★2−2★



舞台。稽古するさくら。入ってくる大神とすみれ。

「ふん、まだそんな無駄な稽古をやってましたの?」

「〜〜す、すみれ君…!」

「あ、すみれさん…!大神さんも!」

「もうそんなみみっちい努力せずともよろしくてよ?あなたは今日、主役を降りざるをえなくなるのですから」

「え?」


マリア、アイリス、紅蘭、カンナも入ってくる。

「すみれぇ、話ってなぁに?」

「手短にお願いするわ」

「せや。うち、まだ光武の修理があるさかい」

「ふふっ、皆さん、いらっしゃったようですわねぇ」

「わざわざ呼び出しといて、『落ちたフォークを拾って、新しい物と取り替えて下さいまし〜』なんて次元の話だったら、怒るからな?」

「ふん、馬鹿馬鹿しい。私がお話ししたいのは、さくらさんのことです…!」


対降魔部隊の写真を見せるすみれ。見る大神達。

「司令と副司令が対降魔部隊にいらっしゃった頃の写真ですわ」

「これがどうかしたのかい?」

「一番右に映ってらっしゃる方、さくらさんはよくご存知ですわよねぇ?」

「あ…、はい!真宮寺一馬大佐ですね!私のお父様です!」

「――ふっ、自ら認めましたわね?」

「はい?」

「皆さん、今の聞きまして?このさくらさんは真宮寺大佐の娘…、つまり、親の七光でこの帝国華撃団に入ったのです!」

「え…?」

「父親譲りの高い霊力は認めますわ。しかし、それ以外は全くの無能!芝居は駄目、操縦は下手、はたまた道は間違える…!!何故あなたのようなどんくさい方が入隊したのか不思議でしたが、これでやっとはっきりしましたわ!!あなたは親の力がなければ何もできない、ひよっこなのです!!」

「…おめぇも同じだろ?」

「〜〜カンナさんは黙ってらっしゃい!!――いいこと、さくらさん!?あなたのお父様がどれだけ偉い方か存じ上げませんが、所詮娘のあなたは無能!!能力がないのなら、一刻も早く主役から降りるべきですわっ!!」

「あ、あのぉ…?」

「ふん、言い訳なんて認めませんわよ?」

「…親の七光って何ですか?」


ずっこける一同。

「〜〜あなた、私の話を聞いてませんでしたのっ!?」

「き、聞いてました!けど、私は降りません!一度与えられたことは必ず最後までやり抜けとお父様も申しておりましたし!」

「〜〜そのお父様の力であなたはここに来られたと言ってるんです!!私や皆さんのように実力で帝国華撃団に選ばれたのではないのですわ!!」

「え…?そ、そうだったんですか…!?」

「皆さんもそうお思いになるでしょう!?そうでなければ、誰が好き好んでこんな大ボケ女を連れてきますかっ!!」

「…確かにそういう意味にもとれるわね」

「でも、いいんじゃねぇか?光武だって動かせるんだしよ」

「せやなぁ…。けど、米田はんとあやめはんがそういう意味でさくらはんを主役に選んでたとしたら…、ちと問題やで?」

「差別だーっ!!アイリスだって頑張ってるのに、ずるいよ、さくらぁ!!」

「あ…、〜〜す、すみません…、私…」

「皆、やめないか!確かにさくら君は真宮寺大佐の娘として呼ばれたのかもしれない。だが、君達の大切な仲間に変わりはないじゃないか!!」

「少尉はお黙りになってて!これは私達とさくらさんの問題でしてよ!?」

「俺は見習いだが、隊長だ!君達をまとめるのも仕事のうちなんだ!!」

「…またそうやって偉ぶるんですね」

「別に偉ぶってなんか…!大体、何で君達はすぐ言い争いになるんだ!?思いやりの気持ちを持ち合えば、こんなことでは喧嘩にならないはずだぞ!?」

「〜〜こんなことですってぇっ!?男の少尉に女の私達の気持ちなんておわかりにならないでしょう!?」

「〜〜そ、それは…」

「そうだよ!!アイリス、さくらがズルで選ばれてたなんてすっごいヤダ〜!!」

「そうだな…。そうやって聞くと…、いい気持ちはしねぇかもな…」

「〜〜皆!少しはさくら君の気持ちを――」

「…なぁ、もう帰ってええか?光武の修理、まだ終わっとらんのやけど」

「…私も失礼します。エンフィールドの手入れがまだですので」

「ぷんっ!アイリスもお昼寝してこ〜よっと!」


出ていく紅蘭とマリア。アイリスはあっかんべーしながら。

「待て!!〜〜少しは考えてもみろ!!こんなバラバラの状態で、この間の奴らに勝てると思ってるのか!?」

「簡単さ、自分自身を磨くこった!終わったんなら、あたいも鍛錬行くぜ」


出ていくカンナ。

「カンナ!!〜〜くそ…、何で皆わかってくれないんだ…?」

「〜〜ごめんなさい…、私のせいで…」

「気にしないでくれ。さくら君は悪くないんだから…」

「あーら、随分仲がおよろしいことねぇ。こんな田舎娘が好みだなんて、小沢少尉もたいしたことありませんわね」


高笑いして出ていくすみれ。ため息つく大神。うつむき、拳を握るさくら。

「えへへ…、少し顔洗ってきますね。…稽古してたら、汗かいちゃった」

足早に出ていくさくらの背中を見つめる大神。泣きながら廊下を走るさくら、倉庫に閉じこもって泣き、お守りを出して握る。

「お父様…。私…、やっぱり帝都に来ない方がよかったのでしょうか…?」

父を思い出すさくら。昂ぶって霊力が高くなり、道具や部品が揺れ始める。

「私…、何をやっても駄目で…、皆さんに迷惑かけてばっかりで…、もう…仙台に帰りたい…。〜〜帰りたいよぉ…!!」

泣いて霊力を放出するさくら。光武の部品が爆発し、地震が起きる倉庫。格納庫。すべての光武の霊力値が暴走。

「〜〜な、何や…!?」

驚いて倉庫を見に来る整備服姿の紅蘭。さくらの周りで大きな地震と爆発。

「〜〜こ、こりゃ一体…!?」

「どうしたんだ…!?」

「お、大神はん…!さくらはんが…!!」

「〜〜さくら君っ!!」


近づこうとするが、弾き飛ばされる大神。

「ぐ…っ!!〜〜な、何だ、この異常な霊力は…!?」

「――下がって!」


唱え、霊力を放出する軍服のあやめ。暴走が収まり、気絶するさくら。

「お、収まった…」

さくらの脈をみるあやめ。

「…大丈夫。力を使いすぎて眠ってるだけよ」

「た、助かったで、あやめはん…」

「けど、さくら君の今の力は…?」

「あれは…、破邪の力よ」

「破邪の力…?」


気がつくさくら。

「――あれ…、私…?」

「一体何事ですの…!?」

来るすみれ、マリア、カンナ。さくらも惨状に驚く。壊れたすみれの光武。

「〜〜これはどういうことですの!?誰がこのような嫌がらせを…!?」

「すみれ君、落ち着け!これは――」

「〜〜さくらさんっ!!またあなたですのね!?これは先程の腹いせですの!?」

「あ…、〜〜す、すみません、私にも何が何だか…」

「とぼけるおつもり!?まったくあなたという方はどこまで性根が――!!」


すみれの頬をはたくあやめ。驚く大神とさくら達。

「いい加減にしなさい。これ以上騒ぎを起こしたら、実家に帰すわよ?」

「〜〜ふ…、ふふ…、これではっきりしましたわ…!副司令、あなた、ご自分の出世の為に真宮寺大佐を利用したいのでしょう!?」

「すみれ君…!!」

「これだから、権力争いは嫌ですわ!あなたが女の分際で少佐まで昇りつめたのがよくわかりました!そうやって権力のある男を見つけては、言い寄っているのでしょう?もしかして、大佐とすでに寝たのではなくて?」

「〜〜すみれ君、いい加減に――!!」

「それは無理ね。…大佐はすでに亡くなってますもの、私が少尉の頃にね」

「〜〜な…っ!?」

「すみれ、それに皆も…、これ以上帝劇の和を保ちたくないのであれば、出てっていいわよ。ここでの任務を強制する権利は私達にはありません」

「〜〜ふ、ふん!私達がいなくなれば、一番困るのはあなた方でしょう!?」


不敵な笑みを漏らすあやめ。わなわなするすみれ。

「あなた、完全に神崎重工を敵に回しましたわね…!?〜〜もう結構です!!おじい様に言って、資金援助を止めて頂きますからっ!!」

怒って出ていくすみれ。邪魔なカンナを突き飛ばす。部品を修理する紅蘭。

「…ったく、困ったお嬢様だなぁ」

「…直せそう?」

「せやなぁ…。ま、半日もあれば大丈夫やろ。ちょちょいのちょーいで仕上げときますわ」

「頼んだわよ。――さくら、医務室に行きましょう。念の為、医療ポッドで休んでおいた方がいいわ」

「は、はい…」


出ていくさくらとあやめを黙って見つめるマリア。

★            ★


「〜〜参った…。こんなんで本当に帝都を守れるのか…?」

大神の部屋。疲れてベッドに倒れこむ大神。ノックする音。椿が顔を出す。

「大神さぁん、お姉様からお届け物で〜す!」

「お届け物…?」


ベッドの前に置き、出ていく椿。

「はい!確かにお届けしましたからねぇ」

「〜〜な…、何なんだ、このでかい物体は…!?」


包みを開ける大神。ぬか漬けの壺。

「あぁ、ぬか漬けか…!そういや姉さんの漬物、絶品だったよなぁ!」

手紙を開けて読む大神。

「何々…?『一郎さん、お元気ですか?故郷の味が恋しいのではないかと思い、ぬか漬けを漬けてみました。新次郎も喜んで食べていますよ』新次郎か、大きくなったんだろうな…。『帝都でのお仕事はどうですか?辛いことはありませんか?もし、壁にぶつかったら、すぐに帰ってきなさい。気合い注入に竹刀でぶっ叩いてやりますから』〜〜相変わらず過激だな…」

ため息つく大神。壺を見る。幼い頃を回想。栃木の実家。

『――お姉ちゃん、僕ね、大きくなったら、軍人さんになるんだ!それでね、帝都を悪い奴らから守るんだよ!!』

『そうか!さすがは大神家の長男だ!よし、今に姉ちゃんがビシビシしごいてやるからな!ほら、飯いっぱい食って、早く大きくなるんだぞ!』

『うん!僕、頑張る〜!』


笑顔でぬか漬けを食べる幼い大神。回想終了。思い出し、微笑む大神。

「まったく、昔からおせっかいなんだからな…」

ぬか漬けの匂いが部屋に充満。窓を開ける大神。

「〜〜なるべく早く食べないとな…」

★            ★


医務室。医療ポッドから出て、ベッドに座るさくら。薬と水を運ぶあやめ。

「気分はどう?」

「はい…。もう大丈夫です…」

「霊力の暴走を抑える薬よ。この間、花やしき支部が開発したの」

「ありがとうございます…」


薬を飲むさくら。

「〜〜あはは…、またやっちゃいました…。むやみに力を使うなってあれほどお父様に言われてたのに…」

「まだうまく制御できないだけよ。訓練を積んで、うまくコントロールできるようになれば、あなたの破邪の力は花組の素晴らしい戦力になるわ」

「そう…でしょうか?私、本当に力を使えるようになるんでしょうか?」

「え…?」

「真宮寺の当主だったお父様と違って、私、本当に失敗ばかりで…。すみれさんの言う通りなんです。霊力は高くても、あとはからっきし駄目。お父様が大佐じゃなかったら、絶対ここにも呼ばれなかったでしょうし…」

「そんなことないわ。私達はね、大佐の娘だから、あなたを呼んだわけではないのよ」

「〜〜でも…」


さくらの腰のお守りの鈴が鳴る。見つめるあやめ。

「これ、父の形見なんです。今までお財布につけてたんですけど、この間盗まれちゃったので、やっぱり肌身離さずつけとこうと思って……」

「さくら…?」

「私…、これを見る度に思い出すんです。悪い奴らをやっつけるって私の夢を聞いてくれた憧れのお姉ちゃん…。すっごく強くて、優しくて…。いつも笑顔で私の頭をなでてくれたんです。私も、いつかそのお姉ちゃんみたいになりたいなってずっと思ってるんです!」

「そう…。――また会えるといいわね、そのお姉さんに」

「はい!…私もそのお姉ちゃんみたいになれたら、皆さんに迷惑かけずにすみますよね?〜〜帝劇の一員だって胸を張って言えますよね…!?」

「さくら…、これだけは信じて。米田司令と私は大佐の娘だからあなたを迎えたんじゃない、真宮寺さくらという破邪の血を継ぐ者として、そして、花組にふさわしい一人の人間として、あなたを迎え入れたのよ」

「本当ですか…?」

「もちろんよ。――夢は叶うわ、きっとね」


出ていくあやめ。嬉しくなるさくら。あやめと入れ違いに大神が入る。

「あやめさん…!」

「こんな時こそ隊長の出番よ。しっかりね!」


大神の額を軽く突いて微笑み、出ていくあやめ。照れながら入る大神。

「大丈夫かい、さくら君?」

「はい、もう大丈夫です!ご心配おかけして、申し訳ありませんでした」

「いや、思ったより元気そうで安心したよ」

「あの…、皆さんは…?」

「皆は…、別々のことしてるよ、それぞれの部屋でね」

「そうですか…」

「――今から出かけないか?少しは気分転換も必要だよ」


★            ★


芝公園。帝都タワーの周りが人で賑わう。並んで歩く大神とさくら。

「わぁ、すごい人ですねぇ!」

「帝都タワーができたばかりだからね。もうすぐテレビジョン放送が始まるんだってさ」

「てれびじょん…?」

「箱に映像が映るんだよ、人とか景色とか色々さ」

「へぇ〜!不思議な箱なんですねぇ!私も入ってみたいです!」

「〜〜いや、本当に入れはしないと思うけど…」


賑うアクセサリー屋を見つけるさくら。ペンダントを買い、去る男性客。

「おとみちゃん、喜ぶだろうなぁ…!」

「わぁ、きれ〜い!」

「おや、可愛らしいお嬢ちゃんだねぇ。隣の兄さんは恋人かね?」

「え?や、やだぁ!そう見えます〜?」

「可愛い彼女に買ってやるのが男の礼儀ってもんさ。お一ついかがかね?」

「そうだな…。どれがいい?好きなの買ってあげるよ」

「本当ですか?えっと、じゃあ…」


選ぶさくら。一緒に見て菖蒲のブローチを見つける大神。

(――これ、あやめさんに似合いそうだな…)

つけたあやめを想像し、鼻の下をのばす大神。

「どうかしました?」

「あ…、〜〜い、いや…、何でもないよ…」

「これなんてどうですか?」


桜のイヤリングを見せるさくら。

「うん、いいね!似合うよ」

「そうですか…!じゃあ、これにします!」

「50銭だよ。――はい、ありがとう」


金を払う大神。

「やったぁ!大神さん、ありがとうございます!」

「あぁ、良い土産になったね」

「早速つけちゃおっと!〜〜あ、あれ…?うまくできない…」

「はは…、貸してみて」


さくらにイヤリングをつけてやる大神。

「――はい、できた」

「えへへ…!似合いますか?」

「あぁ、とっても!」

「な、何だか照れちゃいます…」

「君はそうやって笑っているのが一番だよ。君と俺が違う人間のように、君やすみれ君、マリア…、皆違う人間だ。得意・不得意があって当然だろう?君は君らしく前を向いて進んでいけばいいんだ。一生懸命頑張っていれば、いつかきっと花開く時が来る。俺はいつでも君を応援してるからね」

「大神さん…。――はいっ!私、頑張ります!」


大神の隣で赤くなるさくら。二人を不気味に見つめる老人に化けた天海。

(くくく…、罠とも知らずに…。めでたい奴らじゃ)

帝都タワーに夢中のさくらの隙をついて戻ってくる大神。ビビる天海。

「おじいさん…!!」

「〜〜な、何かね…?」

「――これも一つ!」


真剣に菖蒲のブローチを掴んで突きつける大神。

「あ、ありがとよ…」

「――大神さぁん?」

「今行くよー!――じゃ!」


買ったブローチを隠し、さくらに駆け寄る大神。

「……奴も男じゃのぅ…」

★            ★


夜。食堂。紅茶を飲むすみれの前の席にトレーを持って座るカンナ。

「…何か用ですの、デカブツさん?」

「さくらのことだけどよ、あたい達、ちょっと言い過ぎたんじゃねぇか?」


飲む手を止めるすみれ。ご飯を食べるカンナ。

「もし、本当に父ちゃんの力で来てたとしても、別にさくらは何も悪いことしてないわけだしさ。隊長の言う通り、皆で謝った方がいいと思うんだ」

「はぁ?何をおっしゃるかと思えば…。私は不正を指摘しただけです」

「でも、言い方ってもんがあるだろ!?それに、さくらにそんなこと言ったってしょうがねぇじゃねぇか…。さくらも大好きな父ちゃんを悪く言われて、すごくショックだったと思うぜ…?」


冷たい自分の父親を回想し、ティーカップを持つ手を震わせるすみれ。

「〜〜ふん、馬鹿馬鹿しい!父親なんて、いてもいなくても同じですわ!!」

「あ、おい…!」


怒って席を立ち、出ていこうとするすみれ。見つけるかすみ。

「あ、すみれさん…!お父様からお電話ですよ」

驚き、眉を顰めるすみれ。

★            ★


すみれの部屋。電話で重樹と話すすみれ。

「――何があった、いきなり帝劇への援助を止めてほしいだなんて?」

「…おじい様にお話しした通りですわ。〜〜米田中将も藤枝少佐も…、皆してこの私を馬鹿にして…っ!」

「…もう音を上げたのか?」

「え…?」

「お前はいつもそうだな。貴族院女学校を中退してまで入団した歌劇団も、もう飽きたというわけか?」

「〜〜べ、別に飽きてなど…!」

「まったく…、お前がどうしても入りたいというから好きにさせたというのに…。誰のおかげで不自由なく暮らせていると思ってるんだ!?」

「〜〜で、ですが、お父様――」

「神崎グループの一人娘だというのに情けない…。歌劇団もやめるというなら、もう家には帰ってくるな!いいな!?」


電話を切られるすみれ、受話器を持つ手を震わせ、静かに置く。絨毯に座り込み、一馬の話を嬉しそうにするさくらを回想するすみれ。

『――自慢の素敵な父親でした!』

「〜〜私の気持ちなんて…、知らないくせに…」


廊下で物音。開けるすみれ。ドアノブにリボンで結んであるかごと手紙。

『すみれさん、今日は本当にごめんなさい。実家からお菓子が届いたので、おすそわけです。怪我、早く良くなって下さいね!――さくら』

かごに菓子。驚いて見つめ、悔しくかごを床に叩きつけるすみれ。


2−3へ

舞台(長編小説トップ)へ