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「大神と藤枝姉妹のセクシー旅行記〜ダブル・ハネムーン編〜」

〜2日目・午前
(かえでとデート編)・その2〜



お腹も満足し、俺達はまたビーチに出た。かえでさんと手を繋ぎ、太陽がギラつく浜辺を散歩する。

「結構、日に焼けましたね」

「あら、そう?大神君もなかなか良い色になってきたわよ――!」


すると、急にかえでさんの歩く足が止まった。

「かえでさん…?」

かえでさんは黙って、真剣な眼差しで海の彼方を見つめている。

「〜〜洞窟で何かあったみたい…。頭の中でメイミの声が聞こえるの…。〜〜急いで来てほしいって…!」

「わかりました…!そろそろボートも返ってきたかもしれませんしね」


俺達はモーターボートをレンタルする為、サーフショップに向かった。

「モーターボートか…。すまんな、まだ前の客が返しに来てないんだよ」

「他に海上を長距離移動できる乗り物はありませんか?小さいバイクでも何でも構わないので…!」

「フム…、なら、この予備のボートでもいいか?少々ボロいが、手入れはかかさずやっているから、エンジンはバッチリかかるぜ!」

「じゃあ、それにします…!」

「OK!料金は半分にまけといてやるよ。ハハ、俺って良い店長だろ?」


高齢にもかかわらず、ワイルドに髭を生やした店長から俺達はモーターボートを借りることになった。小型で塗装は所々はげているが、大人二人で乗るには十分な大きさだ。

「ハッハッハ、ブッ壊したら弁償しろよ〜?」

俺は店で店長に教わった通りにボートを操縦し始めた。他のモーターバイクやボートをよけながら、海原を駆けていくと、心地良い潮風が熱で火照った体を良い具合に冷やしてくれる。

「向こうの方角よ…。ずっとまっすぐ行って頂戴」

「了解…!」


俺はかえでさんの言う通りにハンドルを回し、ボートの進む方向を調整する。手すりにつかまり、まっすぐ海の向こうを見つめるかえでさんの顔はいつになく真剣だ。

「メイミの声はまだ聞こえますか…?」

「えぇ、かすかだけど…。〜〜う…っ!?」


突然、かえでさんが頭を押さえ、うずくまった。

「大丈夫ですか…!?」

「〜〜誰かがメイミの声を遮ってるみたい…。私は平気だから、大神君は操縦に集中して…!」

「わ、わかりました…」


俺は操縦を続けながら、かえでさんの方にチラチラ目をやって、様子を見る。何とか声を聞き取り続けることができているみたいで、細かい方向指示を出してくれる。

だが、一体誰が通信を邪魔しているんだ…?英雄姉妹の幽霊をも超える力を持つ者とは一体…!?

すると、プススス…。エンジンが乾くような変な音を立てながら、急に止まってしまった。

「〜〜モーターが何かに絡まったみたいですね…。ちょっと見てきます…!」

「気をつけてね…!」


海に飛び込み、ボートの様子を調べてみる。どうやら、モーターが網に絡まってしまったみたいだな…。

俺は水中から顔を出し、大きく息を吸って、また水中に入り、網をほどいていく。〜〜思った以上にきつく絡まっているな…。けど、時間はかかりそうだが、何とか取れそうだ。

「私も手伝うわ。二人で協力した方が早いものね?」

「お願いします…!――せーの…っ!!」


二人で同時に海に潜り、モーターとの絡み具合を見ながら、息を合わせて引っ張る。俺達の呼吸がぴったり合い、網がモーターから離れていく。

いい感じだ…!このままいけば…――!?〜〜しまった…!途中で俺の足が網目に引っかかってしまった。足をバタバタさせてもがくが、網が足にしつこくまとわりついて、水面に上がることができない。〜〜く…っ、もう息が…。

その時だった。かえでさんが一回水面に上がって大きく息を吸い、再び潜って、俺と唇を重ねて、キス越しに息を吹き込んでくれたのだ。

意識がはっきりしてきて見えたのは、かえでさんが俺の足に絡みついた網を小刀で切ってくれている姿だった。それが功を奏し、モーターからも完全に網が外れた。

かえでさんは俺を抱え、急いで水面に上がって、顔を出した。

「はぁはぁ…、助かりました…」

「ふふっ、やっぱり私がいないとまだまだダメね。さぁ、早く洞窟に向かいましょう」

「はい!――ほら、かえでさん…」


俺はボートに上がり、手を引いて、かえでさんを引き上げた。が…、

「〜〜きゃああっ!?」

かえでさんは慌てて胸を隠した。いつの間にかかえでさんの水着がなくなっていて、たわわな胸がポロリと顔を出していたのだ。どうやら、先程の奮闘でビキニの上が外れてしまったらしい。

「〜〜網外すのに夢中で全然気づかなかったわ…。その辺、どこか浮かんでない?」

「うーん…。そう遠くには流されていないはずなんですが…」

「〜〜ハァ…、最悪だわ…。これじゃビーチに戻れないじゃないの…」


俺は水着を探す振りをしながら、チラチラとかえでさんを横目で見やる。胸を隠す仕草と恥ずかしそうな顔が俺の男心をくすぐる…!あぁ、できるならこのまま永久に見つかってほしくない気もするが…。

「〜〜み、見つかりませんね…。時間もあまりありませんし、とりあえず洞窟に向かいましょうか?」

「そうね…。ハァ…、せっかく気に入ったの見つけたのに、残念だわ…」

「戻ったら、また買い直せばいいじゃないですか」


俺は喋りながら、軽い気持ちでエンジンをかけた。ぷすぷすぷす…。……あれ…?網を取り除いたはずなのに、かからない…。

「あれ…?〜〜おっかしいな…」

「もう、何やってるの?貸してみなさい…!」


かえでさんもチャレンジしてみるが、結果は同じ。何度鍵を回してもエンジンがかかる気配は一向にない。

「〜〜参ったわね…。帰ったら、あのじいさんに文句言ってやる…!」

「〜〜帰れたらの話ですけどね…」


海岸から遠く離れ、誰もいない大海原に浮かぶ小さなボロボート。その中ぽつんとにいる俺とかえでさん…。〜〜潮の流れでこのまま漂流していったら嫌だな…。

「泳いで行きましょうか?俺、海軍ですから、遠泳は得意――」

「…サメの餌になりたいの?」


かえでさんの忠告に説得力を持たせるように、黒い背びれが水面から顔を出し、ボートを横切った。俺は青ざめ、仕方なくボートの床に座る。

「〜〜ハァ…、これからどうしましょうか…?」

「…仕方ないわ。親切な船が通るまで、おとなしく待ってましょ」


と、かえでさんもため息をついて、俺の隣に座った。

「まだ胸隠してるんですか?俺だけなんだから、別に隠さなくても…」

「だって、いつ船が通るかわからないでしょ?恥ずかしいじゃない…!」


俺にはいつも堂々と見せて、誘惑してくるのに…。

「――それに、大神君以外の男に見せたくないもの…」

ズキューン…!!かえでさんの滅多に言わない素直な言葉と、もじもじする可愛らしい仕草に俺は心臓を撃ち抜かれた…!そ、その恥ずかしそうに目を細めて見つめてくる顔も反則だろう…!!

あぁ、ぎゅって抱きしめてやりたい…!〜〜だが、今はそんなことしている場合では…。その時、大きな波が来て、ボートが大きく揺れた。

「きゃ…っ!?」

「うわ…っ!」


俺とかえでさんは共にバランスを崩した。むにゅ…っ!その拍子にかえでさんの隠していた胸が露わになり、その柔らかい双乳に俺が顔をうずめる形となり、そのままかえでさんを押し倒した。

「〜〜きゃ…っ!お、大神君…!?」

「〜〜うわ…っ、す、すみません…!」

「…当たってるんだけど?」

「え…?」


いつのまにか大きく膨らんでいた俺の分身がかえでさんの股間を水着を隔てて圧迫していた。〜〜どんだけ元気なんだ、俺のジュニアは…!?

「ふふっ、馬鹿ねぇ。だから、さっき挿れとけばよかったのに」

かえでさんはフッと笑みをこぼすと、自らビキニの下半身の布地を引っ張って大事な部分を露出させ、ぐるりと形勢を逆転させて俺の上に乗った。そして、俺達は見つめ合い、互いの唇を貪るようにキスをする。

〜〜あぁ、早く洞窟に行かなくてはいけないのに、何やってるんだ、俺は…!?しかし、ボートは動かないし、通る船を待つ以外、やることもない。

それに、せっかくかえでさんから誘ってきてくれたのだ。年上の女性からのお誘いを断っては失礼というもの。あやめさんには悪いが、今はかえでさんだけを存分に愛そう…!

そう割り切った俺は夢中でかえでさんと舌と唾液を絡ませ合う。たちまち、俺の分身がさらにむくっと起き上がる。水着のかえでさんに乗られているのだ。仕方ない。

「ふふっ、姉さんと散々ヤってきたのに元気ねぇ」

かえでさんが騎乗位で動く度に自慢の巨乳がゆさゆさ揺れ、古いボートがギシギシ揺れる。

「あっ、あはぁっ、あぁっ…!はぁはぁ…、気持ちいい、大神君?」

「はい、最高です…!」


たまには楽して、こうしてかえでさんの気持ちよさそうな顔を見上げるのもいいものだ。俺はかえでさんにご奉仕してもらいながら、空を見上げた。

どこまでも続く青い空に綺麗な入道雲…。こんな平和な風景の島で、幽霊やらカボチャやらの奇妙な騒動が起きているなんて誰が思うだろうか?そんなことを考え、よそ見していた俺の顔をかえでさんは自分の方に向かせた。

「よそ見しちゃダ〜メ!私だけを見ててくれなきゃイヤよ」

かえでさんは髪を耳にかけて微笑むと、俺の首筋に吸いついてきた。今回は自分が徹底的に責めになるつもりなのだろう。たまにはこういうのもいいよな――。

「――キューイ!」

「ん…?」


ふと横を見ると、丸くてつぶらな瞳のイルカが水面から顔を半分出し、俺達を興味深そうに見つめていた。突然のイルカのアップに俺達は仰天し、思わずセックスを中断した。

「〜〜イ、イルカ…!?何でこんな所に…?」

「〜〜あ〜、ダメだよ、ジョニー…!」


イルカを追って、気の弱そうな外国人の中年男性が新品のモーターボートに乗って、こちらに向かってきた。

「キュー…」

イルカは残念そうに鳴きながら、水面から顔を全部出した。

「あ…っ!あれ、私の水着だわ…!」

しかも、イルカは口にかえでさんの失くしたハイビスカス柄の赤いビキニをくわえていた。

「あぁ、それ、途中で見つけてさ。はは、よかったね。危うくジョニーの新しいおもちゃになるとこだったよ」

「〜〜あの…、いつからそこに…?」

「〜〜ご、ごめんよ、悪気はなかったんだ…!その…、ストリップバー以外でこんな過激なショウを見られるとは思ってなかったからさ…」


と、ブラウンの髪と瞳をした人の良さそうな男性は照れながら笑った。

「…もしかして、あの店でモーターボートを借りた人って」

「えぇ、彼かもしれないわね。ボートの横にあの店のロゴマークが入ってるし…。――運が向いてきたわ…!頼んで、洞窟まで乗せていってもらいましょう」

「――キューイ!」

「あら、ふふっ、水着を返してくれるの?ありがとう。おりこうさんね」


かえでさんは水着を受け取り、イルカのジョニーの頭をなでてやった。すると、ジョニーはかえでさんの手首をくわえ、海に引きずり込んだ。

「きゃあっ!」

バシャアアン…!

「かえでさん…!!」

「ハハ、大丈夫だよ。ジョニーは甘えん坊だから、遊びたがってるだけなんだ。――な、ジョニー?」

「キューイ!」

「ふふっ、ジョニーったら。――こぉら、やめなさいってば…!」


イルカのジョニーはかえでさんに頬ずりすると、水中に潜って、かえでさんの股間に長い顔をすりつけてきた。

「あんっ、ふふふっ、やぁだ、くすぐったいわ…!あっ、あぁんっ!」

「ハハハ、ジョニーはオスだから、女の子が大好きなんだ。だから、男の僕の言うことなんてちっとも聞きゃしないんだ。ハハ、参っちゃうよね〜」

「はぁはぁ…、〜〜ジョニー、ダメぇ…っ!んあああ…ぅっ」

「キューイ!キューイ!」

「〜〜ただのスキンシップに見えないのは俺だけでしょうか…?」

「ハハハ、ジョニーのスキンシップは情熱的だからね〜」


ジョニーは潜っている為、何をしているのかはっきりわからないが、きっと、かえでさんの下半身にさりげなくエロいことをしているのだろう。

かえでさんもこんなことするのが人間だったら容赦しないんだろうが、イルカ独自のスキンシップだと思っているのだろう。

さすがはイルカ、知能が高いだけはある…。ピュアな振りして、なんて計算高い動物なんだ…!

「このジョニーはあなたが飼ってらっしゃるんですか?」

「あぁ、そうさ。――あ、自己紹介がまだだったね。僕はレオン。『ミラクル・シー・パラダイス』っていう島の水族館でイルカの調教師をしているんだ。ジョニーはイルカショウのトップスタァで、僕の最高のパートナーなんだ!」

「へぇ…!動物の親友がいるなんて羨ましいな」

「ハハ、だろう?イルカだって人間と同じ動物だ。小さなプールに閉じこもってばかりじゃ、ストレス溜まるだろう?だから、休みの日はこうして海に放して、のんびりさせてあげてるんだ」

「そうなんですか…。レオンさんは優しい方ですね」

「ハハ、名前がライオンって意味の割にってよく妻からも言われるよ。――そういえば、君達はこんな所で何をしてるんだい?わざわざセックスする為だけにこんな所まで来たわけじゃないんだろ?」

「はい。実はノーマの洞窟に向かう途中でボートが壊れてしまって…」

「えぇっ!?あの洞窟に行くの!?何で!?他にもいっぱい観光名所あるのに…」

「〜〜えっと…、その…、英雄姉妹の伝説を聞いて、とても興味が湧いたんですよ…!お願いします!そのボートで乗せていってくれませんか?場所はこちらで案内しますから」

「う〜ん、君とは良い友達になれそうだし、頼みは聞いてあげたいけど…」

「けど…?」

「〜〜あの洞窟にはね、奇妙な噂があるんだ、一度入った者は二度と出られなくなるってね…。ついこの前も大学生のカップルがふざけて入ったらしいんだけど、未だに出てきてないんだって…。だから、申し訳ないんだけど…――」

「あら、別に一緒に入れって言ってるのではありませんわ。洞窟まで乗せてくれて、私達が出てくるまでボートで待機していてもらいたいだけです」

「〜〜で、でも…」

「あ〜ら、こっちはストリップバー以上のショウを見せてあげたっていうのに、タダ見して帰る気かしら?――ストリップバーに通ってること、奥さんにバラしちゃいますよ?」


と、水着を着け直したかえでさんは、したり顔でレオンさんのボートに勝手に乗り込んだ。

「〜〜わ、わかったよ…!だから、妻にはストリップのこと内緒にしててくれ…!!呪いにかかる前に殺されちゃうよぉ…っ!!」

〜〜これじゃあ、立派な脅迫だよな…。しかも、恐妻家だったなんて…。レオンさん、お気の毒に…。

だが、確かに今は手段を選んでいる場合ではないからな。メイミさんの指示通り、一刻も早く洞窟に向かわないと…!

俺とかえでさんはレオンさんの操縦するモーターボートに乗せてもらい、再び洞窟を目指した。

「〜〜邪悪な力が強くなってきているわ…。きっと、この近くよ…!」

「――?あれは何だろう…?」


俺は妙な物を見つけて、指を差して二人に知らせた。入口らしき空間が崩れた岩でびっしり隙間なく塞がれた洞穴…。

「――メイミがあそこだって言ってるわ…。降りてみましょう」

「えっ!?〜〜ダイナマイトでもないと、穴は開かないと思うけど…?」


レオンさんの忠告を無視して、かえでさんはボートから降りると、塞がった入口に手をかざした。すると、大きな岩、小さな岩…、とにかく入口を塞いでいた全ての岩達が一斉に揺れ始め、パァン!!とまるでポルターガイストのラップ音のような音を立て、岩という岩全てが粉々に崩れ去った。

「すごい…!巫女の力でやったんですか…!?」

「いいえ、幽霊の力よ。メイミがそうしろって言ったから…」


メイミは俺達を呼び出して、ここで何をさせる気なんだろう…?

それに、岩で塞がっていた入口も気になる…。蟻一匹入るのも難しいだろうに、失踪した大学生のカップルはどうやって中に入ったんだろう…?

洞窟に入って調べてみれば、何かわかるだろうか…?

「〜〜ぼ、僕とジョニーは待ってるから、なるべく早く帰ってきてね〜…」

「キューイ!」

「ありがとうございます、レオンさん。――行ってきます…!」


ブルブル震えるレオンさんと元気に洞窟近辺の海を泳ぐジョニーを残し、俺とかえでさんは洞窟の中へ足を踏み入れた。長い間、外の世界に触れていなかったと思われるひんやりとした空気が俺達の頬を撫でるように通っていく。

「〜〜寒いわね…。外の暑さが嘘みたい…」

寒そうに腕をさするかえでさんに、俺は自分の着ていたTシャツを脱いで、かけてやった。

「女性は体を冷やすと、良くありませんからね」

「ありがとう、大神君」


男物なので、かえでさんが着ると丈が膝上くらいまで来てしまうが、そのダボダボ感が可愛らしく、俺は再び心臓を撃ち抜かれた如くときめいた。

「ふふっ、あったか〜い。大神君の匂いがする…」

かえでさんっていつもはクールなのに、時々こういう可愛い一面を見せてくれるんだよな。今度、大きめのダボダボパジャマでも着せてみることにしよう。

持ってきたランプに火を点け、互いの顔が見えるようになると、安心したように凛々しく微笑み合った。

「行きましょうか。離れないように手を繋いでいきましょう」

「ふふっ、えぇ。あなたの手、離さないから…!」


俺達はしっかり手を握り、慎重に奥へと進んでいく。

「〜〜メイミの声が聞こえなくなったわ…。どうしたのかしら…?」

「とりあえず、奥まで進んで調べてみましょう」


しばらく進むと、行き止まりに突き当たった。崖みたいだな。その岩の表面に『ジャックと豆の木』に出てきそうな丈夫そうなつるが上から下がるように生えている。うまくすれば、登れそうだ。

「先に行って下さい。後ろで支えてますから」

「わかったわ」


陸軍士官学校で訓練しただけあって、かえでさんは凸凹の足場をうまく利用しながら、つるに掴まって器用に登っていく。

下から見上げると、かえでさんが登っていく度、水着から少しはみ出した大きくて形の良い尻が左右に揺れる。まるで俺を誘っているかのように…。

〜〜今は興奮している場合じゃないのに…。こんな時でも異性に敏感に反応してしまう自分を情けなく思ってしまう…。

「登りきったわ…!――ほら、大神君、手を貸して…!」

「え…?〜〜は、はい…っ!」


つるを頼りに俺も無事に登り終えた。崖の上では、さらに真っ暗な闇が奥へと続いていた。

「少し拍子抜けしましたね…。ノーマが住んでいた洞窟なら、生贄が逃げないよう、もっと巧妙な罠が仕掛けてあるのかと思っていましたが…」

「そうよね…。けど、油断はできないわ。ともかく、最深部まで行ってみましょう」


俺達は再び手を繋ぎ、ランプの明かりを頼りに歩き出した。


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