★2−3★
あやめの部屋の前。ブローチを持ってドアの前に立つ大神。
(〜〜ま、まずい…。いざとなると緊張してきた…)
ドアをノックしようとするが、ためらう大神。
「〜〜安物だしなぁ…。気に入ってもらえなかったらどうしよう…?」
「――お兄ちゃ〜ん!!」
背後から大神に抱きつくアイリス。
「〜〜おわっ!?ア…、アイリス…!?まだ寝てなかったのか…?」
「寝ようと思ったらお兄ちゃんが見えたんだ〜!――ん?それなぁに?」
「あ――!」
「わぁ、ブローチだぁ!アイリスに買ってきてくれたの?ありがと〜!」
ブローチを取ってはしゃぐアイリス。取り返そうとする大神。
「〜〜ア、アイリス!それはちが――」
大神の胸ポケットから劇場開設記念のペンダントが飛び出してくる。
「そうだ…!――アイリス、そっちじゃなくて、こっちあげるから!」
「ん?それなぁに?」
「この劇場ができた時に作られたすっごく貴重なものなんだ!ほら、キラキラしてるし、シリアルナンバーが1番だぞぉ!?」
「わぁ、本当だ〜!アイリス、そっちがいい〜っ!!」
ブローチを放り投げ、ペンダントを抱きしめるアイリス。慌ててブローチをキャッチする大神。部屋から出てくるあやめ。
「あら?ふふっ、賑やかと思ったら、あなた達だったのね」
「見て見て、あやめお姉ちゃん!これ、お兄ちゃんがくれたんだよ〜!」
「あら、よかったわねぇ、アイリス」
「〜〜は、ははは…」
「じゃあ、もう寝なさい。明日起きられなくなっちゃうわよ?」
「ぶぅ…。まだ眠くないよぉ?」
「ふふっ、じゃあ、ご本を読んであげるから、ね?ベッドに入りましょう」
「本当?わ〜い、やったぁ!じゃあ、お兄ちゃんも来て〜!」
「え?あ…!」
アイリスに腕を引っ張られる大神。
★ ★
アイリスの部屋。寝ているアイリスに絵本を読んでやるあやめ。
「――『そして、白雪姫は王子様と結婚して、幸せに暮らしましたとさ』」
眠っているアイリスに気づき、微笑むあやめ。毛布をかけてやる大神。
「眠っちゃいましたね」
「えぇ、可愛い寝顔ね…。ふふっ、まるで天使みたい」
ペンダントをするアイリスの頭をなでるあやめ。照れる大神。
「あ、あの…、こうしてると何だか…、家族…みたいですね、俺達…」
「え…?ふふっ、そうね。あなたがパパで私がママか…。絵になるわね、幸せ家族って感じで」
「――いつか、俺も…」
「え?」
「〜〜あ、いえ…!!すみません、何でも…」
「ふふっ、面白い子ね、大神君って」
微笑むあやめを見つめる大神。
(――いつか…、あなたとこういう家庭を本当に築けたらなって思うのは、俺のワガママですか…?)
「〜〜あやめさん、これ…!」
菖蒲のブローチをあやめに渡す大神。
「て、帝都タワーの露店で買ったものなので、その…、あまり高価なものではないのですが…、き、気に入って頂けたら…、その……」
「まぁ、わざわざ私に?ありがとう…!ふふっ、何だか男の人にもらうのって照れちゃうわね…。――似合う?」
「は…、はい!とっても――!!」
ブローチを付け、大神の頬にキスするあやめ。
「プレゼントのお返し…ね!」
真っ赤になって倒れる大神。
「お、大神君…!?大丈夫!?〜〜大神君〜っ!?」
★ ★
舞台で稽古するさくら、イヤリングから霊力を奪われ、ふらつく。
「〜〜うぅん…、さすがに疲れたかなぁ…?」
黒く光るイヤリング。部屋で眠るあやめ。机の上のブローチも光り、あやめの霊力を奪う。アクセサリーを持つ女性の霊力を集める天海。
「はっはっは…!!いいぞ、もっと集まれ!さすがに女子の霊力は素晴らしいものじゃ。――我に従え!そして、帝都タワーを破壊するのじゃ!!」
台本を落とし、壁に寄りかかるさくら。うなされるあやめ。二人の目が黒く光る。大きくなる霊力のボール。天海の高笑いが響く帝都タワー。
★ ★
洋風の家。ベッドで眠る大神に近づいてくるあやめ。
『――あなた、ご飯ができたわよ』
『う、うぅん…』
『ほら、起きて下さいな。あなたの好きなオムレツを作りましたのよ』
大神を笑顔で覗き込むエプロンで洋服のあやめ。目を開け、微笑む大神。
『はは、どおりで良い匂いだと思ったよ』
椅子に座り、ナイフとフォークで食べる大神とあやめ。
『どう?少し焦がしちゃったんですけど…』
『うん、すごくうまいよ!君の作る料理はいつも最高だね』
『まぁ、ありがとう。――あら?』
ケチャップがついた大神の口元をなめるあやめ。赤くなる大神。
『ふふっ、慌てないでゆっくり召し上がって下さいな。今日はお仕事お休みだし、ずっと一緒にいてくれるって言ったでしょ?』
『あぁ、もちろんさ。どこか行きたい所はあるかい?』
『私、活動写真が見たいわ…!今、とっても流行ってる恋愛物のね――』
インターホンが鳴り、出るあやめ。
『あら、お客様かしら…?――はぁい、どちらさ――』
『〜〜大神先生えええっ!!』
セーラー服を着て、飛び込んでくるさくら。
『〜〜さっ、さくら君…!?』
『もう、どうして昨日来なかったんですか?二人っきりの特別授業してくれるって言ったのにぃ〜』
『え?〜〜い…、いや、それは…』
『えぇっ!?〜〜あなた!一体どういうことなんです!?』
『〜〜ち、違うんだよ、あやめ!!これは――』
『あ〜ら、あなたが大神先生の奥様ですか?ぷぷっ、なぁに、その乙女チックなエプロン?自分の歳考えたらどうです?』
『〜〜あ〜ら、ひょっとしてあなたが真宮寺さくらさん?主人がいつも嘆いているのよぉ、真宮寺はどんなに教えてもぜ〜んぜん成績が上がらない馬鹿な子だって。出来の悪い生徒をもつと、担任は苦労するのよねぇ』
『〜〜何ですってぇっ!?大神先生!!こんな根性悪の年増とピッチピチの女子高生の私、一体どちらを選ぶんです!?もちろん私ですよねぇ!?』
『ふん、あんたみたいな馬鹿な小娘、男が本気にすると思ってるの!?テストで1位とってから来やがれ、このあんぽんたんっ!!』
『〜〜うぅ〜っ!!とうとう本性現したわね!?このクソババア〜っ!!』
『〜〜ふ、二人とも喧嘩は――』
取っ組み合いの喧嘩をするあやめとさくら、花瓶が大神に迫ってくる。
『〜〜う、うわあああ〜っ!!』
ガラスが割れる音に飛び起きる大神。
「……ほっ、夢か…」
立て続けに食器の割れる音。肩をすくめる大神。
「〜〜な、何だぁ!?」
★ ★
食堂。椅子を振り回すさくら。呆然のアイリス、紅蘭、カンナ、三人娘。
「うるさああいっ!!私に命令するなあああっ!!」
「〜〜た、ただ私はたまには洋食プレートもおいしいですよって…」
「〜〜私はサバの味噌煮がいいのおおお〜っ!!」
さらに振り回すさくら。しゃがんでよける紅蘭達。頭を押さえて泣く椿。
「あ〜ん!!ごめんなさ〜い!!そんなにサバの味噌煮が好きだったなんて〜!!」
「〜〜こ、こんな一面があったなんて、私の情報網にもなかったわ…!」
「〜〜ほらな?何事もやりすぎると、ああなっちまうんだよ…!」
「せ…、せやけど、いきなりああまでぷっつんするかぁ?」
「一体どうしたんだ…!?」
「〜〜お兄ちゃあん!!さくらがぷっつんしちゃったよぉ〜!!」
「〜〜私の朝ごはんはお魚とお味噌汁って決まってるのおお〜っ!!」
霊力放出で窓ガラスが割れる。慌てて避難する大神とアイリス達。
「〜〜さ、さくら君、落ち着くんだ!」
「お兄ちゃん、危ないよ…!」
大神にぎゅっと抱きつくアイリス。見てさらに霊力を放出するさくら。
「〜〜大神さんに触らないでえええ〜っ!!」
「わああ〜っ!!」
「わああ〜っ!!」
霊力に吹き飛ばされる大神とアイリス達。やってきて、転がって目を回すアイリスが足元にいるのに気づき、驚くマリアとすみれ。
「〜〜こ、これは…!?」
爆発音。慌てて逃げながら、やってくる米田。
「米田支配人…!?」
「お、大神…!〜〜あ…、ああああああや…ああああ…!!」
「ど、どうなさったんですか!?落ち着いて――」
大神と米田の間に鎖が飛び、壁が砕ける。腰が抜ける米田。慌てて支える三人娘。レディース姿のあやめが歩いてくる。
「ったく、ざけんじゃねぇよ!酒飲みすぎだって何度言やわかるんだ、このクソジジイぃっ!!」
「〜〜あ、あやめさん…!?」
「いつまでも私が黙ってると思うなよ!?報告書ぐらい自分で書きやがれ!!このタコォ!!」
「〜〜あ、あやめ君がぁぁ〜…」
あやめに報告書用紙を頭にばらまかれ、失神する米田。
「〜〜しっ、支配人…っ!!〜〜あぁ…、夢が正夢に……」
「副司令、どうしちゃったんですかぁ〜!?」
「あぁ?てめぇらも私にたてつこうってか?」
睨むあやめにビビって抱き合う三人娘。
「〜〜あやめはんもストレスためまくってたんやろか…?」
「あぁ?私は上官だぞ!?馴れ馴れしく呼ぶんじゃねぇ!!あやめ様だろうが!!」
鎖を回すあやめ。椅子を振り回すさくら。避難する大神、花組、三人娘。
「〜〜な…、何がどうしちまったってんだよぉ…!?」
「〜〜こりゃ天地がひっくり返るどころの騒ぎやないで…!?」
『――集え…!』
天海の声が頭に響き、頭を押さえ、よろめくさくらとあやめ。
「さくら…!?」
「あやめさん…!!」
『タワーを破壊し、帝都の情報網を混乱させるのだ!我に従え…!!』
「はい…、全ては天海様の御為に……」
「はい…、全ては天海様の御為に……」
フラフラ歩き出すさくらとあやめ。
「ま、待て!どこに――!?」
「待って下さい!ここは泳がせましょう。何かわかるかもしれません」
「あの霊力…、ただならぬ妖気を感じますわ」
「そうか…。後をつければ親玉が見つかるかもしれないな。――よし、かすみ君達は轟雷号の準備を頼む!」
「了解です!」
「カンナはアイリスと米田司令を医務室へ!後の者は…あ?」
ロケットランチャーをさくらとあやめに向ける紅蘭。
「ふっふ〜ん!狙いはバッチリや〜!」
「〜〜な、何してるんだ、紅蘭!?」
「これぞ世紀の大発明、その名も『ついせきくん』や!!」
「『ついせきくん』〜!?」
「せや!この弾は発信装置になっててな、追跡したい人の背中に当てると装置がくっついて、見失ってもどこにいるかちゃ〜んとわかるんやで!」
「おぉっ!!すっげぇ〜!!」
「よし、頼んだぞ!」
「よっしゃ、まかしとき!照準セット…、発射〜っ!!」
装置が発射し、頭に命中し、気絶するあやめ。鋭く紅蘭を睨むマリア。
「あ、あれ…?〜〜あははは〜、改良の余地ありと…」
「…作戦変更。俺はカンナと一緒にあやめさんとアイリスと米田支配人を医務室に運ぶ。君達はさくら君の後をつけてくれ。…見失わないようにな」
「了解や!!」
「〜〜誰のせいだと思って?」
「〜〜あうぅ〜…、きっつい嬢ちゃんやなぁ…。ってあれ?マリアはん?」
「…私は単独で行動させてもらいます。少尉の作戦はナンセンスですので」
銃の弾を補充し、走っていくマリア。
「あ、マリア…!〜〜はぁ…、参ったなぁ…」
「〜〜お、おい、もうあんな所まで行っちまったぜ!?」
窓から見る大神達。中庭を歩くさくらに眉を顰め、踵を返すすみれ。
「あ…、どこ行くんだ、すみれ君!?」
「馬鹿馬鹿しい。さくらさんがどうなろうと知ったことではありませんわ」
「おい!お前、何言ってんだよ!?」
「カンナの言う通りだ!大事な仲間が操られているんだぞ!?」
「仲間ぁ?あんな田舎臭い女とこの私を一緒にしないで下さいましっ!!」
「待て、すみれ君…!!」
「隊長、とりあえずあやめさん達を医務室に連れて行こうぜ!何か聞き出せるかもしれねぇ」
「大神はん、あんさんまで落着きを失ったらダメやで?」
「そ、そうだな、すまない…。紅蘭、後は頼んだぞ」
「まっかしとき!次は違う発明品で追跡してみますわ〜!!」
スキップしながら行く紅蘭。
「え…?〜〜あ、いや、そうじゃなくて――!!」
「ほら、行くぞ!…今は紅蘭とマリアを信じるしかねぇよ」
アイリスを抱きかかえるカンナ。うつむき、拳を握る大神。
★ ★
銃を構え、さくらの後を追うマリア。ロボットを浮遊させ、追跡する紅蘭。共に光武に搭乗。タワーが赤く点滅。見上げる紅蘭。そびえたつタワー。
「帝都タワー…?」
操られた女性達に紛れ、歩いていくさくら。頂上に天海。
「もっと霊力をよこせ!!この天海に哀れな貴様達の霊力を捧げるのだぁ!!」
天海を鋭く睨むマリア。
★ ★
「〜〜この野郎ぉ…っ!!出せええっ!!出せよおおおっ!!」
作戦指令室。檻に入れられて手足を拘束され、暴れるあやめを檻の外から見る大神、アイリス、カンナ。
「〜〜ちくしょう…!まるで別人だぜ…」
「……ねぇ、お兄ちゃん、アイリスのせい?」
「え?」
「アイリス達がさくらにひどいこと言ったから…、〜〜さくらとあやめお姉ちゃん、怒っちゃったのかな…?」
「アイリス…」
「ひっく…、ごめんなさいって言ったら、元に戻ってくれる?アイリス、優しいさくらとあやめお姉ちゃんに戻ってほしいよ。こんなのやだよぉ…」
ジャンポールを抱きしめ、泣くアイリスの頭をなでる大神。
「アイリス…。――大丈夫だよ。俺が必ず二人を元に戻してやるから。だから、さくら君が帰ってきたら、ちゃんとごめんなさい言えるかい?」
「うん…!アイリス、さくらにごめんなさいする…!!するから、お願い、お兄ちゃん!さくらとあやめお姉ちゃんを元に戻して…!!」
「よぉし、偉いぞ、アイリス!後はあたい達に任せときな!」
「だが、敵の意図がわからない…。二人を操ってどうするつもりなんだ?」
紅蘭から通信。モニターのスイッチを入れる大神。
『聞こえまっか、大神はん?紅蘭ですー』
「何かわかったか!?」
『あぁ、今、帝都タワーにおるんやけどな』
「帝都タワー?」
『これ見てみい。さくらはんだけやない、大勢の女の人が操られて誘導されとる。タワーのてっぺんにおるんがおそらく親玉や。確か『天海』とか名乗ってたわ』
天海をズームアップする紅蘭。見て、ハッとなる大神。
「くそっ、無関係の人達を巻き込みやがって…!!隊長!早く指示を――」
考え、回想する大神。露店の主人を思い出し、立って檻のカギを開ける。
「…隊長?〜〜おい、危ねぇぞ!?」
「あら、坊やが逃がしてくれるのかい?」
「〜〜あやめさん、すみません!!そのブローチ、捨てて下さい…!!」
胸元の菖蒲のブローチを外そうとする大神の手を握るあやめ。
「あら、いやよ。せっかくあなたがくれた物なのに。後でうんとお礼してあげるから…ね?」
大神にキスしようとするあやめを遮る大神。
「〜〜やめて下さい…!!あなたは天海とやらが作ったブローチで操られているだけです!!気を確かに持って下さい!!」
「あら、私は正気よ?今、とってもあなたとキスがしたいの…」
眉を顰め、あやめの肩を持って離す大神。驚くあやめ。
「違う…!今のあなたは俺の好きなあなたじゃない!!〜〜どんなに俺が望んでいた言葉でも…、それはあなたの本心ではないから…」
「隊長…」
「見ていて下さい、あやめさん!俺が絶対にあなたとさくら君を元に戻してみせます!だから――」
大神の頬にキスし、自らブローチを外し、髪をかんざしでまとめるあやめ。
「うふふっ、本当に可愛いわねぇ、大神君は!」
「え…?〜〜えぇ…っ!?」
キネマトロンで通信するあやめ。
「――椿、轟雷号の準備は?」
「ばっちりです!いつでも出撃できますよぉ!」
「OK!すぐ向かうわね!」
通信を切るあやめ。呆然の大神。
「〜〜あ、あの…?」
「ごめんなさい、騙すつもりはなかったんだけど…」
「――俺が頼んだんだよ」
入ってくる米田。
「米田司令…!」
「いやぁ、悪かったな、大神。これは演技なんだよ、演技!」
「え…っ、演技ぃ〜っ!?」
「寝ていたら、このブローチから妖気を感じてね。風組に調べさせたら、敵の策略だとわかったの。でも、これは使えると思ってね。浄化したブローチをつけて操られたと見せかけ、敵の動きを探っていたのよ」
「マリア達も完全に騙されてたみたいだしな。こいつぁいけるぞ!」
「本当にごめんなさい。…やっぱり、怒ってるわよね?」
「〜〜い、いえ…、素晴らしい演技力でわかりませんでした。ははは…」
(〜〜前回に続いてまたもや…)
「マジかよ!?聞いてないぜ、そんなこと…!?」
「花組には知らせとらんよ。敵を欺くにはまず味方からって言うだろ?」
「〜〜俺達のこと、信用してないんですか…?」
「ふふっ、そういうことじゃないのよ。これを利用して私が囮になれば、天海に近づけるわ。奴の目的もおのずとわかるはず」
「え…っ!?危険です!!その役目なら俺が――!!」
「あら、ブローチつけてる男の子なんているかしら?」
「〜〜う…、そ、それは…」
「心配してくれてありがとう。でも、私達の仕事は常に危険と隣り合わせよ。命がけで任務を全うしなければならないの。わかるわね?」
「〜〜で、ですが――!」
「――由里、光武の準備はできた!?」
「完了しました!作戦指令室にお戻り下さい!」
「わかったわ。最終調整をお願いね!」
「了解です!」
メインモニターの通信を切り、米田に敬礼するあやめ。
「では司令、行って参ります!」
「うむ、健闘を祈る!」
「アイリスも行く〜っ!!」
「お前さんはお留守番だ」
「えぇ〜っ!?またぁ!?」
大神に微笑み、出ていくあやめ。見つめ、うつむく大神。
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