「ペアルック」
(大神×かえで)
作:chigusa様
眠れない…。
かえでは冴えた目で明かりの消えた天井をベッドの中で見つめている。不眠症と呼ぶまでひどくはないのだろうが、たまにこういう夜がある。
「あ、かえでさんも起きてたんですね」
ホットミルクでも飲もうとかえでが食堂に行くと、大神がすでに座って同じホットミルクを飲んでいた。
「あら、珍しいわね。大神くんが眠れないなんて」
「俺だって眠れない時くらいありますよ。ホットミルク飲みますか?できたてでうまいですよ」
「えぇ。お願いするわ」
テーブルに着いたかえでに大神はホットミルクを入れたマグカップを差し出した。
「ちょうどよかったです。夜に一人で起きてるのって心細くて…」
「そうねぇ。今みたいな夜の長い冬は特に…。…それで?悩みがあるのなら副司令の私に話してみなさい」
「そんなたいしたことじゃないんですよ…」
「あら、恋人の私にも言えないようなことなの?」
「い、いえ…!そういうことではなくてですね…」
「なら何?怒らないから正直に言ってみなさい」
「……わかりました。…笑わないでくださいよ?」
「ふふ、約束する!それでなぁに?」
「今日、町を歩いていたらこれを見つけて…」
大神が出してきたのは色違いの大きなハート柄が印象的なペアルックのセーターだった。
「ぷっ、くく…あははは…!」
「わ、笑わないって言ったじゃないですか…!!…俺だって買う時、かなり恥ずかしかったんですからね!?」
「あはは、ごめんなさい。それで、ピンクの方を私にくれるの?」
「はい。俺たち付き合ってもうすぐ1年になるじゃないですか。その記念に」
「ふふふ、ありがとね。大神くんがくれるものならなんでもうれしいわ」
「なんでもって…。…やっぱり気に入らないですよね…?こんなの…」
「ううん。そんなことないわ。ちょっと派手だけど、2人で着れば平気でしょ?」
「そうですね。ペアルックで町歩くのは少し照れくさいですけど」
「あら、私は平気よ」
と言って、かえでは今着ている服の上から大神の買ってくれたピンクのセーターを着てみた。
「どう?悪くないでしょ?」
「へぇ、かえでさんってなんでも着こなしちゃいますね」
「ふふふ、ほら!大神くんも早く着てみなさい!」
「わ…っ!わかりましたから脱がさないでくださいってば…!!」
大神は青の、かえではピンクのペアルックセーター。お互いを見て、2人はまた恥ずかしそうに笑い合った。
「やっぱりちょっと恥ずかしいな…」
「え〜?明日はこれ着て銀ブラしましょうよ〜」
「か、かえでさんがそこまで言うならかまいませんけど…」
大神は頬をポリポリかき、照れて目を泳がせながら、かえでの肩を抱き寄せた。
「…もっとこっち来てくださいよ。この方が暖まるでしょう?」
「うふふっ!そうね」
大神とかえではおそろいのセーターを着たまま、暖炉の前で一緒に毛布にくるまった。
「あったかい…。私、大神くんといられて幸せよ」
大神に寄り添っていたかえでは安心感から眠ってしまった。大神は優しく笑って、かえでに毛布をかけ直してやった。
「交際記念日は最高の日にしましょうね。かえでさん」
chigusa様から頂いた、「大神×かえで」小説です!
当サイトが1周年を迎えたということで、記念にわざわざ書いて下さったそうです!!
どうもありがとうございます!とっても嬉しいです!!
ラブラブな大神さんとかえでさんの
ほのぼのほんわかした日常を見ていると、癒されますよね〜!
chigusaさんの大神×かえで小説サイトももうすぐ本格的に開設するみたいですので、
オープンの際は皆様も是非、足を運んでみて下さいね!
私もオフ会で読ませて頂いた
chigusaさんの素敵な作品の数々が読めるようになる日を楽しみにしています!
chigusa様、素敵な作品をどうもありがとうございました!!
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