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「大神と藤枝姉妹のセクシー旅行記〜ダブル・ハネムーン編〜」

〜2日目・午前
(あやめとデート編)・その1〜



俺とあやめさんとかえでさんは支度を整え、出かける前に、ホテルにあるレストランの朝食バイキングを堪能することにした。カンナじゃないが、『腹が減っては戦はできぬ』って言うからな。

焼きたてのパンに栄養満点のコーンフレーク、ハチミツがたっぷりかかったワッフルなど、欧米人の朝食に欠かせないメニューはもちろん、俺たち日本人が好みそうなご飯とみそ汁まであった。これも日本フリークである、このホテルのオーナーの意向なのだろう。

あやめさんはワッフル、かえでさんはコーンフレーク、俺はバターを塗ったロールパンを皿に取った。パンならよく銀座・木村屋で買っているが、ここのホテルのもパン職人のお手製とあって、なかなか美味い。

「へぇ、これがワッフルっていうんですか…!初めて見ましたよ」

「ふふっ、大神君も食べてみる?はい、あ〜ん」

「あーん…」

「ふふっ、美味しいでしょ?私ね、アメリカで花組の隊員を探していた頃、よくこのワッフルを食べていたのよ」

「へぇ…!カステラよりサクサクしていて、見た目ほど甘さもしつこくなく…。俺もワッフルにすればよかったな…」

「ふふっ、気に入ってもらえてよかった。やっぱり私達、気が合うわね。――ちょっと待っててね、新しく取ってきてあげるから…!」


あ〜んしてもらったワッフルのハチミツの甘さを噛み締めながら、笑顔で手を振りながら俺にワッフルを取ってきてくれる優しいあやめさんに手を振り返す…。

あぁ、朝から何て癒されるイベントだろう…!

「――うふふっ、コーンフレークも美味しいわよ〜、大神君っ!」

と、かえでさんはニコニコしながら、牛乳に浸していない乾燥したコーンフレークを大量に俺の口に詰め込んだ。

〜〜一方と良い雰囲気になると、片方がすぐこれだもんな…。姉妹を両方妻にするのも楽じゃない…。

2日目の俺の予定はこうだ。

まず、午前9時〜午後2時までは、あやめさんと島内のデートスポット巡りをして、午後2時〜7時までは、かえでさんとビーチで過ごす。

もちろん、デートしながら、昨晩現れた謎の幽霊姉妹について調べることも忘れてはならない。

「それじゃあ、そろそろ行きましょうか。時間がもったいないものね」

限られた時間の中でも、俺を独占できることが嬉しいのだろう。あやめさんはかえでさんに見せつけるように俺と腕を組んだ。

〜〜その行動がかえでさんをますます不機嫌にさせたのは言うまでもない…。

「〜〜いい、大神君?2時からよ!?――ふふっ、遅れたら承知しないわよ?」

「〜〜りょ、了解です…」

「じゃあ、行ってくるわね、かえで。大神君が私と離れたくないって駄々こねたら、行かせないかもしれないけど…」

「〜〜何ですってぇ…!?」


〜〜これ以上かえでさんを怒らせると本気で怖いので、俺は逃げるようにあやめさんとレストランを出た。

「〜〜何が何でもかえでさんとの待ち合わせ時間には遅れないようにしなくちゃな…。――では、最初のデートスポットに向かいましょうか」

「えぇ。うふふっ、嬉しいな…!大神君と二人っきりでデートなんて、久し振りだもの…!」


あやめさんは少女のようにはしゃぎながら、俺の腕に抱きついた。

普段の落ち着いた大人のあやめさんも素敵だが、こういう可愛らしいあやめさんも男心をくすぐるんだよなぁ…!

「ふふ、かえでには内緒の二人だけの思い出、いっぱい作りましょうね!」

「はい…!」


かえでさんには悪いが、今はあやめさんとの時間を大切にしよう…!

俺とあやめさんは、ホテルのフロントで貸し出していた自転車に乗り、最初の目的地を目指すことにした。

太陽を遮る木々が並ぶ下り坂を俺達は二人乗りをして駆け抜ける。

「お天気に恵まれてよかったわね。絶好のデート日和だわ」

「はは、そうですね。――しっかりつかまってて下さいね…っ!」

「きゃ〜っ!あはははっ…!ダメよ、そんなにスピード出したら、危ないわ…!」

「ハハハ…!自転車はこれぐらい出した方が気持ちいいんですよ」


俺が前で自転車をこぎ、その後ろにあやめさんは乗って、落ちないように俺の腰に手を回す。

下り坂を速いスピードで駆け下りていくので、吹き抜ける風が心地良い。そして、背中に当たるあやめさんの胸の感触も尚、心地良い…!

「きゃあああ〜っ!!あははは…っ!いや〜ん…っ!」

ジェットコースターのようなスリルにあやめさんは怖いのか楽しいのか、それとも両方なのか、ぎゅっと俺の腰にしがみついて、悲鳴をあげる。

「ふふっ、楽しいわね、大神君…!」

前を向いているので、表情は確認できないが、どうやらあやめさんは楽しんでくれているみたいで、よかった…!

20分のサイクリングが終わり、俺達は最初の人気デートスポット『レジェンド・パーク』に到着した。

青々と茂った草が風に揺れ、どこまでも続く敷地を覆っている。

デートスポットとして有名なだけあって、カップルが多い。ピクニックしたり、ペットを連れて寝そべったり、バドミントンをして体を動かしたり…。それぞれの楽しみ方で存分にデートを満喫しているみたいだ。

「うーん…っ!はぁ…、空気が澄んでて、美味しいわねぇ。日頃の疲れなんか吹き飛んじゃいそうだわ…!ね、大神君?」

「えぇ、心も体もリフレッシュできますね」


俺は答えながら、隣で明るく話すあやめさんを見つめた。

あやめさんは嫌なことがあると、心配をかけまいとわざと明るく振る舞う癖がある。

このデートを楽しんでくれてはいるみたいだが、心のどこかで昨晩の幽霊騒ぎが引っかかっているのだろう…。まぁ、全く気にしないでいろというのも無理な話かもしれないが…。

「…無理しなくていいんですよ?俺もあの姉妹、気になりますから…」

「あ…、〜〜さすがに大神君はごまかせないか…。あの姉妹の悲しそうな顔が頭から離れなくて…。ごめんなさいね、せっかくデートしてるのに…」

「いいんですよ。その姉妹を救う為にも、頑張って情報を集めましょう…!俺達がしてやれることがきっと何かあるはずです…!」

「大神君…」


あやめさんは俺の手を握り返し、安心したように俺の肩に寄り添った。

「ふふっ、ありがとう。大神君がいてくれると心強いわ。そういうあなたの優しいところ、大好きよ」

木陰の下で、あやめさんはそっと唇を突き出し、目を閉じた。俺は期待に応えるべく、あやめさんを木の幹に軽く押しつけ、口づけを交わした。

そして、キスに夢中になっているあやめさんの下半身に俺は自分の下半身のふくらみを押しつけて、誘ってみる。

「〜〜きゃ…っ!?んもう、大神君ったら…」

「誰も見てませんよ。あのカップルだって、ほら…」


白人のカップルは白昼堂々、性交渉に励んでいる。あやめさんは彼らを見て赤くなり、目をそらした。

「〜〜で…、でも、外でなんて…」

「見られるのが嫌なんですか?なら、声を出さなければいいんですよ…」

「――むぐ…っ!」


あやめさんの口を手で塞ぎ、首筋に吸いついてみる。俺に覆われているあやめさんの口から甘い吐息と可愛らしい嬌声が漏れた。

「しー…。静かにしていればバレませんって…」

「〜〜んふぅっ、おぷぅっ…、ふぅふぅ…」


だが、俺に敏感な部分を責められると、あやめさんの口からどうしても喘ぎ声が漏れてしまう。

近くで座っていたカップルがこちらの様子に気づいたのか、興味深くちらちら見てくる。あやめさんもそれに気づき、真っ赤な顔で目に涙を浮かべ、訴えるように俺を見つめてくる。

無理矢理するのも気が引けるので、短期決戦を決めた。俺はあやめさんの片足を上げ、貫いた。

「――!!〜〜んおおおぉぉぉ…っ!!」

あやめさんの眉間にしわが寄った。どうやら、この体勢はあやめさんにとってきついらしい。なので、俺はあやめさんと一つになったまま、自分の体と木の間にあやめさんを挟むように固定し、あやめさんの両足を持ち上げて自分の腰に回すと、猛然と腰を振り始めた。

「んああああ…〜〜っ!!」

俺の両手が塞がり、解放された自分の口をあやめさんは慌てて自分で押さえた。俺は自分の下半身の杭であやめさんを木に打ちつけるように、一定のリズムで腰を前後に振る。そして、あやめさんに手間を取らせないよう、今度はキスで唇を塞いでやった。心から満足させてやる為に、相手の不自由な部分を取り除いてやることも忘れてはならない。

「んおぉぅっ、おふっ、あふっ、んぷぅっ…、んふぅぅっ…!!」

あやめさんの気持ちよさそうな顔と荒い鼻息が野外セックスの恥ずかしさと、そこから生じる快感を物語っている。あやめさんはここが外で、周りの人に見られているということも忘れ、俺の腰を両足で挟み、自らも腰を振り出した。

俺達の律動であやめさんの白いハイヒールが脱げてしまったが、二人ともそんな小さなことには気づかない。ただ夢中になって、目の前にいる最愛の人の体を一心不乱に求め合うだけだ。

「んぉぉぉぉっ…!〜〜〜〜っ!!」

あやめさんがイッた後、俺も追いかけるようにしてすぐに果てた。

「はぁはぁ…、たまには外も悪くないでしょう?」

「はぁはぁ…、ふふっ、すごく刺激的だったわ…!こんなの初めてよ」


周りを見渡してみたが、誰も気にしていないみたいだ。多分、気づかない振りをしてくれているのだろうが…。

冷静になって考えてみると、急に恥ずかしくなってきたので、俺は急いでズボンのチャックを、あやめさんはパンティーを急いで上げた。

「〜〜こ、公園内を見て回りましょうか…?」

「そ、そうね。そうしましょう…!」


腰も軽くなったところで、俺はあやめさんと手を繋いで、公園内を見て回ることにした。

レジェンド・パークは、この広場の他に、ハイビスカスやラフレシアなどの島の美しい花々が見られる植物園や、島の原住民族・キュピピ族の歴史が学べる博物館などのエリアがあるようだ。

「キュピピ族…か。あの姉妹はこの民族出身とは考えられませんかね?」

「えぇ、私もそれを考えているんだけど…。何かヒントになりそうな展示ってないかしら…?」


博物館エリアに入り、一つ一つの展示物を注意深く見ていると、あやめさんが何かを見つけた。

「――!あの像って…!」

あやめさんと俺は花畑の真ん中に置かれた像を見上げ、驚愕した…!

白装束を身にまとった二人の美女が寄り添い、天を見上げている像…。その像の美女達とあの幽霊姉妹が酷似しているのだ…!

「えっと…、『島を救った英雄姉妹』…か。どういうことなんだろう…?」

「Hey!――」


すると、白人の男性と黒人の女性のカップルが話しかけてきた。

「〜〜いぃっ!?えぇっと…」

俺が戸惑っていると、あやめさんが英語で応対してくれた。

さすがは英語・フランス語・中国語を操り、世界中から花組隊員を集めてきた人だ…!こんな日常会話など朝飯前なのだろう。

はぁ…、すごいなぁ、あやめさんは…。〜〜本当なら旦那の俺がリードしなくてはいけないはずなのに…。

「――この像の前で写真を撮ってほしいんですって」

「あ…、わかりました。俺が撮りますよ」

「Thank you!」


俺はカップルから渡されたカメラで写真を撮ってやった。

人目も気にせず、顔を寄せて、ぎゅっと抱きしめ合う外国人カップル…。

外国人って愛の表現の仕方が大胆だよな…。〜〜まぁ、他のカップル達の近くでセックスをやってのけた俺が言うのもなんだが…。

「Really?――私達も撮ってくれるって。お願いしちゃいましょ!」

「そうですね。では、よろしくお願いします…!えっと…」


俺はたどたどしくも何とか英語で『とれるんですくん』の使い方を説明でき、男性に渡した。

「もっとくっつけって言ってるわ」

「こ、こうですか…?」


俺は先程の男性を真似て、あやめさんの肩を抱き寄せた。

「ふふっ、『いい感じだ、お似合いだよ』ですって」

お似合いか…。照れくさいが、人から言われるとやはり嬉しい。

すっかり気を良くした俺は、あやめさんをぎゅっと抱きしめた。

「きゃ…っ!ふふっ、大神君ったら…」

「ははは…、ほら、もっと寄らないと写りませんよ?」

「ふふっ、わかったわ」

「――Say,cheese!」


パシャ…ッ!俺達の新しい思い出がまた一つ写真に収められた。

かえでさんに言うと、すねてしまうかもしれないので、あやめさんの言う通り、内緒にしておこう…。

「丁度いいですから、この像について何か知らないか、聞いてみましょうか?」

「そうね。――By the way…――」


あやめさんは、流暢な英語で聞いてみてくれた。

男性は知らないみたいだが、女性の方は何度も島に来たことがあるらしく、伝説に詳しいみたいで、教えてくれた。

集中して聞いていたので、所々の単語なら俺も聞き取れたぞ…!

『神』『生贄』『犠牲』『英雄』…。

「――Thank you very much!Have a nice trip!」

「You are welcome!You,too!」


外国人カップルと別れ、俺達は像の近くのベンチに座り、聞いた話を整理してみた。

「まだリゾート開発が行われる前、この島にはキュピピ族という部族だけが住んでいたっていうのは知ってるわよね?この島は昔、台風や津波、火山の噴火など、多くの自然災害に見舞われていたらしいの。その自然災害の原因は、海底の洞窟に住むと言われた神『ノーマ』の怒りのせいと思われていたらしいわ。ノーマは、キュピピ族の始祖が神となって、この島を守る為に地上に降りた化身と崇められていて、毎年、丁度この時期にキュピピ族はノーマの怒りをかわないよう、部族の美しい女性を生贄として捧げていたの。けれど、毎年若い女性がいなくなっていくので、キュピピ族は子供の数が減ってしまい、部族滅亡の危機に陥ってしまったの。部族長はノーマにこのことを話し、代わりに島で捕れる海の恵みや果物を献上するから、生贄制度を廃止してほしいと頼んだそうよ。けれど、それに怒ったノーマが自然災害を起こす頻度を増やしたから、キュピピ族の生活を支えてきた漁業や農業が成り立たなくなってしまい、部族はさらに窮地に陥ってしまったの…。このままでは、島もキュピピ族も滅びてしまう…。そこで、キュピピ族の族長の娘『マイア』と『メイミ』姉妹が立ち上がったんですって」

「その姉妹があの像の…、昨晩現れた幽霊姉妹なんですね?」

「えぇ…。マイアとメイミ姉妹は、族長の血を継ぐ女性だけが扱えるという聖剣でノーマを倒し、天上界へと送り返したの。けれど、激しい戦いの末、傷ついた姉妹は二度とキュピピ族の里へ戻ることはなく、遺体も未だに発見されていないらしいわ…。姉妹の活躍を称え、憐れんだ天上界の神々は、この島でもう二度と自然災害が起こらないようにしてくれたの。キュピピ族の人達もノーマに怯える必要がなくなったし、生贄を捧げることもなくなったから、キュピピ族もさらに繁栄したわ。その後、キュピピ族ではマイアとメイミ姉妹を島と部族を救った英雄として崇め、この像を建てたらしいの。今はリゾート開発が進んで、キュピピ族の人間も他の民族との出会いが増えて、島を出る人が多くなっちゃったみたいだけどね…」

「そうだったんですか…。でも、平和になったなら何故、英雄姉妹は幽霊として現れたんでしょうか…?」

「わからないわ…。けど、あの強い念…、ただごとではないはずよ…。もしかして、ノーマがまたこの島を狙っているとか…?それとも、自分達をきちんと埋葬されていないせいで、成仏できないのか…。いずれにせよ、ちゃんと遺体を見つけて、埋葬してやった方が良さそうね」

「そうですね。――おっ、ハイキングコースの頂上にキュピピ族に関する石碑群があるみたいですね。行ってみましょうか」

「えぇ、新たな情報が見つかるかもしれないし…」


俺とあやめさんはロープウェーに乗って、ハイキングコースの頂上を目指すことにした。

車内では、俺達の他にもアジア系とヨーロッパ系と思われるカップルが同乗していた。

〜〜皆、人目をはばからず、イチャついている…。日本人のカップルなら、手を繋ぐだけでも照れくさいだろうに…。これがいわゆる国民性の違いや文化の違いという奴だろうか…?

俺は目のやり場に困り、景色を見ようと外を見た。〜〜が、すれ違ったロープウェーの車内にもカップルが乗っていて、ここのカップル達と似たようなことをしていた…。

〜〜もし、恋人募集中の人がここに同席していたら、きっと醜い嫉妬にかられてしまっていたことだろう…。

「ここって、どうしてデートスポットとして人気なんでしょうか…?ただの歴史が学べる自然公園にしか見えないのに…」

「ふふっ、その答えも今から行く頂上にあるみたいよ?」


と、あやめさんは甘えるように俺に寄り添ってきた。

負けじと、俺達の仲を他のカップルに見せつけたいのだろうか…?〜〜あやめさん、結構負けず嫌いだからな…。


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