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「大神と藤枝姉妹のセクシー旅行記〜ダブル・ハネムーン編〜」
〜2日目・夜・その2〜
「――ふふっ、ハ〜イ♪」
セクシー&キュートな大和撫子姉妹の登場に、観客は『うおお〜っ!!』と熱く盛り上がった…!!拍手して手を振る者、写真を撮る者、ピーピーと指笛を鳴らす者…。ステージに上がる前はドキドキしていたが、観客と審査員の評判は上々のようだ。
ホッと胸を撫で下ろしてると、いきなりボサノバ調の音楽が流れてきた。
「な、何だ…!?」
「あら、言ってなかったかしら?これってダンスの審査もあるのよ」
「〜〜いぃっ!?あるのよって…、全然練習してないじゃありませんか…!」
「ふふっ、大丈夫よ。――私に合わせて、ステップを踏んでみて…」
と、あやめさんは俺を色っぽく見つめながら、体を寄せてきた。
――むにゅ…っ!あ、あやめさんの胸が当たってる…!!
「ふふっ、その調子よ、大神君♪」
あやめさんは俺の背中に手を回すと、情熱的な音楽に合わせるように腰と下半身をセクシーに俺にすりつけてきた…!
それを見た客席は『おぉ〜っ!!』と興奮し、さらに盛り上げてくれる。これは期待に応えないとな…!
「――行きますよ、あやめさん…!」
「あんっ!ふふふっ♪」
俺はあやめさんを抱き寄せると、頬に手をあてて見つめ合い、静かに…、だが情熱的に腰を振り、リズムに乗って愛の炎が燃え盛るダンスをあやめさんと踊り続ける…!
「ふふっ、とっても上手よ。さすがは大神君ね…!」
「あやめさんがリードして下さっているお陰ですよ」
「ふふっ、褒めるのが上手いんだから。――さぁ、フィニッシュよ…!」
「はい!」
背中を反らすあやめさんを俺は抱きしめて支えながら回転させ、華麗にフィニッシュを決めた…!客席からは拍手と歓声が割れんばかりに聞こえてくる…!!
「よし、決まったぞ…!――おわ…っ!?」
「ふふっ、今度は私とね、大神君♪」
後ろから抱きついてきたかえでさんが俺の頬を撫でた直後、音楽が激しいロックに変わった。
――ぷるん…っ!あぁ、今度はかえでさんの胸が俺の背中に…!!
「ほら、ボサッとしてないで踊るわよ!」
「ハハ…、了解!」
俺はかえでさんと向き合ってツイストしながら、ボーカルがシャウトするのに合わせて軽快にステップを踏んでいく。
「ふふっ、やるじゃないの…!」
「はは…、かえでさんのダンスも最高ですよ!」
「ふふっ、ありがとう。――さぁ、見せ場よ!しっかりサポートしてね!」
かえでさんは連続バック転を決めると、俺のアシストでジャックナイフに成功し、ひねりを加えて華麗に着地した!
かえでさんのアクロバットが成功すると、客席はさらに盛り上がりを見せた…!!
「やりましたね、かえでさん!」
「ふふ、優秀な助手君のお陰よ♪――さぁ、フィニッシュも決めるわよ!」
「了解!」
俺がかえでさんをお姫様抱っこしようとしたその時、あやめさんがかえでさんを後ろから抱きしめた。
「ふふっ、姉さんを忘れちゃイヤよ♪」
「え…?〜〜きゃああっ!?」
あやめさんはそのまま、かえでさんの胸を鷲掴みにして、揉みしだいた。
「OHHHH〜!!」
セクシーすぎるサプライズな展開に客席も一気にヒートアップだ…!
「〜〜ちょ…っ、姉さん、やめてったら…!」
「ふふ、黒猫は魔女のペットなのよ?主人の私がどうしようと勝手でしょ?」
「〜〜やぁ…っ!ああんっ、そこはダメぇぇ…!!」
「うふふっ!可愛いわよ、私の黒猫ちゃん♪ほら、皆さんの前で素直に気持ちいいって認めちゃいなさいな」
「ふふっ、己の変態ぶりを見知らぬ土地の皆様に見せびらかす気かしら?」
「あら、それはあなたの方でしょ?――主人に忠誠を誓わない悪いネコちゃんにはおしおきが必要ね…!」
あやめさんは一転して目を鋭くすると、SMショップで買った鞭でかえでさんを狙った。だが、かえでさんは見切り、バック転でそれをよけた!
「逃がさないわよ…!――はああああっ!!」
あやめさんの激しい鞭攻撃をかえでさんはよけ続け、鋭い爪で反撃を試みるが、あやめさんも宙返りしてそれをよけ、再び熱いバトルを始める!
「〜〜あ…、あの…、あやめさん…?かえでさん…?」
「フフッ、なかなかやるわね…!」
「ふふっ、姉さんこそ…!」
ジャパニーズ・ビューティー二人の本格的なアクションに観客も審査員も大盛り上がりだ!
〜〜二人とも、ああ見えて負けず嫌いだしな…。目も本気だし…。怪我する前にやめさせないと…!
「ふ、二人とも…!いい加減に…〜〜って…うわ…っ!?」
「〜〜あ…っ!」
立ち位置を考えずにむやみに前に出てしまった俺は、あやめさんの鞭に当たりそうになった…!
「〜〜大神君…っ!」
俺を突き飛ばしてかばい、体勢を崩したかえでさんの一瞬の隙をあやめさんは見逃さなかった…!
「あっはははは…!!私の勝ちよっ!!」
さすがは魔女と言うべきか、あやめさんの操る鞭が蛇のように動き、黒猫のかえでさんの体に命中した!――バシーンッ!!
「あああああんっ!!」
「OHHHHHH〜!!」
かえでさんが攻撃されるのを待ってましたとばかりに、客席はさらに盛り上がった!
一度当たってしまったら、鞭地獄からはもう逃げられない…!
かえでさんは連続であやめさんに背中と尻を鞭で叩かれ、苦痛に顔をゆがめながら九の字に体を曲げ、その場に崩れ落ちてしまった。かえでさんは体を震わせながら額を床に擦りつけ、鞭で叩かれる度に尻を高く突き上げる…!
「ひぃっ!!あうっ、あはああ〜んっ!〜〜魔女様ぁ、どうかご慈悲を…っ!!」
「うふふ、馬鹿な娘。素直に従っていれば辱めに遭わずに済んだものを…」
さすが帝劇の舞台を何度か経験しているだけあり、あやめさんもかえでさんも魔女と黒猫にそれぞれ完ペキになりきっている…!
「おしおきはまだ終わりじゃないわよ?――さぁ、皆様にその卑しい体を見せておあげなさい…!」
「〜〜いやあああ〜っ!!」
あやめさんは背後からかえでさんの胸のチャックを開けた。ぴっちりしたボディスーツからかえでさんの豊かな乳房が解放され、ぽよんっと音を立てるように露わになった…!
「OHHHH〜!!」
「〜〜あぁぁ…、大神君以外の人に見られちゃったわ…。ぐすん…」
「うふふっ、さぁ、その可愛いお尻も見せて差し上げなさい」
「はい、魔女様…」
〜〜まずい…!二人とも夕飯の時にワインをガンガン飲んでたから、絶対、酔っ払ってるんだ…!!
「〜〜ふ、二人とも…!もうその辺で…――あ…!」
俺が再度やめさせようと踏み込んだその時、俺は慣れない革靴で足を滑らせ、その拍子にあやめさんのロングドレスを掴んでビリビリに破いてしまった…!
「きゃああああっ!?」
「OHHHH〜!!」
「YES!!YE〜S!!」
衣装が破れてしまったあやめさんの黒いセクシーなランジェリーが露わになり、あやめさんは慌てて体を隠しながらうずくまった…!
「いやああ〜ん!!〜〜んもう、大神君…!?」
「〜〜す、すみません…!!そんなつもりでは…」
「どうしてくれるのよ…!?せっかく良い調子で進んでたのに…」
な、何でかえでさんまで怒ってるんだ…?
「あっ、まさか即興で芝居を…!?」
「えぇ。セクシー路線の方がポイント高いって聞いたから、直前に姉さんと打ち合わせしてね…。大神君にも教えておこうと思ったんだけど、トップバッターで回ってきちゃったから、言い出せなくて…」
「ごめんなさいね、勝手に…?途中でやめようと思ったんだけど、お客様のノリも良いし、私達二人とも女優魂に火が点いちゃったみたいで…!うふふっ♪」
「ホ…ッ、なんだ…。俺、酔っ払って、本気で喧嘩し始めたのかと――」
――ゴーン…。ゴーン…。
古びて音がこもった鐘の音が夜のビーチに突如、響き渡った。
「な、何だ…?」
俺達・観光客だけでなく、地元の人達も不思議そうに顔を上げた。
鐘の音は普通、心を清らかにするものだが、この不気味な音は逆に不快感を与え、人を恐怖の底へ突き落す…と表現した方がいいかもしれない…。
まるで不吉なことが起こる序曲のような…。
「時計塔のようだけど…。あんなの、昨日の夜は鳴ってたかしら…?」
「いいえ…。大体、この島に時計塔なんてあったかしら…?」
「レジェンド・パークの資料によると、昔はあったみたいですよ。マイアとメイミがノーマを倒した時に激しい争いに巻き込まれて壊れてしまったみたいですが――」
「――キャアアア〜ッ!!」
その時、女性の悲鳴が客席の後方から聞こえてきた…!
そちらを見やると、ボロボロの服を着て、肌が褐色の若い女性のゾンビの集団がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。
「な、なんだ、仮装グループか…」
「さっきのレストランと演出がカブってるわね。きっと、ウェイトレスが着まわしでもしてるのね」
「でも、さっきのよりリアルじゃない?特殊メイクでもしてるのかしら?」
本物そっくりの迫力に一度は息を呑んだ観客達だったが、優勝の本命である集団の飛び入り参加に熱狂し、歓声を沸かせた…!
そして、興味を持ったのか、観光客と思われる白人男性がカメラを構えながら前に出て、写真を撮った。
――パシャッ!
フラッシュの眩しさに女ゾンビの一人は唸ると、その男性をギロッと睨みつけ、ノコギリのような歯をむき出しにして、彼の肩に噛みついた…!
「うわあああっ!!」
女ゾンビ達はまるでハイエナのように彼に群がり、肉を食らい始めた。何の仕掛けもないその衝撃の光景に一瞬の沈黙をおいて、あちこちから悲鳴が飛び交った…!
「〜〜ほ、本物の化け物だ〜っ!!」
「〜〜いやあああ〜っ!!」
「〜〜助けてくれぇ〜っ!!」
観客はもちろん、司会者も審査員達も一目散に逃げ出した…!
「〜〜か…、彼女達は一体…!?」
「さぁね…?人肉を食べる民族ならまだいいんだけど…」
カメラマンの男が息絶えると、女ゾンビの集団は首だけを180°回転させて、俺達を見つけてニヤッと笑った…。
「……残念ながら、違うみたいよ…?」
「――ウガアア〜ッ!!」
「来ます…!」
「行くわよ…!――はあああああっ!!」
「やあああああっ!!」
合気道と護身術をそれぞれ得意とするあやめさんとかえでさんは、襲ってきたゾンビの腹に同時に拳を突き入れた…!ゾンビは真っ黒な血を吐くと、うつ伏せに倒れた。
「人間かもしれないから、手を抜いてみたけど…」
「えぇ、腐った肉の感触がしたわ…。〜〜本物のゾンビみたいね…」
「この島には、ブードゥー教の信者でもいるのでしょうか…?」
俺達が話していると、あやめさんとかえでさんに腹パンチを食らったゾンビが何事もなかったように起き上がってきた…!その後ろからも俺達3人を狙って、次々と女ゾンビ達が迫ってくる…!!
「〜〜不死身の相手か…。手強そうね…」
「とにかく、一般人が全員逃げ切るまで食い止めましょう…!」
「了解しました!」
すると、あやめさんが何かに気づいた。ゾンビの女性全員が首から十字架のネックレスを下げているのだ…!
「あのネックレス…、昨日のマイアとメイミの幽霊もしてたわよね…!?」
「そういえば…!〜〜もしかしてこの人達…、ノーマの生贄になった人達なんじゃないかしら…!?」
「――ウガアアアッ!!」
女ゾンビ達は口の端まで裂かれた大きな口を開け、俺とあやめさんとかえでさんに飛びかかってきた…!
普段の鍛錬の成果を発揮すべく、俺達は空手や合気道、護身術等で返り討ちにする!だが…、
「〜〜くっ、数が多すぎるわ…」
倒しても倒しても、次から次に別のゾンビ達がやってくる。しかも、倒れたゾンビもしばらくすると、また復活して襲いかかってくる…。
〜〜これではきりがない…!俺は懐から護身用の銃を出すと、ゾンビ達の頭めがけて発砲した。
――ズギューン…!
額を撃ち抜かれたゾンビは倒れ、動かなくなった。どうやら、ゾンビが頭を撃ち抜かれると死ぬという伝説は本当らしい。〜〜ホラーの活動写真、観ておいてよかったな…。
だが、喜んでいる暇はない。所持している銃弾の数は今いるゾンビ達よりはるかに少ないので、むやみに使えない…。〜〜使いどころを考えないとな…!
「はぁはぁ…、〜〜ナイフで刺しても大したダメージにはならないわね…」
「けど、敵の動きを止めるには丁度良いですよ…!」
「――ハッ、そうだわ…!――大神君、さっきの聖剣を…!」
「あっ、はい…!」
俺は鞘に見立てた袋から聖剣を取り出して構えたが、柄を握った直後、刀身がふにゃんと曲がってしまった…!
「〜〜な…っ、何でだ…!?」
「〜〜貸してみて…!」
あやめさんとかえでさんも持ってみたが、俺が持った時と同じように刀身がゴムのおもちゃのようにふにゃふにゃになってしまった…!
「〜〜これじゃあ、使い物にならないわね…」
「〜〜やっぱり、キュピピ族の族長の血を引く者じゃないと扱えないのかしら…!?」
俺達が動揺している間にも、ゾンビの集団はジリジリと迫ってくる…!
彼女達全員をこのまま3人だけで相手にし続けるのは到底無理な話であり、労力を浪費するだけだ…。
「〜〜くっ、どこか隠れられそうな場所は…――!?」
『――イヒヒヒッ!逃げるつもりか?弱虫どもめ…!』
その時、俺達の耳元でノーマの憎たらしい声が響いてきた…!
「〜〜ノーマ…!?」
「どこにいるの…!?姿を見せなさい!!」
『グフフ…、残念だが、復活したばかりで肉体を思うように動かせなくてなぁ。代わりにそいつらを刺客として送り込んでやったというわけさ…!』
「〜〜やはり、あなたの仕業だったのね…!?」
『フフフフ…、そいつらに狩られるのも時間の問題だ。性奴隷として散々、仕えた後、無残に海に捨てられた雌豚どもの執念は恐ろしいからなぁ…!』
「〜〜何ですって…!?」
『グハハハハ…!!恨みと憎しみのあまり我を失い、魂は成仏できずにそこら辺をうようよしておるぞ?死んだ後も我に利用されて、嘆き悲しんでおるみたいよのぉ…!ガッハハハハ…!!』
「〜〜ひどすぎるわ…!」
「〜〜何が神よ…!?やってることは悪魔と変わらないじゃない!!神の称号を剥奪されて当然だわ…!」
「絶対に許さないぞ、ノーマ…!!生贄にされた女性達の魂は俺達が救ってみせる…!!」
『クククッ、一体どうやって?お前達にできるのは、せいぜい頭をブチ抜くぐらいだろ?そんなことをすれば、余計に奴らは怒りかねんぞ?』
「〜〜そ、それは…」
『フハハハハ…!所詮、人間など神には及ばんのだ!!――若造、おとなしくその姉妹をよこせ。さすれば、ゾンビ共を撤退させてやってもよいぞ?』
「〜〜そんなこと、絶対にさせるものか…!!あやめさんとかえでさんは命に代えてもこの俺が守る…!!」
「大神君…!」「大神君…!」
『フフ…、口だけは達者みたいだなぁ。――ム…?』
「〜〜うええ〜ん…!パパぁ、ママぁ、どこにいるのぉ〜?」
両親とはぐれたのか、天使に仮装した小さな女の子が浜辺にしゃがんで泣いていた。〜〜まずい…!あのままではあの子が…!!
『ククク…、まるで本物の天使のように可愛らしい娘だ…!成長すれば、さぞかし美しい奴隷になるであろう…!!』
「〜〜危ない…!!」
俺はゾンビ達が伸ばしてきた腕が女の子に届く前に、その子を抱き上げ、避難させた。だが、振り向いた方にもゾンビ達が…!
「〜〜しまった…!」
「ガアアアアッ!!」
「――はああああっ!!」
襲ってきたゾンビ達をあやめさんが合気道で撃退してくれた!
「助かりました…!」
「ふふっ、間一髪だったわね。――さぁ、早く逃げて…!」
「お兄ちゃん達は…!?」
「このゾンビ達を何とかしてからね。なるべく人がいる場所へ逃げるんだ!いいね…!?」
「うん、どうもありがとう…!気をつけてね…!?」
女の子は心配そうに顔を曇らせながらも、懸命に街の方へ走っていった。
『〜〜チッ、邪魔をしおって…!許さんぞ…!!』
ノーマが怒りで声を震わすと、それに反応するようにゾンビ達は一層気性が荒くなり、今度はかえでさんに的を絞って襲いかかった…!
「きゃあああ〜っ!!」
「〜〜かえでさん…!!」
かえでさんに触れそうになったゾンビの額を俺は銃で撃ち抜いた…!
「大丈夫ですか…!?」
「えぇ、ありがとう、大神君…!」
すると、別のゾンビの集団があやめさんにターゲットを絞り始めた…!
「きゃあああ…!!」
「〜〜あやめさん…!!」
「姉さん…!!」
俺とかえでさんは浜辺に流れ着いていた流木を刀の代わりに振り回し、あやめさんに加勢する!
「助かったわ、二人とも…!」
「お互い様ですよ」
すると、先程ゾンビ達に食い殺され、倒れていたカメラマンの男がいきなり、あやめさんの足首をガシッと掴んだ…!
「え…っ?」
「――ウガアアアアッ!!」
「きゃあああ〜っ!!〜〜あはああっ!!」
ゾンビとなって甦った男は、あやめさんを片手で持ち上げ、砂浜に叩きつけた。
「〜〜あやめさん…!!」
「〜〜い、いや…!来ないで…!!」
あやめさんは男のゾンビを魔女のブーツで足蹴にしたが、ゾンビには大して効果はなく、そのまま押し倒された…!
「〜〜いやあああああっ!!やめてぇぇっ!!」
あやめさんは恐怖に顔をひきつらせ、足をバタつかせながら泣き喚いた。
ぐちゃあっと肉が削ぎ落ちている血だらけの手で男のゾンビはあやめさんの胸を揉みしだく。
「あぁっ!?〜〜いやああっ!そ、そんなことしちゃダメぇ…っ!!」
『くくくっ、殺されて間もない故、まだ人間の本能が残っているようだな。そのままゾンビに犯されるのも悪くなかろう』
「〜〜ひいいっ!いやああっ!!気持ち悪い…っ!!助けてぇっ、大神君…!」
「〜〜やめろぉぉっ!!」
俺は、尚もあやめさんにセクハラを続けようとした男のゾンビを羽交い締めにし、あやめさんから引き離した。
「〜〜今のうちに…!」
「ありがとう、大神君…!」
しかし、相手はモンスター。並外れた怪力で俺の腕をほどき、振り返って噛みつこうと大口を開けてきた…!
「〜〜うわあ…っ!!」
そこへ間一髪、かえでさんが護身術で男のゾンビを撃退してくれた!
「ふふっ、これで借りは返したわよ」
「ありがとうございます…!」
だが、奴らは何度やられても何度でも起き上がってくる…。そして、やられる度に険しい形相になって、俺達に猛攻撃してくる…!ゾンビ達は俺とかえでさんの背後からも迫ってきていて、俺達は3人とも囲まれてしまった…!!
「〜〜や…っ!こ…、来ないで…っ!!」
かえでさんはナイフと流木を振り回して応戦するが、何度でも起き上がってくる不死身の死体達に成す術がなくなってきたようだ…。
「〜〜ど、どうすれば…〜〜あぁん…っ!?」
ゾンビの一人がかえでさんの髪を引っ張ると、違うゾンビがかえでさんの両足を広げたまま肘で抱えた。まるで親が幼い娘に用を足させる時のようなポーズに、かえでさんは羞恥心と恐怖で両手で顔を覆って泣き叫んだ。
「〜〜いやあああああっ!!見ないでぇぇっ!!」
「〜〜かえでさん…っ!」
すると、海に渦が現れ、その中央からノーマが半分顔を出した…!
「あれがノーマの実体なのか…!?」
「〜〜なんて大きさなの…!?」
『くくくっ、深夜は霊体が最も活発に動ける時間帯なのでなぁ。――さぁて、久し振りに獲物の物色でもするとしようか…!』
ノーマはくねくねした触手を海中から出すと、素早く振り下ろし、かえでさんのボンテージスーツを胸元から股間までまっすぐに引き裂いた!
「きゃあああああっ!!」
体は傷ついていない。服と下着だけが綺麗に引き裂かれ、かえでさんの豊満な肉体が露わになった。
かえでさんは触手の衝撃に口角から泡を吹き、白目をむいて失神してしまった。
『グフフ…、思った通り、新たな生贄にふさわしい見事な体じゃ…!姉の方も同じように我の宮殿へ連れて参れ…!!』
「ウガアアアッ!!」
ゾンビ達はノーマの命令に従い、今度はあやめさんに襲いかかった…!
「きゃああ〜っ!!」
「〜〜させるかぁっ!!」
俺は温存していた銃をあやめさんに飛びかかろうとしたゾンビの額に一発、さらに、かえでさんをノーマに捧げようとしたゾンビの額に一発食らわせ、二人を救出した。
俺がかえでさんの肩にグッと気を入れ直すと、かえでさんはハッと意識を取り戻した。
「大丈夫ですか…!?」
「〜〜えぇ、何とかね…」
『〜〜何をしておる…!?さっさとその女どもを捕えぬかっ!!』
ノーマが怒り、ゾンビ達はさらに血眼になって俺達を襲ってくる…!
俺は近づいてくるゾンビの額を撃ち抜いたが、すぐに弾切れになってしまった…!
「〜〜くそ…っ、もう弾が…!」
「街まで逃げましょう…!ゾンビは夜明けと同時に帰っていくはずよ。それまでどこかで籠城していれば――!」
「〜〜ダメよ…!狙われている私達が行けば、避難した人達にも危害が及ぶわ…!」
「〜〜じゃあ、どうすればいいのよ…!?黙って捕まるのをおとなしく待てってこと…!?」
何とか策を練ろうとする間も、ゾンビ達はゆっくり俺達…、いや、正確に言えばあやめさんとかえでさんを捕えようと近づいてくる…!
「〜〜も…、もういやぁ…」
「〜〜来ないで…。お願い…」
極限状態が続き、あやめさんとかえでさんの精神力も限界らしい…。俺に抱きつき、弱々しい声で体を震わせ始めた。
〜〜くそ…っ、一体どうすればいいんだ…!?
『――助けてほしいか?』
その時、天の助けともいうべきか、俺達の頭の中で男の声が響いた。
2日目・夜・その3へ
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