ありがとうございます。せつなさんになら安心してうさを託せますよ」

「ふふっ、可愛いプリンセスの世話は慣れっこですから。――ほらほら。それより早く行かなくていいの?遅くなって帰ったら親御さんが心配するんじゃない?」

「あ、そうだね…!――行こっ、まもちゃん♪」

「あぁ」

「気をつけてねー!あんまり衛さんにワガママ言っちゃダメよー?」

「はーいっ♪」


楽しそうに腕を絡めてきたうさぎちゃんと同じくらい、衛さんの横顔も幸せそうだ…。

――そう…。衛さんの幸せが私の幸せ…。たとえ永遠に結ばれることがなくても…私は…。

……ダメダメ!恋愛より仕事よ、仕事!

養護教諭の仕事って、生徒達が帰った後も残ってやることが結構多いのよね。

早く帰って、お夕飯作らなくっちゃ…!〜〜この前、試しにみちるにやらせてみたら、エラいことになったし…。

この前の健康診断の全校生徒分のデータをパソコンに取り入れようとデスクに向かい始めたその時、携帯の着信音が流れてきた。

着信音から察するに、どうやらほたるからメールが届いたらしい。

『――遅くまでお仕事ご苦労様!明日はせつなママのお誕生日だね♪お誕生日会、うさぎちゃん達も呼んで一緒にやろうね☆』

そういえばそうだったと思い、私はデスクの上の卓上カレンダーの日付を指でなぞって確認した。

――明日は10月29日。私・冥王せつなの誕生日である。

今年の春、うさぎちゃん達が入学した麻布十番高校で養護教諭の仕事を始めたから去年までと環境がガラッと変わったし、他にもセーラー戦士に変身しての任務、守るべきプリンセスのこと、いつも頭の隅で考えてしまっている衛さんのこと…。

……色々考えることが多かったから、誕生日のことなんてすっかり忘れてたわ…。

ふふっ、忙しくても充実している毎日のお陰で、自分のことに構う暇なんてなかったもの。

「――キャアアーッ!!」

――っ!?今の悲鳴は…!?

急いで保健室の窓を開け、身を乗り出して覗いてみると…!?

「――ふはははは…!!全員このセーラーマッドドッグ様の被験体にしてくれるぅっ!!」

「うわあああ〜っ!!」

「助けてぇ〜っ!!」


セーラー服と白衣を融合させた特異ないでたちの化け物が部活中の生徒達を襲ってるわ!

近頃、セーラー服を着た異様な化け物が現れると聞いてたけど、まさかコイツもその一味!?

うさぎちゃん達は何度か街中で遭遇したことがあるらしいけど、私は初めてなのよね…。

「大変だわ…!」

私は保健室の窓を閉めてカーテンの後ろに隠れ、白衣の胸ポケットから変身ペンを取り出すと、高々と掲げた!

「プルート・クライシスパワー・メーイクアーップ!!」

冥王星に吹く時空の風を身にまとい、今日も私はセーラープルートへと変身を遂げる!

校内にいる亜美ちゃんやはるか達もすぐに駆けつけてくれるはず!

それまで何としても持ち堪えて、生徒達を安全な場所へ避難させないと…!!

「――お待ちなさい!」

「ム…?誰だぁ!?」

「時空の星・冥王星を守護に持つ変革の戦士!セーラープルート、参上!!」

「おぉ〜っ!!いつも見かけるのより大人のセーラー戦士だ…♪」

「セーラー服にちょっと無理のある年齢っぽいところが逆にエロいっつーか…♪」

「〜〜ちょっと男子ぃ!?」

「〜〜サイッテー!!」

「フフッ♪さぁ、ここは私に任せて早くお逃げなさい!」

「は、はい…!」

「くっくっく、貴様がこの地球で暮らすセーラー戦士か!そのセーラークリスタル、もらいうけるぞぉぉっ!!」


セーラーマッドドッグは両手にそれぞれ持っているフラスコから私めがけて謎の液体をかけてきた!

「く…っ!?」

一度は素早く飛び退いて避けられたが…!?

「うわあああっ!?」

「危ない…っ!!〜〜きゃあっ!?」


逃げ遅れたテニス部の生徒をかばった為に謎の液体がセーラーコスチュームにかかってしまった…!

「いや〜ん、もう…。何よ、コレぇ…」

ローションのようなネバネバの粘着性を帯びた半透明な液体を浴びたせいで、私の顔や長い髪や黒を基調としたセーラー服は妖しいお店のように卑猥な光沢を放ってしまっている…。

「おぉ〜っ♪」

「いいぞ〜、セーラーマッドドッグ♪」

「〜〜あんた達!どっちの応援してるのよぉっ!?」


避難した思春期真っ只中の男子生徒達は、むしろ私のピンチを喜んでるみたいだけど…。〜〜複雑だわ…。

「くっくっく、よいザマだ…♪実験体にして、貴様の体を隅から隅まで調べ尽くしてくれるぅ〜っ!!」

「〜〜ああ〜ん、もうっ!お痛をする子は先生がおしおきですっ!!――デッド・スクリーム!!」

「何…っ!?――ぎゃあああああ…!!」


冥界の風の攻撃弾にセーラーマッドドッグは倒れると、彼の中にスターシードが戻り、元の姿に戻った。

あの人は確か…この学校の化学教師ね。いつも怪しい実験をしてて、変わり者で有名な…。

何者かにスターシードを取られて、洗脳されてたみたいだけど…。

「ふぅ…、エラい目に遭ったわ…」

マッドドッグを倒したお陰か、ローションらしき液体もネバネバ感も消えてよかった…。

「ちぇっ、もうサービスシーン終わりかよぉ…」

「フフッ、ほらほら、あなた達!もうここは安全だから部活動に戻っても――」

「――見つけたわよ、セーラー戦士!」

「まさか一撃で倒しちゃうとはねぇ〜」

「…っ!!誰!?」


振り向くと、セーラー服を着た黒猫のようなスラッとした女性と、同じくセーラー服を着た白いネズミのような童顔の女性が、先程までセーラーマッドドッグが倒れていた所にいつの間にか立っていた…!

「私はギャラクティカ帝国幹部・セーラーティンニャンコ!」

「同じく、セーラーアイアンマウス!」

「まさか、あなた達もセーラースターライツと同じ、違う星から来たセーラー戦士なの…!?」

「ご名答!こんな田舎の星の住人にしては、なかなか頭が切れるじゃな〜い♪」

「いっつも邪魔してくれてるセーラームーンとかいう小娘がここの学生ってことを突きとめたから、アクシデントを起こして正体を暴こうって思ってたんだけど…」

「まさか保健室のオバさんもセーラームーンの仲間で、セーラー服着て戦ってるとはねぇ〜♪」

「〜〜悪かったわねっ!セーラー服に無理のあるオバさんで…」

「クスッ、まぁいいわ。一人だけっていうのがちょっと寂しいけど、現れてくれたんだから作戦成功ってことよね〜♪」

「ギャラクシア様の為にそのセーラークリスタルを頂くわっ!!」

「ギャラクシアですって…!?〜〜くっ…――っっ!?」


突然、急激な体の火照りとめまいに襲われ、私はガーネット・ロッドで体を支えながら思わず膝をついてしまった…。

「はぁはぁはぁ…っ、〜〜体が…熱い…っ!?」

「フフフ…、マッドドッグの毒が効いてきたみたいねぇ」


毒…?〜〜まさか、さっきの妖しいネバネバ…!?

マッドドッグを倒したから消えたものだとばかり思ってたけど、〜〜まさかセーラーコスチュームの特殊な繊維を通り抜けて、皮膚に染み込んでいたなんて…っ!

「マッドドッグが開発したあの薬はね、人の感度を何倍にも高めてくれるのよ!」

「セーラー戦士なら何十倍にもねぇっ♪」


――ゴォッ!!

「きゃああああああああーっ!?」

普段なら軽くよろめく程度の衝撃波を浴びただけなのに、まるで落雷を受けて体中に電気が走ったような感覚に襲われて、私はたまらず悲鳴をあげて、背中を大きく仰け反らせた。

「あが…っ、か…はぁ…っ」

体中から汗が噴き出してきて、思うように息ができない…っ。〜〜体中が焼けるようだわ…。

「フフ、どう?エクスタシーと同じような感覚でしょっ!?」

――ドスッ!!

「ひぎゃあああああああああっ!!」

うずくまっている状態で軽く鳩尾を蹴られただけなのに、あまりの衝撃に私は一瞬意識が飛び、白目を剥いて絶叫した…!

「〜〜お、おい…。マジでヤバそうな奴らが来たぜ…」

「〜〜うちら逃げた方が良くない…?」

「は…、早く…逃げ…て…っ」

「セ…、セーラープルート!頑張ってー!!」

「俺ら、応援してっからー!!」


男子・女子問わず、十番高校の生徒達や職員が逃げる傍らかけてくれた温かい声援に私は少し安堵して、笑みを浮かべた。

〜〜何としても守らなくては、この学校を…っ!

「なーんだ。チタン・ケロッコがぼやいてたほど強くはないねー?」

「ほーんと!…それにしても、タキシード仮面…とかいったかしら?アイツ、いっつも私達の邪魔しに来るけど、今日は現れなくて好都合よね〜♪」

「〜〜…っ!!」

「ね〜♪あははははは…!」


……今ももし、私がうさぎちゃんと一緒だったら、きっと彼はすぐに駆けつけてくれたかもしれない…。

〜〜でも、今みたいに私一人がピンチの時は…。

私はセーラームーンじゃ…、〜〜彼の愛するうさぎちゃんじゃ…ないんだもの…。

「…あらぁ?急におとなしくなっちゃって、どうしたのかしらーん?」

「…あっ!!まさかあなた、タキシード仮面に惚れちゃってるとか!?」

「――っ!!」

「きゃ〜♪まさか図星〜!?」

「でも、アイツはセーラームーンの恋人なんでしょ?叶わぬ恋ほど燃え上がるってか〜♪きゃはははっ!」

「あはははっ!地球人ってホンットくっだらな〜い♪」

「……放っといて!〜〜あなた達なんかに私の気持ちがわかるわけないわ…っ」

「ふふん、おちょくって悪かったわよ。恋敵であるプリンセスを守らなきゃいけないなんて辛い立場よねぇ…?」


と、ティンニャンコは格好の獲物でも見つけたように舌なめずりしながら私の顎を押し上げてきた。

「いっそのこと、私達の仲間にならない?」

「そうよ!一緒にシルバー・クリスタルを奪って、邪魔なセーラームーンを消しちゃいましょうよ〜♪」

「そうすれば、地球の王子・エンディミオンはあなたのものよ〜♪あっははははっ!」

「…っ!!」


エンディミオン様が…、衛さんが私だけの…ものに…。

「どう?悪くない話でしょ?」

「こんな辺境の星、あなたにくれてやるわよ。そうすれば、全ての生物が死に絶えたこの静寂の地球で、あなたは愛しのタキシード仮面と永遠に二人っきり…♪」

「〜〜そんなこと…っ、私は決して望まないわ!あなた達の仲間になるぐらいなら、今ここで死んだ方がマシよ…っ!!」

「…フン、バカなオバさんだこと」

「私達の仲間になれば生かしておいてあげたものを…っ!!」


ティンニャンコとアイアンマウスは不気味な笑みを浮かべて頷き合うと、同時にブレスレットから光の衝撃弾を放ち、私の胸を貫いた…!!

「あぐぅ…っ!?」

その瞬間、私の胸の前に星のようにキラキラ輝く八面体の結晶が深紅とえんじ色を足したような光を放ちながら現れ始めた…!

「ほぉら、セーラークリスタルが出てきたわよ〜♪」

「色はちょっと地味だけど、美しい輝きだわ〜ん♪」


ティンニャンコがむんずと私のセーラークリスタルを鷲掴みにした瞬間、刺すような鋭い痛みが胸に走った…!

その痛みの具合でわかる…。〜〜これを持って行かれてしまったら…、きっと私は…。

「いやああああああああ〜っ!!やめてぇ〜っ!!」

〜〜助けて、衛さん…!キング…ッ!!

『――叶わぬ恋ほど燃え上がるってか〜♪』

『――恋敵であるプリンセスを守らなきゃいけないなんて、辛い立場よねぇ…』


……そう…。他人からしたら、私の愛の形なんて馬鹿みたいに見えるのかもしれない…。

これはきっと、愛してはならぬ人を愛し続けてしまった報いなんだわ…。

……こんな辛い思いをするなら、いっそセーラークリスタルを渡して楽になってしまおうか…。

あぁ…、でも…。死ぬならせめて衛さんに看取られながら死にたかった…。

あの人の顔と、朝焼けの色のマントが目に焼きついたまま息絶えることができた、あの時のように…。

「――キ…ン…グ……」

涙が頬を伝り、ゆっくり瞳を閉じて死を覚悟したその時だった…!

――ポォォォ…!!

「〜〜にゃああああっ!?」

「〜〜なぁにぃっ!?この光は…!!」


ガーネット・ロッドに装着されているガーネット・オーヴが深紅とえんじ色の神々しい光を放ち始めた。

「ガーネット…ロッド…」

ガーネット・オーヴが私の心に強く語りかけてくる…。

――そうだわ…!弱気になるなんて私らしくない!

長い間、時空の扉の番人の任務に就いていた時に培った忍耐力と精神力だけは誰にも負けないと思っていたのに…。フフッ、私もまだまだね…!

「あぁっ!セーラークリスタルが…!!」

「にゃにゃにゃ…、〜〜にゃんですってぇ〜っ!?」


輝きを増した私のセーラークリスタルは砂となって消えかけていた私の体にスゥ…ッと戻っていった。

「私は誇り高き冥王星のプリンセス!はるか遠い未来でキングとクィーンになられるお方に仕え、守る使命があるの!――使命を全うするまで死ぬわけには参りません…っ!!」

私が強く決意した刹那、ハート形をしたリボンの留め具が強く美しい光を放った。

体中に力がみなぎってくる…!――今ならイケるわ…っ!!

私はロッドで満身創痍の体を支えながら奮い起こし、全身全霊の力をガーネット・オーヴに集中させた!

「クロノス・タイフーン!!」

「ぎゃあああああ…」「ぎゃあああああ…」


冥界の竜巻がティンニャンコとアイアンマウスの体を飲み込み、バラバラに引き裂くと、2人の両腕にしていたブレスレットがふわりと浮かび上がり、黄金のセーラー服を身にまとった女の手の平にそれら4つのブレスレットが舞い降りた。

「――この地球にも少しは骨のある奴がいたか」

〜〜な…っ、何なの、こいつは…!?

さっきまでの敵とは比べ物にならないほどのオーラの圧を感じるわ…っ!!

「美しい星の輝きだ…。先程の戦いで、これほどまでにセーラークリスタルの輝きを成長させるとは…!クククッ、あの無能な捨て駒共も少しは役に立ったようだな」

「まさか、あなたが…!?」

「ククッ、冥土の土産に教えてやろう。私はギャラクティカ帝国総帥・セーラーギャラクシア…!!」


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