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「大神と藤枝姉妹のセクシー旅行記〜ダブル・ハネムーン編〜」
〜2日目・夜・その4〜
窓が割れる音とゾンビ達のうめき声にあやめさんとかえでさんも目を覚まし、恐怖で顔をひきつらせた。
「きゃああああ〜っ!!」「きゃああああ〜っ!!」
「『ちっ、人がお楽しみ中だってーのに邪魔してんじゃねぇよ…!』」
(さぁ、約束だ…!ゾンビ達を焼き払ってもらうぞ!)
「『…わーったよ。――だが、まだ霊力が充填しきれてないんでね…!』」
「え…っ?〜〜きゃあああっ!!」
ジャックは俺の体に命令すると、かえでさんを貫いたまま上半身を抱き起こし、自分も激しく腰を突き上げた…!かえでさんの女穴にさらに俺のジュニアが奥まで深く入り込む…!!
「ひいいいいいい〜っ!!」
かえでさんは白目をむきながら俺の体に腕を回したまま、背中を大きく反らした…!
「〜〜かえで…!!」
「『へへっ、いいぜ〜!どんどんイキなぁっ!!』」
(〜〜おい、かえでさんをどうするつもりだ…!?)
「『決まってんだろ?俺の霊力が満タンになるまでヤり続けるんだよ!』」
(〜〜いぃっ!?あれだけヤってもまだ足りないって言うのか…!?)
「『しゃあねぇだろ?俺は生前、あんたらと違って、霊力なんてこれっぽっちもなかったんだからよ…!』」
「――ウガアアアアッ!!」
「〜〜きゃああああ〜っ!!」
「『おい、姉さん!ゾンビのエサになりたくなかったら、さっさと腰を振れ…!!』」
「〜〜そ、そんな…っ!んはっ、あはぁぁっ!!うぅ〜…」
「『チッ、仕方ねぇな。俺も手伝ってやるよ…!』」
俺の体に憑依しているジャックは、かえでさんの背中を壁につけると、自ら腰を激しく振り出した…!
「あああああああっ!!お…がみ…く…っ」
「そ〜そ〜、俺は大神だ。――ほら、よく見ろ。お前の愛しの旦那様だ」
「はぁはぁ…、あぁ〜ん、いいわぁ、大神君…!うふふっ、もっと激しくしてぇ」
「『了解!――オラァァァァッ!!』」
「あああああ〜んっ!!すっごく気持ちいいわよ、大神君…!!」
かえでさんはジャックの腰の動きに合わせるように、涙を流しながら自らも率先して腰を動かし始めた。
「『へへ、気持ち良すぎて頭がとろけてるみたいだな。兄ちゃんに本当に抱かれてると錯覚してるみたいだぜ?ま、そっちの方が好都合だけどよ』」
「――ウガアアア〜ッ!!」
ゾンビ達が俺達に寄ってくるのをあやめさんが戦って防いでくれる。
「〜〜長くは持たないわ…。今のうちに早く…!」
「『へへっ、わーってるって!――うおぉ〜!いい感じに霊力が高まってきたぜぇ…!!』」
「ふふふっ、大神くぅん…」
俺に抱かれていると錯覚し、夢うつつのかえでさんは、俺の舌に夢中で舌を絡ませながら腰を振り続ける。
「『うは〜、たまんね〜な、こりゃ…!このままずっとヤってたいぜ♪』」
(〜〜馬鹿を言うな!そろそろ霊力が充填できたみたいだな!頼むぞ…!!)
「『ちぇっ、兄ちゃんはいいよな。これからも好きな時にこの姉さん姉妹とヤれるんだからよ…』」
(〜〜いいから早くしろっ!!)
「『…はいはい』」
「――きゃああっ!!」
反撃を食らって倒れ、無防備になったあやめさんにゾンビ達は一斉に襲いかかった…!
「〜〜いやあああ〜っ!!」
(〜〜あやめさん…っ!!)
「『――んじゃ、そろそろいきますか…!〜〜く…っ!』」
「〜〜ひ…っ!――ああああああああ〜っ!!」
(――うおおおおおおおおおっ!!)
ジャックと俺とかえでさんが同時に達すると、ジャックの霊体から大量の霊力が放出された…!それは一筋の光となって、まっすぐ夜空を突き抜けていき、ぽっかり浮かぶ満月より何倍も大きなジャック・オー・ランタンを島の上空に召喚した…!!
「〜〜な、何なの、あれは…!?」
「どっかの企業のアドバルーンじゃないか…?」
「馬鹿野郎!あんなでっけぇのがあってたまるか…!!」
街の中心部に避難していたハロウィーンコンテストの参加者達も、カボチャの巨大お化けが空に浮かんで島を見下ろしているという、ありえない光景に度肝を抜かれていた…!
「『――おらぁぁぁ!!ぶっ放せぇぇぇぇっ!!』」
ジャックに憑依された俺の命令で、巨大なジャック・オー・ランタンは、蟻のようにちっぽけなゾンビ達に目・鼻・口から激しい炎を噴射した…!!
「ギャアアアア…!!」
燃え盛る炎に逃げ惑うゾンビ達をしらみつぶしにジャック・オー・ランタンは焼いていく…!!ゾンビの腐敗した体が焼き焦げていく悪臭や黒い煙が店の中にも充満してきた…!
「避難しましょう…!」
俺とあやめさんとかえでさんは、鼻と口を押さえながら姿勢を低くして、手探り状態でありながらも何とか外に避難することができた…!
ゾンビ達を焼いていく神秘的な炎の赤々しさが夜空に映える。日常からかけ離れた異常で哀しい光景だが、どこか美しいと思ってしまったのは、ジャックに乗り移られたせいで俺の感覚がおかしくなっているのだろうか…?
「『――成仏しろよ…。お前らはちゃんと天国に逝けるんだからな…』」
俺の瞳を通して同じ光景を見つめていたジャックの呟きも切なさを帯びていた…。
すると、無数の光の玉がまるで蛍のように白く輝き、浜辺を美しく照らし始めた…!
「あれは…!」
「生贄になった女性達の魂ね。やっとノーマから解放されて、自由になれたんだわ…」
「ちゃんと成仏できるといいけど…」
「きっと大丈夫よ。――ほら…!」
ゾンビ達のおぞましい黒い煙と共に美しい女性達の魂は夜空に舞い上がっていった…!
「きれ〜い…!」
「まるで流星群ね…!」
たくさんの光輝く魂達が空高くのぼっていき、辺りに漂っていた異臭が消える頃には、真っ暗だった空はだんだん白じんで明るくなっていた。
ゾンビ達の死体は灰になり、海の彼方へと風に乗って飛んでいった。
役目を終えると、巨大なジャック・オー・ランタンは消え去り、ブルー・スターダスト・ビーチはいつもの平和で美しい風景に戻った。
――もう夜明けだ…。昨晩の騒動が嘘のように辺りは静寂に包まれている…。
「『〜〜ふぅ…。ったく…、こんなんじゃ、いくら霊力があっても足りねぇっつーの!』」
「〜〜いくらノーマの刺客とはいえ、可哀想なことしちゃったわね…。彼女達は皆、ノーマの生贄になった犠牲者だったのに…」
「…仕方ないわ。ゾンビは夜明けに自分の墓に戻る習性があるけど、その墓もないようじゃ、どっちみち、太陽の光を浴びて焼け死んでたわよ…」
(〜〜くそっ、ノーマめ…!)
俺が心の中で再び闘志を燃やしていると、ふ…っと俺の体からジャックの幽体が離れた。
急に自由を取り戻した体に戻った俺はつんのめり、思わず転びそうになった…!
「どうしたんだ、ジャック…?」
ジャックは今まで見せたことのないほど真剣な顔で一人のゾンビの死体にゆっくり近づいていた。
どうにか原形をとどめているそのゾンビの額には独特の刻印があった。日本でいうところの反魂の術…。ブードゥー教に似た、この島独自の死者の蘇らせ方で蘇った印なのだろう。
俺達もそのゾンビに近づき、ジャックと共に覗き込んだ。
「このゾンビだけ…、どうして灰にならなかったんでしょう…?」
「どうしてかしら…?また動き出すと厄介だし、完全に焼き払ってあげましょう」
「そうね…。散骨して、海に還してあげましょう」
すると、俺はある物に目が留まった。ゾンビの左手の薬指に焼け残った指輪がはめられていたのである。
「もしかして…、このゾンビ、サラさんなのか…!?」
『……さぁな…?確かに俺がやった指輪に似てるけど…、遺体は真っ黒に焦げてるから、わかんねぇ…』
「きっと、灰になる前に自分はここにいると君に伝えたかったんじゃないのかな?最後の力を振り絞って…」
『フッ、そんなわけあるかよ…。ゾンビになったら、自我も人間だった頃の記憶も失くなっちまうんだぜ――!』
言いかけ、立ち上がったジャックは、ふっと背中に温かい感覚を感じた。
霊力のある俺達には見える…。サラさんの幽霊がジャックの背中を抱きしめているのだ…!
『――ありがとう、ジャック…』
『サ…ラ…?』
サラさんの幽霊は微笑むと、ジャックの唇にキスをして、ゆっくり光の中に消えていった…。
『サラ…!〜〜待ってくれ、サラ…!!サラァァァ…!!』
報われなかった愛と感謝の気持ちを愛しい人に伝えることができた為か、サラさんの光輝く魂は仲間達の後を追って無事に天に召され、ゾンビになってしまった肉体も全て灰となり、朝日を浴びてキラキラ輝きながら、空高く舞い上がっていった…。
『サラ…、〜〜ちくしょう…っ!ちくしょぉぉぉっ!!』
「〜〜ジャック…」
サラさんの灰は全て海の彼方へ飛んでいき、後には指輪だけが残った…。
『……そいつはお前が持っててくれないか…?』
「けど、これはサラさんの形見なんだろ…?」
ジャックは苦笑し、透けた指で指輪に触れようとしたが、掴めなかった。
『俺は幽霊だ。憑依しない限り、物に触れることなんてできねぇんだよ…。――そんな物一つなくったって、俺のここにはサラとの思い出がたくさん詰まってる…。それで十分だ…』
「ジャック…」
『へへっ、それにノーマ討伐隊のお前らが持ってた方がサラも喜ぶと思うしな。――色々ありがとな…。こんな最低な俺に力を貸してくれてよ…』
「あなたは最低なんかじゃないわ」
「そうよ。本当に最低だったら、私達を助けたりなんてしなかったはずだもの」
『へへっ、ただお前らの体が目当てだっただけかもしれねぇぜ?』
「それだって、最後にはこうして俺達に協力してくれたじゃないか。こちらこそありがとう、ジャック」
『フッ、ったく…、優等生君はどこまでお人好しなんだかねぇ…』
すると、ジャックの前にブラックホールのような異次元の穴が出現した。
『――時間みたいだな…。ハ〜ァ、ハロウィンも終わっちまったし、来年の10月31日までまた旅に出ろとさ…』
「そのループから抜け出せる方法はないのか…?」
『ま、神や地獄の王でもない限り、無理だろうな…。因果応報って奴だ。生前の罰はちゃんと受けなくちゃな…』
「〜〜ジャック…」
『なぁに、来年また来るよ。島中カボチャだらけになるほど、俺ってここじゃスタァだからな♪――兄ちゃんも俺みたいなイケナイおじさんになっちゃダメだぜ?美人姉妹のハニー達をいつまでも大切にな…!』
「あぁ、もちろんだ…!」
「さようなら、ジャック」
「良い旅を…!」
『サンキュ!必ずノーマを仕留めてくれよな…!』
「あぁ、サラさんの為にも必ず…!」
「〜〜きゃああっ!?」「〜〜きゃああっ!?」
『へへっ、あんたらも最高だったぜ♪――そんじゃあな〜!』
ジャックはあやめさんとかえでさんの尻にタッチした手を振りながら、あの世へ繋がる異次元の穴の中へ消えていった…。
「〜〜最後まで油断ならない男だったわね…」
「はは…、嵐が去りましたね…」
「ふふっ、――いつか天国でサラさんと再会できる日が来るといいわね」
「そうですね…」
朝日が水平線から顔を出し、島中を明るく照らしていくのを俺はあやめさんとかえでさんの肩を優しく抱き寄せ、見守った…。
こうして、俺達のハネムーンは3日目に突入した…!
3日目に続く
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