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大神一郎誕生日記念・特別短編小説
「未来への絆~21世紀の子供達へ~」
その5
「――さつきとゆずきを傷つける奴は、俺が許さねぇ…っ!!」
「~~敬一郎、落ち着け…!このまま力を暴走させたら、洞窟が崩れて、皆、生き埋めだぞ…!?」
「~~るせぇっ!!離せよ…っ!!」
『ふははは…!やはり、素晴らしい霊力だ…!――さぁ、大神敬一郎よ、私の元へ来て、共に武蔵復活の為に尽力しようではないか…!』
「~~く…っ、そうすれば、二人を解放してくれるんだな…?」
『あぁ、もちろんだとも。それに、君にとってマイナスなことなどないと思うが…?自分の居場所をずっと探していたのだろう?帝撃にいるのが嫌で、あんなに反発していたではないか』
「~~それは…」
『武蔵が復活し、帝都が新しく生まれ変われば、お前は私と共に支配者となる。望むもの全てが手に入るんだぞ?そこがお前の居場所となるのだぞ…!?』
「俺の…居場所…」
「~~敬一郎、騙されるな…!!――自分の夢を叶えたいんだろう…!?」
「…!!」
「いい加減、素直になれ…!お前が本当に大事に思っているものは何だ…!?お前を本気で愛して、頼りにしてくれている人達は誰だ…!?~~帝劇の舞台で脚本を書きたいんだろう!?愛するさつきさんとゆずきさんを助けたいんだろう…!?さっきだって、和葉さんと雄四郎さんがお前を信じてくれただろう…!?――お前の本当の居場所…、それはどこにあると思う…!?お前の愛する人達、仲間達はどこにいると思う…!?」
「そ、それは…」
「け…、敬一郎君…」
「敬一…郎…」
新皇の核に霊力のほとんどを吸われ、息も絶え絶えのさつきさんとゆずきさんを見やりながら、敬一郎は天笠に凛々しく微笑んだ。
「――悪ぃな、おっさん。やっぱ、あんたには協力できねぇわ」
『…せっかくの好機を棒に振るつもりか?お前が断るというのなら、この女達には死んでもらうぞ…!?』
「これ以上、あんたの好きにはさせねぇ…!さつきもゆずきも、俺達が暮らすこの帝都も全部まとめて俺が救ってみせる…!!」
「敬一郎君…!」
「敬一郎…!」
さつきさんとゆずきさんは涙目で微笑み、大きく頷いた。
『~~ちっ、仕方あるまい…。ならば、殺す前にその霊力、吸い尽くしてくれるわ…!!』
天笠が放った闇の攻撃弾が敬一郎にぐんぐん迫っていく…!
「~~敬一郎…っ!!」
かばおうとした俺をあやめさんとかえでさんが遮った。~~間に合わない…!
だが、その時、飛び出してきた誠一郎が敬一郎をかばい、その攻撃弾を背中に受けた。
「~~じ…、じいちゃん…!?」
「……よく言った、敬一郎…。お前がそう言ってくれる時を…ずっと待ってたよ…。これで、安心して…、お前に後を任せられるな…」
「何言ってんだよ…?~~まさか死ぬつもりじゃねぇだろうな…!?そんなことしたら承知しねぇぞ、くそじじい…っ!!」
「……残念だが、僕はもう駄目みたいだ…。父さんと母さんを見殺しにしてしまってすまなかった…。~~あの時…、僕が命令を無視して、花組を向かわせていれば…」
「やめろ…!~~逝くなよ、じいちゃん…っ!!」
『くだらぬ絆だな…。安心しろ、お前もすぐに後を――』
「――アリス・プティ・ジャンポ~ル!!」
そこへ、小さなジャンポール達が温かな黄色の光を降り注ぎながら、瀕死の誠一郎の周りを踊るように囲み、傷を癒した。
「――…?こ、この光は…!」
「じいちゃん…!」
「――帝都に仇なす敵は、私達が許さない…!!」
色取りどりの8機の光武が並んで、俺達の居る場所に舞い降りてきた。
「真宮寺さゆり!」
「神崎れんげ!」
「ユリア・タチバナ!」
「アリス・シャトーブリアン!」
「李桃蘭!」
「桐島アンナ!」
「ソレッタ・乙姫!」
「レミ・ミルヒシュトラーセ!」
「――帝国華撃団・花組、参上!」
彼女達がさくら君達の子孫…、21世紀の花組か…!本当に皆、さくら君達にそっくりだ…!
「敬一郎、僕の代わりに指揮を頼む…!」
「お、俺が…!?」
「よろしくお願いします、敬一郎さん!」
「…へっ、ここまで来たら、なるようになれだ!――帝国華撃団、出撃!!」
「了解!」
敬一郎の指揮で、花組が一斉に天笠に向かって走り出した。
『フッ、何人でかかってこようが、こちらには新皇が――!?』
いつの間にか駆けつけていた和葉さんと雄四郎さんが核から伸びた触手を斬って、さつきさんとゆずきさんを救出していた。
「うふふっ、遅くなってごめんなさいね~、敬一郎ちゃん」
「敬一郎~、お前の為に俺は生き延びたぞ~!」
「姉貴、雄四郎…!」
『~~お、おのれぇ…――!!』
天笠が気を取られた隙に、花組が一斉に新皇の真っ赤な核に飛びかかった。
「力を合わせて、新皇の核を破壊するんだ…!!」
「了解ですわ!――神崎風塵流・不死鳥の舞!!」
「シェルクーンチク!!」
「聖獣ロボ(改)~っ!!」
「三十六掌!!」
「ヴィアッジョ・ローズ!!」
「ジークフリード…!!」
「破邪剣征・桜花欄満!!」
花組の力が結集し、新皇の核が粉々に砕け散った。
『そ、そんな馬鹿な…!?~~ぐわああああっ!!』
その直後、天笠の幽体から闇の霊力が抜けていくと同時に、さつきさんとゆずきさんの体に霊力が舞い戻り、操られていたあやめさんとかえでさんが頭を押さえながら、苦しみ始めた。
「~~あやめさん、かえでさん…!」
「一郎さん、これを…!」
さつきさんとゆずきさんが黒い玉薬を一個ずつ俺に手渡した。
「この薬は、藤枝家に代々伝わる秘薬です」
「これをお二人に飲ませれば、悪霊を除霊できるはずですわ…!」
「ありがとうございます…!」
俺は玉薬を口に含むと、フラフラになったあやめさんの肩を掴んだ。
「『~~な、何を…――ん…っ、うぅん…』」
俺はあやめさんの唇を奪い、キス越しに薬を飲ませた。
あやめさん、正気に戻ってくれ…!
「『――お、大神…くぅん…、~~ああああああ~んっ!!』」
あやめさんが色っぽい声で絶叫した瞬間、その口から黒い霧状の霊魂が飛び出してきて、消滅した。
「――私は一体…?」
よかった、正気に戻ったみたいだな…!――さぁ、次はかえでさんだ…!
「『あ…っ!~~や…っ、やめなさい…っ!!』」
抵抗するかえでさんを押し倒し、俺はあやめさんの時と同じように唇を奪い、玉薬をキス越しに飲ませた。
「『やああっ…!な、何か来ちゃうぅっ!!~~ああああああ~んっ!!』」
嬌声をあげたかえでさんの口からも黒い霧状の霊魂が飛び出し、消え去った。
「お、大神…君…?」
よかった…!二人とも、無事なようだな。
『~~お、おのれぇ…』
「あとは天笠だけだな…!――敬一郎、一緒に行くぞ!」
「はぁ!?~~お、俺、戦いなんて無理だって…!」
「敬一郎、これを使え…!」
誠一郎は、未来の真刀滅却を敬一郎に手渡した。
「これは…!」
「今のお前なら、それを使いこなせるはずだ…!」
「自分の力を信じなさい、敬一郎!」
「あなたは、やればできる子なんだから」
さつきさんとゆずきさんに励まされ、敬一郎ははにかみながら微笑んだ。
「へっ、姉貴と同じこと言いやがって…!…けど、お前らの前で格好悪いところは見せられねぇしな。――行くぞ、ひいじいちゃん!」
「~~だから、その呼び方はやめてくれってば…」
俺と敬一郎は過去と未来の真刀をそれぞれ構え、同時に天笠に斬りかかった。
「――狼虎滅却・天狼転化!!」
「――狼虎滅却・天狼転化!!」
『ぐわあああああ…!!』
天笠の幽体が2本の真刀滅却によって、×印に切り裂かれた。
『~~覚えているがいい、帝国華撃団…。私はまた必ず復活して、貴様らとこの帝都を…、――ぎゃあああああ…!!』
悪霊の天笠が断末魔の叫びをあげながら消えると、洞窟が地震で大きく揺れ始めた。
「大変だ…!――全員、退避ーっ!!」
「了解!」
「さつき、ゆずき、大丈夫か…!?」
「えぇ、私達は大丈夫よ」
「ふふっ、格好良かったわよ、敬一郎?」
「へへっ、今頃気づいたのかよ?――舌を噛むなよ…!速攻で脱出するからな…!!」
「ふふっ、了解!」
「ふふっ、了解!」
21世紀の三人娘が操縦する翔鯨丸に俺達全員が避難し終えた直後、天笠の本拠地であった洞窟は完全に崩れ去った。
「――勝てたんだな…、俺…。決まっていた未来に抗えたんだ…」
「あぁ、君と帝撃皆のお陰でな」
「帝撃皆…か」
「――敬一郎、これが今朝、届いたんだけど…」
なでしこが渡したのは、面接を受けていた企業からの採用通知だった。
「おめでとう。すごいじゃないの…!この会社、大手だし、なかなか入れなくて有名なのよ?」
敬一郎はフッと笑みをこぼすと、通知をビリビリに破いて、翔鯨丸の窓からその切れ端を飛ばした。
「け…、敬一郎…!?」
「あんな会社、本気で受けたわけじゃねぇからさ。――それより、じいちゃんに頼みがあるんだけどさ…」
「ん…?何だい?」
「――花組の隊長になってやってもいいぜ?平凡なサラリーマンなんて、俺には合いそうにねぇし」
「ほ、本当かい、敬一郎…!?」
「ありがとう、敬一郎君…!」
「~~か、勘違いするなよな…!?決して、ここが居心地が良いからとか、俺の居るべき場所だって思ったからでは――!!」
「んもう、いい加減、素直になりなさい、敬一郎!」
「~~ちっ、わーったよ…」
「ふふっ、おめでとう、敬一郎。今日からあなたを花組の正式な隊長として任命します」
「よろしくお願い致します、大神敬一郎隊長!」
「敬一郎ちゃんが帝撃に入ってくれて、姉さん、嬉しいわ~」
「敬一郎~!隊長同士、二人三脚で頑張っていこうな~!!」
「~~離しやがれ、雄四郎…っ!…ただし、命がけの仕事なんだから、月に50万は給料出してくれよな?」
「んもう、誠一郎ったら…」
「調子に乗らないの!」
「~~いててて…!」
さつきさんとゆずきさんが敬一郎の両耳を引っ張ったので、皆は明るく笑った。
「めでたしめでたし、ね」
「ふふっ、えぇ…!」
帝撃の仲間達に囲まれて、敬一郎もまんざらではない顔で笑顔を見せた。
こうして、再び21世紀の帝都に平和が戻ってきた。
幸い、誠一郎の怪我も大したことはなく、今日も大帝国劇場の客席はたくさんのお客様で溢れ返っている。
「――クレモンティーヌ…!」
「オンドレ様ぁ~…!」
俺とあやめさんとかえでさんは、未来に来た記念に21世紀の花組の舞台『新・愛ゆえに』を観劇した。
「すごいですね…!さすが21世紀だな」
「私達の時代と比べると、舞台装置も音響機器も随分進化したわねぇ」
「はは、100年も経てば当たり前だよ」
「もっと詳しく教えてもらえる?その技術を持って帰りたいわ」
「いいけど…、電気じゃないと難しいんじゃないかしら…?」
「電気…?さっきの、蒸気で動いているんじゃないの…?」
あやめさんとかえでさんは、誠一郎となでしこに熱心に21世紀の舞台技術を教わっている。さすが副支配人、帝劇の舞台の向上に余念がない。
「――敬一郎、もぎり服、よく似合ってるわよ」
「~~るせぇな…。こんなダサイ服、着てられるかっつーの」
「文句言わないの!脚本家デビューもできることになったんだから、いいじゃないの」
敬一郎は劇場のもぎりだけでなく、次回作から脚本家にも挑戦することとなったそうだ。夢が一つ叶って、敬一郎も嬉しそうだ。
「――はい、チ~ズ!」
三人娘の翼ちゃんが俺とあやめさんとかえでさんを含めた21世紀の帝撃の集合写真を撮ってくれた。
「すごいな、携帯って写真も撮れるのか…!」
「今の携帯のカメラは解像度がすごいですからねぇ~。パソコンからプリントアウトしてあげますねっ!」
「あぁ、ありがとう」
印刷には何日もかかるものだと思ったが、翼ちゃんはすぐに写真を持ってきてくれた。21世紀は写真の技術も優れているようだ…!
俺とあやめさんとかえでさん、俺達と帝撃皆の子孫が揃った奇跡の一枚…。ハハ、敬一郎もさつきさんとゆずきさんに挟まれて、嬉しそうだな。
彼らの子供達が見られる日もそう遠くはないだろう。こうしてまた、俺達の絆がさらに未来へと繋がっていくんだな…。
さつきさんとゆずきさんから依頼された任務を果たしたので、俺はあやめさんとかえでさんと共に元の時代に帰ることとなった。
「――本当にありがとうございました…!さすがは英雄と呼ばれるご先祖様ですわ」
「ふふっ、そんなことないわよ。私達の時代にもタイムマシーンがあるから、近いうちにまた遊びに来るわね」
「はい、帝撃一同、心よりお待ちしております…!」
「――敬一郎も頑張れよ。生半可な気持ちでやれる程、花組隊長の任務は甘くないからな」
「わかってるよ。ったく、じいちゃんと同じこと言うなよな。耳にタコができるぜ…」
「ふふっ、しっかりね、隊長さん!」
「おう、見てな!真刀を継承する儀式なんてすぐに突破してやるぜ!お前らも頑張れよ!」
「~~敬一郎!またそんな失礼なことを…」
「ハハ…、3人とも、いつまでも仲良くな」
「ふふっ、えぇ…!」
「今からこの小型タイムマシーンで転送しますね。どうかお元気で…!」
「えぇ、あなた達もね」
「ひいじいちゃん…、――色々サンキューな」
タイムマシーンで転送される直前、敬一郎が俺に向かって素直に微笑んだ。ハハ…、だから、その呼び方はやめろって言ってるのにな――。
「――大神さ~ん、早く金ダライ持ってきて下さいよ~!!」
目の前が白く光ったと思ったら、次の瞬間、目の前にさくら君がいた。
「さくら…!あなた、太正時代の真宮寺さくらよね…!?さゆりじゃないわよね!?」
「え…?さ、さゆりさんってどなたですか…?帝活の吉長さんですか…?」
「ホッ、そうか…」
どうやら、俺達3人とも無事に元の時代に戻ってこられたらしい。
「~~それより、金ダライですよ、金ダライ!どこにあるんでしょう…!?」
「あ…、……そういえば、金ダライ、置いてきてしまったな…。ハハハ…」
「~~笑っている場合じゃありませんよ…!またすみれさんに怒られちゃうじゃないですか~!!」
金ダライの代わりに急遽、大浴場のタライを使って、私達の時代の新春公演の今日の公演は無事に終了した。
「――パパ、お誕生日おめでと~!」
「ありがとな、なでしこ、ひまわり、誠一郎」
昨日、俺に内緒で遅くまで描いてくれた似顔絵を子供達はプレゼントしてくれた。3人とも、俺の為に一生懸命描いてくれたんだな…。最近、俺、涙もろいんだよな…。ハハ…、まだ20代なのに、これじゃあ本当におじいちゃんだ。
終演後に皆が開いてくれた俺の誕生日会も終わり、長かった一日ももうすぐ終わりを告げようとしている。
「今日は楽しかったわね、大神君」
「そうですね。色々大変でしたけど、無事に解決できてよかったです」
「ふふっ、でも、この子達があんなに立派になってたなんてね…」
「えぇ、そうね…」
と、あやめさんとかえでさんは、屋根裏部屋で眠っている子供達のなでしことひまわりと誠一郎の頭を優しく撫でた。
「敬一郎…、隊長としてうまくやっていけてますかね…?」
「ふふっ、大丈夫よ。私達の子孫ですもの」
「それに、さつきさんとゆずきさんもついているしね」
未来の帝撃を背負って立っていた未来の子供達…。そのずっと先の未来も同じように、俺達の子孫が帝撃の伝統と絆を守り、帝都と人々の平和を守ってくれることを切に願いたい。
「そろそろ部屋に戻りましょうか?ふふっ、ここからは大人の時間ですものね~」
「大神君、私達からの誕生日プレゼント、あげるわね…!」
と、あやめさんとかえでさんが紙袋から出したのは、未来の世界のメイド喫茶で着ていたメイド服だった。
「それって…!」
「ふふっ、和葉さんがどうしてもって言うから、持ってきちゃった!」
「私の誕生日の時、大神君が執事やってくれたでしょ?あの時、約束したわよね?あなたがお誕生日時に、私はメイドをやってあげるって」
「はは、そうでしたね。じゃあ、部屋に戻りましょうか…」
「ふふっ、ご主人様のお望みのままに…」
「今夜も私達がご奉仕して――」
「――わぁ~、可愛いお洋服~!」
「ひまわりにも着させて~!」
「なでしこ、ひまわり…!~~起きちゃったのね…?」
「~~う~ん…、何の騒ぎ~…?」
「ね~ね~、誠一郎!これからパパとママ達、大人の時間なんだって!」
「え~?何々~!?それってどういうこと~?」
「~~いいから、子供はさっさと寝なさいっ!!」
「え~っ!?」
「え~っ!?」
「え~っ!?」
結局、その夜は子供達を寝かしつけるのに必死で、俺達3人とも屋根裏部屋で眠ってしまった。でも、たまにはこういうのも悪くないかもな…。
「むにゃ…、父さぁん……」
誠一郎の小さな手を握っていたつもりが、朝起きた時には、いつの間にか俺の方が逆に握られていた。
子供達の成長は早い。来年の俺の誕生日には、肉体的にも精神的にも3人とも、もっと大きくなっているんだろうな…。
『――ピピピピ~、朝やで~、朝やで~!』
「お父さん、朝よ~!」
「起きて~!ママとかえでおばちゃんがメイドさんになってるの~!」
「~~いぃっ!?」
飛び起きてみると、ひまわりの言う通り、あやめさんとかえでさんは昨晩のメイドのコスプレを着ていた。
「ふふっ、なでしことひまわりがどうしても着てみろってうるさくてね…」
「でも、この服、動きやすいのよね~!私、結構気に入っちゃったわ」
「はは、そうですか」
「今日はなでしこ達、私達のお手伝いをしたいんですって」
「ど~んとひまわり達に任せてよ!」
「私、お母さん達のお仕事しているところ、大好きなの~!」
「僕、大きくなったら、父さんみたいになりたいんだ!だから、今のうちから色々お手伝いしておかないとね!」
「はは…、ありがとな」
「ふふっ、それじゃあ、今日は皆でお仕事、頑張りましょう!」
「お~っ!」
「お~っ!」
「お~っ!」
今はまだ小さくて、あどけない子供達…。だが、いずれ大きくなって、この帝撃を支えてくれることだろう。
この先、いくつもの未来と可能性が分岐している。
俺達が行って、目にした未来が将来、本当にやって来るかどうかはわからない。だが、俺は信じたい、今の俺達と同じように強い絆で結ばれた21世紀の敬一郎達に、きっとまた会えると…。
それまで俺はこの帝撃を支え、守ることにしよう。あやめさんとかえでさん、そして、花組や帝撃の皆と一緒に命果てるその時まで…。
この先の、そのまた先の未来までこの絆が続くように、ずっと…。
終わり
あとがき
~~すみません…!!1日遅れてしまいましたが、大神さんの誕生日記念特別短編小説です!
かえでさんの誕生日記念で書いたタイムマシーンネタが好評でしたので、今回、再び取り入れてみました!
前回が「過去編」だったので、今回は「未来編」として、帝撃メンバーのそっくりな子孫達を登場させてみました!
このネタは、実はサイトができる前から私の方でも考えていて、今回やっと形にできて、嬉しいです!
登場させてほしいというリクエストが多かったダンディ団も(子孫という設定ですが)今回、初登場させることができました!
また、「あやめさんとかえでさんがメイドになって、大神さんにご奉仕する」というリクエストを∞工房様より頂いておりましたので、今回、採用させて頂きました!∞工房様、リクエスト、どうもありがとうございました!!
このタイムマシーンネタは、「対降魔部隊編」「平安時代編」の方でもリクエストを頂いているので、いずれまた書きたいなと思います!
いつアップするかはまだ未定ですが、気長にお待ち下さい。すみません…(笑)
さて、次回の小説は、あやめさんヒロインの短編を予定しております。大神さんがプチミントの如く、女装に挑戦しますよ~(笑)
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