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サイト来場者数1000人突破記念・連続小説
「大神と藤枝姉妹のセクシー旅行記〜ダブル・ハネムーン編〜」

〜1日目・その1〜



「――では、子供達のこと、よろしくお願いします」

「あぁ。せっかくだから、うんと羽根伸ばしてこいよ」


小さな子供のなでしこ、ひまわり、誠一郎に囲まれ、米田前支配人は心なしか恵比須顔で笑った。

今日から俺・大神一郎は、妻であるあやめさんとかえでさんと三人で3泊4日の新婚旅行に出かけることになった。

夫一人と妻二人の新婚旅行だなんて、きっと日本では俺達が初だろう。日本人で初めて新婚旅行に行った坂本竜馬とおりょうも驚くだろうな…。

あやめさんとかえでさんと結婚してから、新婚旅行はどこに行こうかと前々から計画を立ててはいた。

が、支配人業務や裏方に徹しての公演準備、光武訓練の指揮、帝都を狙う悪党との戦い、さらに、副司令のあやめさんと副司令代理のかえでさんと二人三脚(あ、三人四脚か)で行う司令任務、花組とのコミュニケーション、活発で天真爛漫な子供達三人の世話、それに、あやめさんとかえでさんの欲求不満を解消させる為の夜のご奉仕…。

〜〜こうして並べただけでも、俺の毎日がめまぐるしいことがわかるだろう…。なので、旅行に行く時間を取れる余裕なんてとてもなかったのだ。で、そんな俺を不憫に思ったのか、今回、米田さんと花組の皆がプレゼントしてくれたというわけだ。

最初、俺は少し戸惑った。支配人(司令)見習いという立場である俺と副支配人(副司令)のあやめさんと副支配人代理(副司令代理)のかえでさんの3人が全員留守にしてしまったら、緊急時の対処はどうすればいいのか…?

「安心しろ。4日間くらい俺が支配人として復帰してやらぁ。お前さん達は毎日よく頑張ってくれてるんだ。これは俺と花組からの感謝の印なんだよ。遠慮せず、受け取ってくれや!」

感謝…か。俺はただ毎日業務をこなしているだけだ。だから、特別感謝されるようなことはしていないと思っていた。

「隊長…、いえ、司令見習いはよくやって下さっています。ですから、たまにはあやめさんとかえでさんにサービスしてあげて下さい。お二人とも、司令見習いをいつもしっかり支えて下さっていますからね」

「フフ、特別に我が神崎グループより『ホーリー・アイランド』という、今、最もトレンディでホットなリゾート地の旅行券とホテル宿泊券をプレゼント致しますわ!」

「ここって、すみれさんの会社がリゾート開発に携わっているんですって!いいなぁ、私も行きた〜い!」

「フン、さくらさんったら呑気ですわねぇ。次回作の主役がリゾート観光の為に出演ドタキャンなんてスキャンダル、聞いたことありませんわ」

「〜〜うぅ…、そうですよねぇ…」

「フフ、舞台が終わったら、花組皆で行きましょうか」

「わぁ、そうしましょう!約束ですよ、マリアさん!」

「ふふっ、はいはい」

「えへへっ、――大神さん、美味しいレストランとか素敵なお店とかチェックしてきて下さいね!あっ、あと、お土産もよろしくお願いしま〜す!」


さくら君、すみれ君、マリアも、そして、他の花組の皆も俺達が新婚旅行に行くのを快諾してくれた。皆、自分のことのように喜んでくれている。照れくさいが、仲間から祝福されるのは、やはり気分のいいものである。

劇場は今、次回公演の準備でバタバタしているので、俺達が帰ってくるまで、米田さんがなでしこ、ひまわり、誠一郎の面倒を見てくれることになった。米田さんは、昼間は支配人に一時復帰して、大帝国劇場の支配人室で子供達の面倒を見ながら支配人業務を行い、帰宅後は、自分の家で子供達の世話をして下さるという。

「本当にご迷惑をおかけして、申し訳ありません…」

「なぁに、やんちゃな悪ガキならとっちめてやるが、お前達の子なら安心だろ――」


――ビリビリビリ…ッ!!

「〜〜あ〜っ!誠一郎が障子、破いちゃった〜!!悪いんだ〜っ!!」

「〜〜だ、だって、ひまわりが追いかけっこしようって言うから…」

「何よぉ!?人のせいにする気!?ドジって転んだのは、あんたでしょっ!?」

「〜〜あうぅ…、そ…、それはそうだけど…。〜〜うぅっ、ひっく…」

「泣いちゃダメよ、誠一郎。だから気をつけてって言ったのにぃ…」

「〜〜え〜ん…!!なでしこぉ〜、ひまわりがまた意地悪したぁ〜…!」


〜〜言ってるそばから、米田さん家の障子を破ってしまったらしい…。

「〜〜ん〜、まぁ…、子供は元気なのが一番だからな…。うむ…」

「〜〜すみません…。後で弁償します…」

「本当に申し訳ありません…。特にひまわりはかえでの遺伝子が濃く出てしまって、なかなか手がつけられなくて…」

「〜〜姉さん…?何、遠回しに私のせいにしようとしてるのよ…っ!?」

「ハハッ、おめぇ達も相変わらずだなぁ。今度、前座でトリオ漫才やったらどうだ?」

「〜〜んもう、茶化さないで下さい…っ!」


あやめさんとかえでさんも久し振りに米田さんに会えて嬉しそうだ。前から父親のように慕っている人だもんな…。

「――あ、そろそろ出発の時間か…」

「お、そうか。――ほれ、父ちゃん達のお見送りするぞ〜」

「は〜いっ!」「は〜いっ!」「は〜いっ!」


トランクを持って、玄関で靴を履く俺とあやめさんとかえでさんを、なでしこ、ひまわり、誠一郎、そして、米田さんが見送ってくれる。

「あなた達、米田のおじさんの言うこと、ちゃ〜んと聞くのよ?」

「は〜い!」

「〜〜うぅ…、父さぁん、母さぁん…」

「ふふっ、誠一郎ったら…。すぐ帰ってくるから、泣かないの!男の子でしょ?」

「お土産、たくさん買ってくるからな。何かあったら、なでしことひまわりを守ってやるんだぞ?」

「うんっ!えへへっ、男同士の約束だね!」

「あぁ!」

「はっはっは…!大神、おめぇもすっかり父親らしくなったな」

「はは…、色々責任がありますからね…」

「ね〜ね〜、米田のおじいちゃん、肩車して〜!」

「ははは…、おじいちゃんか…。ま、俺も本当ならこれくらいの孫がいてもおかしくねぇわな。――ほらよ…っ!」

「きゃははは!わ〜い、高〜いっ!!」

「おじいちゃん、僕にも〜!」

「わ、私も…お願いします…」

「ははは…!わかった、わかった、順番にな。〜〜おっと…、あいてて…」

「だ、大丈夫ですか…!?」

「おじいちゃん、大丈夫〜?」

「ははは…、心配かけてすまねぇな。なんせ、もう年だからよ…」

「私、湿布探してくる…!」

「おじいちゃん、ほら、座って…!」

「楽な姿勢でいて下さいね…!」


腰を痛めてしまった米田さんを子供達は心配して、一生懸命お世話をしようとしている。その光景に、米田さんは目を細めて微笑んだ。

「――こうしてると、本当に孫ができたみてぇだぜ…」

「俺達の子…、孫だと思って下さるんですか…?」

「あたりめぇだろ?血の繋がりはないが、お前達や花組、それに帝撃で働く奴らは皆、今でも俺の可愛い子供達だ。もう俺は帝撃の人間じゃねぇけどよ、舞台はちゃんとやれているかとか、つまらねぇ喧嘩なんてしてねぇだろうなとか…、気づくといつもお前らのことばかり気にかけてる…。ははは、引退した身だというのに、鬱陶しいじいさんだよなぁ…」

「そんなことありませんわ。ありがとうございます…!」

「ハハ、礼なんて言われる覚えはねぇよ。――大神、これからも帝撃を…、そして、あやめ君とかえで君を大事にしてやってくれよ?」

「米田さん…。――了解です!」

「はは、相変わらず堅苦しい奴だなぁ。ほれ、早くしねぇと乗り遅れるぞ?」

「はい、行ってきます…!」

「いってらっしゃ〜い!!」「いってらっしゃ〜い!!」「いってらっしゃ〜い!!」


米田さんの心に染みる言葉と子供達の元気な声を背に、俺達はラチェットの自家用ジェット機がとめてある帝劇の格納庫に向かった。

南の島『ホーリー・アイランド』へは、ラチェットが貸してくれた自家用ジェット機…、いわゆる飛行機という乗り物で行くことになった。

戦争で使うタイプのものなら見たことはあったが、これはたくさんの人を乗せる輸送用のタイプだそうだ。日本ではまだあまり見かけないが、アメリカでは富裕層の人間は持っている人が多いらしい。さすがにアメリカはスケールが違うな…!

飛行機のメンテナンスがもう少しかかるということなので、俺達は劇場に戻り、隊長室で荷物の最終チェックを行うことにした。

「ふふっ、まさかハネムーンに行ける日が来るなんてね…。これも帝都が平和になった証拠だわ」

「そうね。しばらくの間、劇場を空けちゃうのは少し気が引けるけど、皆、私達を思って用意してくれたんですものね…!」

「ふふっ、えぇ…!思い切り楽しんでこなくちゃ、罰が当たるわ」


本来なら新婚旅行は一週間ほど行く夫婦が多いらしいが、俺達は司令と副司令という責任重大なポストに就いている為、あまり本部から離れられない。その為、少し短めの3泊4日というスケジュールを組んだのだ。

あやめさんは、用意周到に色々な物をトランクに詰めているようで、閉めるのに苦労している様子。一方、かえでさんのトランクは楽々閉まり、とても軽そうだ。きっと、必要な物は現地で買おうと決めているのだろう。こういう所にも姉妹の違いって出るものなんだな…。

「――そろそろメンテナンスが終わる頃ですね。行きましょうか?」

と、俺は言いながら、テーブルの上に置いてあったカメラを手に取った。

「さっきから気になってたんだけど…、それ、何なの…?」

「紅蘭が発明した蒸気式カメラ『とれるんですくん』ですよ。旅行の思い出を写真に撮って、後で見せてほしいって、さくら君達に頼まれたので…」

「ふぅん…、こんな小さな機械で写真が撮れるなんてすごいわねぇ…!」

「あ、ここのボタンを切り替えると、動画を撮れるビデオカメラにもなるみたいですよ」

「へぇ、なかなか優れ物じゃない…!――じゃあ、出発前に一枚撮っておきましょうか!」

「そうですね。俺が撮りますから、お二人、もっと寄り添って下さい――」

「こぉら、大神君も入らないと意味ないでしょ?ふふっ、ほら、真ん中ね!」

「わ…っ!?か、かえでさん、胸が当たってますって…!」

「いくわよ〜!――はい、チ〜ズ!」


パシャ…ッ!あやめさんはシャッターを押す直前に、俺に寄り添っていたかえでさんを突き飛ばした。

「きゃあっ!?〜〜ちょっと、姉さん…っ!?」

「ふふっ、あらあら、かえでだけフレームアウトしちゃったみたいね。まぁ、いいんじゃない?自慢の巨乳だけはかろうじて映ってるんですし…」

「〜〜姉さんが全部仕組んだんでしょうが…っ!!」


あやめさんとかえでさんは結婚後も変わらず、こうして俺を取り合う日々を過ごしている。まぁ、二人とも結構楽しんでいるみたいだから、いいんだけどな…。

それにしても、今日はあやめさんもかえでさんもはしゃいでるな…。念願だったハネムーンに行けるとあって、余程嬉しいのだろう。普段は落ち着いていて、しっかりしている二人のこういう可愛らしい一面が見れて、何だか得した気分だ。

「――本日はご搭乗下さり、誠にありがとうございます。今回、同行させて頂きます、フライトアテンダントのマリー・コニックでございます。どうぞ快適な空の旅をお楽しみ下さい…!」

さぁ、いよいよ出発だ…!俺を真ん中にして、三人並んで座り、シートベルトを締める。座席が広くて、15時間のフライトもゆったりできそうだ。

キィィィィン…!!普段は翔鯨丸が出てくる浅草の仲見世から見慣れぬ飛行機が飛び立っていくので、帝都市民の人達も興味深く眺めている。

しばしの間、さよなら、日本!4日後に帰ってくるからな…!

「――機内食はいかが致しますか?和食・洋食・中華からお選び頂けます」

「機内食か…。へぇ、飛行機では駅弁とか買う必要がないんだな」

「そうよ。フライトアテンダントさんがいつもこうしてまわってきてくれるの。――私は和食がいいわ。大神君とかえではどれにする?」

「私は洋食でお願いするわ」

「じゃあ、俺は中華で」

「かしこまりました。すぐにお持ち致しますので、ドリンクの方をどうぞ」

「ありがとうございます。何から何まですみません…」

「フフ、それが私達のお仕事ですから」

「ふふっ、雑用やるのはいつも自分ですものね」

「もう職業病ね」

「はは…、かもしれませんね」

「あっ、――すみませ〜ん!ビールもお願いできるかしら?」

「〜〜か、かえでさん…、着く前に泥酔してしまいますよ…?」

「ふふん、いいじゃない。せっかくのハネムーンなんだし…!」

「ふふっ、それもそうね。――すみませ〜ん、私にもビールを…!」


〜〜あ、あやめさんまで…。二人とも酔っ払ってしまったら、俺一人で介抱する羽目になるんだぞ…?

「かんぱ〜い!」「かんぱ〜い!」

俺の心配などどこ吹く風とばかりに、あやめさんとかえでさんは大好きなビールを、酒の苦手な俺はウーロン茶を飲み、喋っていると、お待ちかねの機内食が到着した。

「わぁ、サイコロステーキだわ…!」

「この煮物も美味しい〜!さすがラチェットお抱えのシェフねぇ…!」

「このシューマイも最高ですよ。食いますか?」

「本当?じゃあ、少し頂けるかしら…?」


と、あやめさんは新しいのではなく、わざわざ俺の食べかけのシューマイを食べた。

「本当に美味しいわねぇ…!大神君の味もするからかしら?うふふっ!」

あやめさんと間接キスかぁ…。あやめさんに片思いしていた頃にこんなイベントがあったら、嬉しすぎて、失神してたかもな、俺…。

だが、それにムッとしたのはかえでさんだ。かえでさんはエビフライを一口かじると、それを俺の口に押し込んだ。

「ふふっ、どう?私の味がして、美味しいでしょ?」

「う、美味いは美味いですけど…」


か、かえでさんとも間接キスしてしまった…!黒鬼会と戦っていた頃の青二才だった俺なら、やっぱり嬉しすぎて、失神してたろうな…。色々経験を積んで、俺も大人になったものだ…。

「んもう、かえで!大神君が困ってるでしょ?」

「あら、私はおかずの交換をしただけよ?――代わりに、大神君の(食べかけの)餃子、頂くわね…!」

「なら、お礼に私の(食べかけの)ちまき、あげるわね、大神君!」

「〜〜は、はい…」


俺の両隣りであやめさんとかえでさんが俺の食べかけを巡って箸を闘わせている…。しかも、こちらに体を向ける度に良い匂いがして、時々当たる二の腕や胸の柔らかい感触も心地良い…。

あぁ、やっぱり、ハネムーンは最高だ…!高嶺の花と謳われた藤枝姉妹をよくオトした、俺…!!自分で自分を褒めてやりたい気分だ…!!

「――見て、大神君!ほら、雲があんなに近くに…!」

「わぁ…!俺達、本当に空を飛んでるんですね…!今、高度ってどれくらいあるんだろうな…?」

「記念に撮っておきましょうよ!えっと、『とれるんですくん』は…」

「〜〜あ〜、失敗したわ…。お弁当も食べる前に撮っておけばよかったなぁ…。綺麗だったのに…」


そういえば、俺達だけで旅行なんて、これが初めてかもしれないな。いつもなら、花組の皆もいるから、もっと賑やかだ。けれど、たまには夫婦(2組)水入らずでのんびり休暇というのもいいものだよな。

今から俺達が向かう『ホーリー・アイランド』は地球の南半球にあり、英語圏に属する小さな島だ。すみれ君の話によると、世界中のセレブ達も御用達の人気リゾート地らしい。

元々はキュピピ族と呼ばれる民族だけが住む島だったが、アメリカの大企業が買い取り、リゾート開発を進めるうちに、様々な国籍の観光客が出入りするようになった。さくら君が言っていたように、神崎グループもリゾート開発に一役買っていて、日本を代表するブランドや人気寿司チェーン店を島に出店させる手助けも行っているらしい。やることが幅広いなぁ…。さすがは天下の神崎グループだ…!

しばらくして、シートベルトを外してもいいという合図のマークが出た。どうやら、機体と高度が安定したらしい。

「本日のフライトは15時間を予定しております。目的地到着まで、お好きなお部屋でおくつろぎ下さい」

たった15時間で外国に行けてしまえるなんて、すごい世の中になったものだ。船なら最低1ヶ月はかかるのにな…。

「色々な部屋があるみたいですね。ちょっと探検してみましょうか?」

「そうね。ずっと座ったまんまじゃ、足の血行が悪くなっちゃいそうだし…」


俺達は座席を離れ、機内にある施設を見て回ることにした。


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