「太正戦隊・サクラレンジャー」その3



どんどんお互いのことを知る度に、どんどん惹かれ合っていく…。タブーだとわかっていても、もう私達の愛は止められなかった…。

しかし、私達の仲をフタバーヌが気づかないはずもなかった。

「――イチロー、まだサクラレンジャーの基地の場所を聞き出せないのかい?」

「〜〜あ…、あぁ…。なかなか口が堅い女でな…」

「…まさか、あの女に情がうつったんじゃないだろうね?」

「…だったら何だ?俺を幹部から外すか?それとも、このオオガミ星から追放するか?」

「〜〜な…っ!?」

「――イチロー君!ふふっ、ここにいたのね…!」

「あやめ…!どうした?ご機嫌だな」

「ふふっ、そう見える?あら、お義姉様もご一緒でしたのね。丁度良かった!今日のお夕飯はコロッケでいいかしら?」

「ころっけ…?」

「地球の食べ物よ。私の母が秘伝のレシピでよく作ってくれたの。お夕飯のおかずに作ってあげるわね!」

「はは、それは楽しみだな。俺も手伝うよ」

「ふふっ、ありがとう。先に厨房に行ってるわね!――それじゃ、失礼します、お義姉様」

「〜〜どうして捕虜が自由に城内を歩き回ってるんだ!?しかも、敵の私を『お義姉様』と呼んだぞ!?その上、ご丁寧に会釈して去っていったぞ…!?」

「…俺が監視しているから、逃げはしない。それに、アイツが姉さんを何と呼ぼうが勝手だろう?」

「〜〜あいつは人質なんだぞ!?旦那の実家で暮らす嫁じゃないんだぞっ!?」

「いずれそうなるかもしれない。俺はあやめに星のかけらのアンクレットを渡して、プロポーズした。事実上、俺達はもう夫婦だ…!」

「〜〜んなぁっ!?お前…、本気で言ってるのか…!?」

「あやめもここでの暮らしを気に入ってくれている…!俺とあやめが結婚して、何か問題でもあるのか!?」

「〜〜ありまくりだろ〜がっ!!イチロー、目を覚ませ…!!お前らは敵同士なんだぞ!?しかも、地球人と宇宙人なんだぞ!?二重のタブーなんだぞ、二重の!?」

「〜〜そんなの関係ないだろう!?それに、姉さんだって昔――」


――パァン…!!

フタバーヌは眉を顰め、イチロー君の頬を思い切り叩いた。

「〜〜その話を今度したら、八つ裂きにするよ…?」

「……姉さんなら、俺達のことをわかってくれると思ったのに…。〜〜残念だよ…」

「〜〜イチロー…」


去っていく弟の背中を見つめ、フタバーヌは体をわなわなさせて、拳を強く握りしめた。

「〜〜私のイチローを洗脳しやがって…。あの女、絶対に許さんぞ…!」

フタバーヌの企みなど知る余地もなく、私は深夜、玉座の間に呼び出された。

「――お呼びでしょうか、お義姉様?」

「〜〜フッ、お前に姉と呼ばれる筋合いはないんだが…?」

「あら、ごめんなさい…。私ったら、つい…」

「〜〜フン、イチローにちょっと気に入られたぐらいで、すっかり嫁気取りか…。私が悪の親玉だってこと、忘れちまったみたいだねぇ?」

「いいえ、あなた達は悪ではありませんわ。イチロー君から伺いました、あなた達が地球人から何をされたか…、どうして地球を執拗に狙うのか…」

「……あいつ…、私達のことをお前に話したのか?」

「私がしつこく聞いたからです。あなた達が私利私欲の為ではなく、復讐の為に地球を支配しようとしていることを…。〜〜けど、復讐や憎しみの心からは何も生まれません…!もし、地球の支配を達成できたとしても、亡くなった方々や美しい風景は戻ってこないのですよ!?いつかオオガミ星と地球が心を通わせられる日がきっと来ます!そして、このオオガミ星が元の美しい星になる日も、きっと――!」

「〜〜わかったような口をきくなぁっ!!」


フタバーヌは手を伸ばし、念力で私を壁に激突させた。

「きゃあああああっ!!」

「〜〜お前に何がわかる…!?それとも、私達を哀れんでいるのか?やはり、地球人は皆、同じだ…!友好的な態度を取って、結局は文明の低い私達を見下していただけではないか…!そして、優しい言葉で純粋な我らを騙して、豊かだった我が星の資源を根こそぎ地球に持ち帰っていった…!!〜〜抵抗する私達を無理矢理、武力で抑えつけてな…!奴らが欲しかったのはオオガミ星人との友好関係じゃない!オオガミ星の資源、そして、奴らのエゴだ…!!お前もそうやって哀れむ振りをして、私達を見下しているのだろう…!?」

「そんなことするはずないじゃないの…!〜〜きゃあああああああっ!!」

「あ〜、本当に胸クソ悪い女だねぇ…。――やっちまいな…!」

「キィ〜ッ!」


私はジャッカー軍団に担ぎ上げられ、玉座に座るフタバーヌの前で床に押さえ込まれ、額を絨毯の上に擦りつけさせられた。

「〜〜う…、うぅ…」

「ははっ、いい眺めだねぇ…!お前達・地球人は、宇宙で一番自分達の種族と星が優れていると思い込んでやがる…!高度な文明が何だ…!?蒸気や機械に頼って、結局、自分達の力だけじゃ何にもできやしないじゃないか…!!」

「〜〜そ、それは…」

「さぁ、早くこいつらを倒してみな!地球人のお前がどれだけ強いか見てやるよ!」


フタバーヌは私の背中をハイヒールのかかとでグリグリ踏みつけた。

「ああああああ〜っ!!」

「あはははははっ!どうした?変身なんかしなくとも、地球人様はオオガミ星人より強いんだろう!?」

「〜〜事情を知ってしまったからには、私はあなた達と戦いたくないもの…」

「フン、さすがは正義の味方、お優しいねぇ。けど、表面だけ取り繕っても、私は騙されないよ…!?〜〜可愛い弟を地球人と一緒になんてさせるものか…!!どうしても一緒になりたいなら、この姉を倒してからにしな…!!」


――バリバリバリ…!!

フタバーヌの放った電流が私の全身を駆け抜けた。

「きゃあああああああ〜っ!!」

「あはははははっ!本当は無様に負けるのが嫌なだけなんだろ?正直に言いなよ!えぇ!?」


〜〜つ、強い…。女とはいえ、さすが首領だわ…。それにあの瞳…、本気で私を殺そうとしている…!

「フフ…、さすがはサクラレンジャーの隊長。これくらい、なんてことないか…。なら、あんたの精神を崩壊させるまでだよ!――やっちまいな…!!」

「キィーッ!」


フタバーヌの命令で、ジャッカー軍団が私に群がり、服を破り始めた。

「〜〜いやあああ〜っ!!やめてぇ〜っ!!」

「あははははっ!敵の幹部に拷問されて快感を覚えたあんたなら、喜んでくれると思ってねぇ。ほら、早く戦いなよ!でないと、まわされちまうよ?」

「キィーッ!」

「いやあああああ〜っ!!」


手袋をはめた無数の指が私の体を弄ぶ。〜〜こんな雑魚達に犯されるなんて…!

(〜〜助けて、イチロー君…っ!)

――バン…ッ!!

私が願いながら涙を流した刹那、玉座の間の扉が開いた。

「あやめに汚らわしい手で触れるな…!!」

「イチロー君…!」

「フッ、やはり来たか。けど、雑魚のジャッカー軍団もこんなにいりゃ…」

「〜〜キィ〜ッ!キィ〜ッ!キィ〜ッ!!」


イチロー君が来たせいで、ジャッカー軍団は猿のようにキィキィ喚いて、動揺し始めた。

「〜〜何やってるんだい!?早くイチローを痛めつけてやるんだよっ!!」

「俺と戦うつもりか?いいだろう…!まとめて刀の錆にしてくれる…!!」

「〜〜キィ〜ッ!!」


鋭く目を光らせたイチロー君に怖れおののき、ジャッカー軍団は私を放って、一目散に逃げていった。

「〜〜チッ、使えない奴らだねぇ。なら、私直々に相手になってやるよ…!」

「〜〜だ、駄目よ!姉弟で戦うなんて…!!」

「…下がっていろ。この馬鹿姉貴は、痛い目見ないとわからないみたいだからな…!」

「〜〜やめて、イチロー君…!」

「フッ、面白い。今まで私に手合わせで勝てたことがないのを忘れたか?」

「悪いが、今は負ける気がしないな…!――行くぞ!うおおおおっ!!」

「たあああああっ!!」


イチロー君とフタバーヌの剣がぶつかり合い、火花を散らす。間合いを詰めては攻め、よけて反撃。それを二人はひたすら繰り返す。

両者一歩も退かぬ、互角の戦いだ。

「フフフッ、腕を上げたな、イチロー…!だが、これで終わりだ…!!」

剣を大きく弾かれ、イチロー君がバランスを崩した一瞬の隙をフタバーヌは見逃さなかった…!

「――狼虎滅却・快刀乱麻ぁぁっ!!」

速い…!〜〜ダメ…!イチロー君がよけきれない…!!

「〜〜やめて下さい…っ!!」

「え…っ?」


フタバーヌの剣がイチロー君をかばったシンジロー君の肩を貫いた。

「〜〜シン君…っ!?」

「〜〜シンジロー…!!」

「〜〜ハァハァ…、もう…やめて下さい…。僕達は家族でしょう…?オオガミ星で唯一生き残った…仲間じゃないですか…」

「〜〜シン君…」

「〜〜わかったから、もう喋るな!――衛生兵、何をしている!?早く来い!!」

「〜〜キ…ッ、キィーッ!」


シンジロー君はジャッカー軍団の衛生兵の手当てによって、一命を取り留めた。今は寝室のベッドでぐっすり眠っている。

命がけで仲直りさせようとしたシンジロー君をイチロー君とフタバーヌは反省して、心配に見守っている。

ふふっ、家族を心配する気持ちはオオガミ星人も同じなのね…。

「〜〜うぅ…っ、ごめんな、シン君…。愚かな母を許してくれ…」

「シンジロー…、まだまだ子供だと思っていたがな…。――父親のこと、まだ言ってないのか?」

「〜〜あんな奴のこと…、言えるわけないだろう…」

「どういうこと…?」

「知りたいかい?フッ、今さらあんたに隠すこともないしね…。――シン君の父親は地球人なんだ…。資源計画実行の為にこの星に来た調査員だった…。私は彼にオオガミ星を案内するうちに恋に落ちた…。〜〜けど、彼は私達を裏切り、政府の言いなりに資源を奪って帰っていった…。この星の何もかもを奪われて絶望していたが、お腹にシン君がいることがわかって、ほんの少しだけ希望の光が見えたよ…。あんな奴の子供だけど、産まれてきたこの子には何の罪もないからね…」

「〜〜そうだったの…。それじゃあ、シンジロー君は地球人とオオガミ星人のハーフになるのね…」

「あぁ。だから、オオガミ星人の特殊能力は私やイチローよりも弱い…。だからこそ、母の私が守ってあげたい…、強い男に育ててやりたいと誓った…。〜〜それなのに私は…っ!」

「フタバーヌ…」

「……一度は地球人を愛した姉さんなら、俺の気持ち、わかってくれるだろう…?」

「〜〜だからこそ、忠告してるんだ…!苦労するのはお前なんだぞ…!?」

「俺はもう決めたんだ、あやめと一緒に生きて行くと…!」

「ほぉ、そうか…。なら、お前は一族の…、いや、オオガミ星の恥だな!!」

「あぁ、恥で結構だ!!」

「〜〜二人とも、やめて…!!シンジロー君がどんな気持ちで喧嘩を止めたかわかってるでしょう…!?」

「〜〜何を偉そうに…!元はと言えば、お前がイチローを誘惑したせいだろう!?〜〜さては最初から私達を仲違いさせるのが狙いだったんだな…!?」

「あやめはそんな女じゃない…!〜〜あやめのことを悪く言うなら、たとえ姉さんでも容赦しないぞ…!?」

「イチロー君…」

「地球人全てが悪い奴じゃない。あやめみたいな心の優しい奴だっているんだ…!この星の人間だって、そうだっただろう!?確かに地球人に侵略されたせいで、仲間の命も資源も食料もほとんど奪われた…。だが、生き残った者達は結束するどころか、わずかな食料を求めて傷つけ合ってしまった…。その争いで死んでいった者だって多い…。〜〜結局は、地球人も俺達も同じなんだ…!皆、身勝手なんだ…!!」

「〜〜意地汚い地球人と私達を一緒にするとは…!お前など、もう家族ではない!今すぐこの星から出ていけ!!これは女王命令だ…!!」

「〜〜そんな…!イチロー君は何も――!!」

「…いいんだ、あやめ。……俺はもうあんたの弟でもないし、部下でもない。出て行けと言うなら、あやめと一緒に喜んで出て行くよ」

「…必ず後悔するぞ?」

「俺は俺のやりたいようにやる。だから、後悔なんてしないさ」


そう言って、イチロー君は私の手を引いて、寝室を後にした。

「〜〜ごめんなさい…。私のせいでお義姉様と…」

「気にするな。俺達の争いに巻き込んでしまって、不憫なのは君の方だ」

「――イチローちゃ〜ん、宇宙船の整備が終わったわよ〜ん!」


イチロー君に話しかけてきたのは、今日の戦いで召喚された怪人・薔薇組だった。

「ご苦労だった。――ついてきてくれ。俺の宇宙船を見せてやろう」

イチロー君に案内されて、私は城の地下にやって来た。そこの格納庫のドックに円盤型の宇宙船が入っていた。

「これが宇宙船…!?まぁ、本当にUFOってあったのね…!」

「ユーフォー…?地球人はそう呼んでいるのか」

「ふふっ、えぇ!こんなに間近で見られるなんて、何か感動的だわ…!」

「はは、それはよかった」

「〜〜あうぅ…、本当に出て行っちゃうんですかぁ?」

「私達を置いて行かないで〜!イチローちゃ〜ん…!!」

「すまない…、女王命令は絶対だからな…。これからは俺の代わりに、姉さんとシンジローを助けてやってくれ」

「〜〜うぅ〜、イチローちゃ〜ん…」

「ちょっと、あんた!イチローちゃんを泣かせるようなことがあったら、ただじゃおかないわよ〜!?」

「えぇ、わかったわ…」


ふふっ、薔薇組の怪人達も本当にイチロー君を心から慕っているのね。

「とりあえず、地球のサクラレンジャーの基地に行きましょうか?」

「そうだな、俺もサクラレンジャーに協力しよう。――もう誰も傷つかないよう、姉さんを止めて、戦いを終わらせてみせる…!」

「えぇ、私も協力するわ…!」

「あやめ…。ありがとう」

「ふふっ、私達は夫婦ですもの。どんなことがあっても、ずっと一緒よ…!」


私とイチロー君はUFO型の宇宙船に乗り、地球へ飛び立った。

オオガミ星がどんどん離れていく…。地球人の横暴で、岩と砂だらけの砂漠が続く死の星になってしまったオオガミ星…。

待ってて…!この星も地球も私達が必ず救ってみせるから…!

「――宇宙船『ミカサ』、発進準備、完了致しました!」

その頃、地球にあるサクラレンジャーの秘密基地では、大型の宇宙船『ミカサ』がオオガミ星に向けて、今まさに発進しようとしていた。

「やっと宇宙船が完成したか…。これであやめ君の救出に向かえるな」

「わざわざ我々が救出に向かわなくともよいのでは?敵にさらわれる隊長など、切り捨ててしまって構わないでしょう?」

「山崎…、あやめ君はお前の恋人じゃなかったのか?」

「フフ…、非情でなければ、戦闘部隊の上官なんて務まりませんよ」

「…まぁいい。――ともかく、予定通り発進するぞ。準備はいいな?」

「おう!こっちは皆、準備OKだぜ!」

「早くあやめさんを助けに行きましょう!」

「あぁ、もちろんだとも。――ほれ、山崎、お前も準備しろ」

「…了解」

(〜〜米田のじじいめ…。こいつさえいなくなれば、私が組織を牛耳れるものを…)

「――宇宙戦艦『ミカサ』、発進!」


副隊長のマリアが号令を出したその時、船内と格納庫に設置されていた赤いランプが点滅し、緊急事態を報せた。

「〜〜な、何が起こりましたの…!?」

「――緊急事態、発生!強大なエネルギー反応が格納庫に接近中…!!」


――ガシャアアアアン…!!

私とイチロー君の乗ったUFOが格納庫のシャッターを破って、突っ込んできた…!

「〜〜ユ…、UFOやて…!?」

「〜〜まさか、オオガミ星人デ〜スカ…!?」


イチロー君はUFOの扉を開き、私をエスコートして降ろしてくれた。

「〜〜すまない…。人が多くて、着陸場所に迷ってしまって…」

「ふふっ、そのお陰で無事に基地に到着できたわ」

「あやめさん…!!」


さくら達サクラレンジャーの隊員がミカサから降りて、駆け寄ってきた。

「わ〜い!あやめお姉ちゃんが帰ってきた〜!!」

「あの…、そちらの方は…?」

「申し遅れて、すまない。俺はイチロー・オオガミ。オオガミ星人だ」

「やっぱり、オオガミ星人か…!!お前があやめさんをさらった犯人だな!?」

「〜〜やめて、カンナ…!この人は確かにフタバーヌの部下だけど、悪い人じゃないの…!」

「け、けどよぉ…」


すると、今度はマリアがレーザー銃をイチロー君に突きつけた。

「あやめさんから離れなさい…!」

「フッ、予想通りのもてなしだな」

「〜〜マリアもやめなさい…!イチロー君はフタバーヌを止める為に、私達に協力するって言ってくれたのよ…!?」

「そんなの、敵の策略に決まってマ〜ス!」

「ほんなら、拷問して白状させましょうや!フッフッフ…、うちの新しい発明品の実験台になってもらいまひょ〜かな」

「〜〜確かに彼は今までフタバーヌに仕えて悪事を働いてきたわ…。けど、今は改心して、私達とフタバーヌの戦いを終わらそうとしているの。私も彼に協力するわ…!だから、皆も彼を信じて、私達に協力してほしいの…!!」

「あやめさん…」

「…疑うのは当然だろう。信用してくれなくて構わない。俺は俺の意思であやめに協力するだけだ。お前達に迷惑はかけない」

「フン、散々迷惑をかけておいて、今さらむしが良すぎますわ!」

「けど、このお兄ちゃんの心、とっても温かいよ…!本当は良い人なんじゃないかな?」

「…信じてあげようよ、隊長が信じるなら、仲間の僕達も信じてあげなくちゃ」

「レニ…、アイリス…、ありがとう」

「はぁ〜!?皆さん、本気デ〜スカ…!?正気の沙汰とは思えないデ〜ス…!」

「何でしょう…?なんとなく、この感覚が懐かしいというか…。うふふっ、前世では私達とイチローさん、仲間だったかもしれませんね!」

「はぁ?何をおっしゃってますの、さくらさん?」

「えへへ…、デジャヴってやつですよ!」


私達が話していると、米田長官と山崎副長官も格納庫へ入ってきた。

「あやめ君か…!?無事で何よりだ…!」

「米田長官、山崎副長官、ご心配をおかけして申し訳ありませんでした…」

「まったくだ…。私も含め、皆、君を心配していたんだぞ?」

「〜〜ったく、よく言うぜ…」

「え…?」

「…いや、こっちの話さ。――ともかく一旦、作戦指令室に戻るぞ〜」

「了解!」


私の救出任務が遂行しないうちに終わり、事態がよくわからないさくら達に私はイチロー君がここに来た事情、そして、オオガミ星が地球人の物資奪取計画によって死の星になってしまったことなどを話した。

さくら達は最初は驚いていたが、最終的には私達の話を信じてくれて、それぞれの家へ帰っていった。


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